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CTC

伊藤忠テクノソリューションズ株式会社

建設工事現場で進む3次元モデルの活用

3次元モデル イメージ図
3次元モデル イメージ図

建設分野では、コンピュータ上で設計図面を3次元モデルとして作成し、設計から施工、維持管理に至るまでのライフサイクル全体で活用、業務効率の向上を図る取り組みが進んでいます。CTCは、3次元モデルの受託開発や土木分野向けのITサービスの提供を通して、建設品質の向上に貢献しています。

東日本大震災の復興事業や東京オリンピックに向けたインフラ整備のための建設ラッシュが始まり、国内の建設投資は増加しています。一方、建設業界の労働者数は不足しており、土木工事現場の業務効率化が求められています。このような状況のもと、政府は2014年に「CIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)」という手法を打ち出して、現場への導入を推進し始めました。
CIMとは、一般的には建築分野で成果を上げているBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)の考えを土木分野に導入するもので、設計から施工、維持管理に至る一連の過程にITツールと3次元モデルを導入・活用し、建設事業全体の生産性向上を図ろうとする取り組みです。2012年頃からゼネコン各社で積極的な取り組みが始まりました。

CTCは、2次元図面の3次元モデル化やCIM導入のためのコンサルティングなど、幅広く技術提供を行っています。CTCが専門知識を必要とする土木の分野でIT活用を提案できるのには、2つの理由があります。一つは土木に精通したITエンジニアが豊富に在籍しているということ。もう一つはCIMに早い段階から取り組んできた実績があるからです。

現在、CTCではCIMに対応した建設分野向けのクラウドサービス「CIM-LINK」を提供しています。図面、CIM準拠の3次元モデル、画像や各種ドキュメントなどを、発注者から測量会社、建設コンサルタント、建設会社まで、建設プロジェクトを通して共有することができるサービスです。また、直観的なユーザインターフェースにより、専門的なトレーニングを受ける必要なく使うことが可能です。例えば、施工段階で発生した新たな地形情報や設計変更の理由、施工工程等を3次元モデルに含めて蓄積することで、維持管理段階における不具合発生時の診断を速やかにし、センサーネットワークと連携することで、社会インフラの老朽化対策でも活用できます。

これまで土木の現場では、調査・測量、設計、施工などのそれぞれのプロセス別に2次元CADで図面を作成していました。現在では、既に3次元モデルの活用が進んでいます。3次元モデルデータをすべてのプロセスで共有・活用できれば、プロセスごとに設計図を作り直す手間が省けるため、業務が効率化されます。さらに、工事現場で行われている計測などのアナログな作業のIT化も進みつつあります。これにより、重機に取り付けたセンサーで車両位置の把握や施工品質の管理を行ったり、作業者に取り付けたセンサーで傾斜度を測定することで安全性を確保することができるようになります。CTCでも建設工事で使用される3次元モデルをIoT技術で自動生成し、工事工程を可視化するソフトウェア群「C-シリーズ」を開発しました。

工事現場では3次元モデルを活用してもらうための啓蒙と教育活動も活発化しています。CTCはこれからもより安全でスピーディに土木建設を進められる環境づくりに尽力していきます。

椎葉 航

社会基盤営業部椎葉 航