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CTC

伊藤忠テクノソリューションズ株式会社

想定外から想定内へ未来の暮らしを守る新たな耐震技術

耐震シミュレーション技術の活用例
耐震シミュレーション技術の活用例

大規模な地震でも、揺れ方の違いで被害は大きく変わります。CTCがこれまで培ってきたシミュレーション技術は、より安全な街づくりのためのデータ提供や避難経路づくりなど、さまざまな形でインフラ整備に役立っています。

私たちが生まれ、育ってきた日本列島。実は世界で類例のない複雑な地殻の上に成り立っています。いわゆる「プレート理論」では地球の表面を覆うプレートは数十枚あり、日本列島は複数のプレートが交わるところにあるとされています。さらに日本のあたりで海のプレート(太平洋、フィリピン海)が陸のプレート(北米、ユーラシア)の下へ、毎年数㎝の速度で沈み込んでいるといわれており、それが地震の発生原因とされています。
2011年、東日本大震災が発生し、私たちの暮らしに甚大な被害を与えました。
これまで、日本では地震が発生するたびに、道路や橋などを作る技術基準が改定され、耐震面の強化に取り組んできました。しかし、なぜ東日本大震災では、広範囲にこれほどの被害が出たのでしょう。

1995年に発生した阪神大震災と比較してみると、東日本大震災は原発事故の影響と津波による莫大な被害が発生しました。さらに関東地方では、液状化による被害が報告されています。震源から遠く離れているにも関わらず被害が大きかった要因は、地震の継続時間が長かったことにあります。震源から遠く離れていたため、地震動の振幅(揺れの大きさ)は小さいですが、繰り返し荷重が作用することにより液状化に至ったと考えられます。

CTCは東日本大震災前から地震が発生するたび、数々の耐震シミュレーションを教育機関や専門機関などと協力しながら研究してきました。そのたびに解析シミュレーションのモデル化を行い、解析方法を見直し、技術力の向上・蓄積を行ってきました。その技術は、地震が発生した際に鉄道構造物などが受ける広域的な揺れや被害を推定し、地震対策や早期復旧支援などに活用できる「鉄道地震災害シミュレーター」※の開発にも活かされています。
こうした実績が認められ、電力プラントでは、過去の地震を考慮した最大クラスの地震に対する被害予測や対策検討の支援を行うほか、液状化などの被害想定のシミュレーション解析で都市開発プロジェクトを支援しています。具体的には、対策コストの試算やどのような土地改良ができるかなど、シミュレーション結果を活用した最適な対策案の提供やコンサルティングなどを行っています。

これからも日本で地震がゼロになることはありません。耐震シミュレーション技術を通じて大地震へ十分な備えができるように支援すること、それがCTCの使命の一つです。

※参照:2015年7月13日 公益財団法人 鉄道総合技術研究所 ニュースリリース
「鉄道地震災害シミュレーターを開発しました
―様々な地震の揺れや被害を想定し、地震対策の計画策定を支援―」
http://www.rtri.or.jp/press/pdf/20150713.pdf

馬渕 倉一

原子力・エンジニアリング部馬渕 倉一