CTC 伊藤忠テクノソリューションズ株式会社

最先端の発電出力予測技術が電力供給の未来を変える理由

2030年までに電力供給全体の22~24%を再生可能エネルギーでまかなうという目標を掲げた日本。しかし比較的コントロールしやすい火力や水力発電などと比べて、太陽光や風力発電などの再生可能エネルギーは気象条件によって発電出力が大きく変動します。安定的な電力供給を実現するためには、電力の需要と供給のバランスや再生可能エネルギーの出力を予測する技術が必要不可欠です。
世界最速のスーパーコンピュータをいち早く導入し、日本で初めて民間企業として気象予報を開始。数々の実績を積み重ねてきたCTCが提供する最先端の発電出力予測技術が試されようとしています。今回、なぜ発電出力予測技術が電力供給の未来を変えることができるのか、その理由に迫ります。

再生可能エネルギーがますます注目を集める世の中に変化

2013年11月に「電力システム改革法」(改正電気事業法)」が国会で成立。2016年4月から小売電気事業者が電気料金を自由に決定、供給することが可能になるなど、日本国内の電力供給の仕組みは大きく変わろうとしています。また、地球温暖化対策や環境保護の観点から注目されるようになった太陽光や風力発電などの再生可能エネルギーは、気象条件によって発電量が大きく左右されるという特性があります。その発電量をいかに正確に予測できるかが、今後、再生可能エネルギーを有効活用できるかどうかのカギとなっています。

膨大な計算処理力と気象の知見を連携させることで高精度の予測が可能に

CTCは1980年に日本で初めて世界最速のスーパーコンピュータ(CRAY-1)を導入。膨大な計算処理ができるハードウェアを利用するため、お客様の要望に応じて、スーパーコンピュータを使いこなすためのソフトウェアの設計・導入、運用を長年続けてきた結果、今では膨大なデータを管理・分析する高い技術を蓄積しました。

スーパーコンピュータと気象。一見、なんのつながりもないようですが、スーパーコンピュータが日常的に使われることの多いのが気象予測の分野です。気圧や気温、湿度などの大気の状態や、地形などのさまざまな要素が絡み合って目まぐるしく変化する天気は、日本各地の約1,300地点のアメダスや世界中から集まってくる膨大なデータを、強大なコンピュータパワーを使って「数値予報モデル」で迅速に処理することで予報されます。

CTCは、気象に関する数値予測モデルを独自に開発し、1992年に民間向け気象計算サービスを開始。その後、その知見やノウハウを生かし、20年近くにわたり、風力発電に関わる解析・予測サービスを提供し、実績を積み重ねてきました。
20km四方が限界だった風力の解析を1km四方の範囲内で算出することにも成功。2003年には財団法人新エネルギー財団から「資源エネルギー庁長官賞」を受賞し、今では50m四方の単位で解析ができるまでになるなど、予測の精度は向上しています。 また、国内の50%以上の風力発電の事業化調査を実施。現在はシミュレーション技術と、データ収集および監視・制御に関わるIoT*1を組み合わせた新たなサービスの創出に向け、NEDO*2が推進するプロジェクト*3にも参画するなど、活躍の場を広げています。

※1 IoT:Internet of Things
※2 NEDO……New Energy and Industrial Technology Development Organization(国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)
※3 電力系統出力変動対応技術研究開発事業

サービス概要

E-PLSM(エプリズム)は、一般住宅の電力使用量、再生可能エネルギーの発電量、火力発電の設備運転情報などのデータを集中管理し、電力の需要と供給の状況を把握・予測・制御するクラウドサービスです。膨大な気象データや実際の発電量データを元に、再生可能エネルギーの発電量を予測し、電力の需要量とのバランス調整に役立てることができます。

統合型エネルギーマネージメントサービス

事業者が必要とするエネルギー関連データを集中管理することにより、エネルギーにおける予測と事象を把握、PDCAサイクルを支援するクラウドサービス

特長
① 多目的(IoT)プラットフォーム
② 430を超えるセンサー仕様に対応
③ 時系列データベースを採用(過去・現在・未来データを扱う)
④ 高可用性
その他
⑤ 独自アプリを具備・追加可能
⑥ 気象関連データとの一括提供可能

統合型エネルギーマネージメントサービス

参考リンク

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