これまでにない、驚くような新製品の登場。それを裏支えしているのが材料自体の進化です。世界標準の材料解析ソフトウェアを提供するCTCが新たに踏み出したのはナノレベル、つまり原子レベルからの材料解析です。さらに世の中に大きなインパクトを与えられる新製品の登場に貢献していきます。
ハイブリッドカーなど、これまでなかった新たな技術を使った製品が生み出され、ますます私たちの暮らしは変化しています。実はそうした新製品が生まれる背景には、製品を形づくる材料自体の進化があります。
新たな材料を開発する場合、近年では材料自体の性能や加工性、製品になった時の性能、さらにコストや資源、環境性能などが求められるようになり、使用される物質も多様化しています。つまり、さまざまな材料を組み合わせて「強くて、軽くて、安全に長く使える――」。そんな夢のような新たな材料を生み出そうと世界中のトップ企業はしのぎを削っているのです。同時に製品サイクルが短くなり、材料開発をする期間もどんどん短くなっています。
CTCでは30年以上前から材料開発のための解析サービスを提供してきました。主力製品の統合型熱力学計算ソフトウェア「Thermo-Calc」、Phase Field法による合金組織形成シミュレーションソフトウェア「MICRESS」はヨーロッパで開発された解析ソフトウェアで、材料解析分野で使われているソフトウェアでは国内シェアNo.1。そのためCTCはこの材料解析技術を提供する企業として第一人者といえます。
従来、材料開発といえば経験やノウハウなどに基づいて試行錯誤しながら進められてきましたが、CTCがあわせて提供する解析技術の材料学・物理化学による理論的なアプローチにより、付加価値の高い材料開発が可能になりました。
最近ではナノスケールで解析を行うCTC独自ソフトウェア「Nanoveats」をリリース。固体物理学の領域で従来、計算に膨大な時間がかかった第一原理計算や分子動力学計算などのシミュレーションを短期間で実現しています。例えば、熱特性の材料シミュレーションを活用すると、従来よりも短い期間で発熱しにくい新しい材料設計が可能となるため、高機能な材料開発と研究コストの削減につながると期待されています。
最新の材料解析技術は、ハイブリッドカーなどのモーターやバッテリーの高性能化に役立てられたり、身近なところでは、人工骨の研究などにも使われたりしています。ほかにも携帯電話の電子基板などの小さな部品から、宇宙のような過酷な環境下で使われる装置などの素材づくりなど、あらゆる分野で応用できる技術として注目されています。
CAEソリューション営業部福地 裕之