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ADインベストメント・マネジメント株式会社

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Amazon WorkSpacesを導入したADインベストメント・マネジメント
2段階認証との併用によりセキュアなデスクトップ環境を実現

  • CUVIC on AWS

ADインベストメント・マネジメント(ADIM)は、社外から安全にアクセスできる仮想デスクトップ環境としてAmazon Web Services(AWS)の「Amazon WorkSpaces」を導入した。さらなるセキュリティ強化を目指した同社は、2段階認証の仕組みも含めた仮想デスクトップ環境の構築を伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)に依頼。わずか1カ月という短期間のうちに運用を開始した。

課題と効果

課題
  • 社外から安全にデスクトップ環境へアクセスするための手段がなかった
  • コロナ禍により、在宅勤務に対応可能なデスクトップの導入が急務だった

CTCの支援により、Amazon WorkSpacesと
2段階認証の仕組みを導入

効果
  • 在宅テレワークなど社外から仕事ができる柔軟な働き方を実現
  • コロナ禍をはじめとする緊急時における効果的なBCP対策を実現

導入事例インタビューデータ

会社名
ADインベストメント・マネジメント株式会社
所在地
東京都千代田区神田神保町1-105
設立
2005年
従業員数
80名(2022年4月現在)
事業内容
J-REITのアドバンス・レジデンス投資法人をはじめとした不動産ファンドの資産運用会社
URL
https://adim.co.jp/新しいウィンドウで開く
  • ADインベストメント・マネジメント株式会社 経営管理部 部長 信國 太郎氏

    ADインベストメント・マネジメント株式会社

    経営管理部
    部長

    信國 太郎氏

課題

社外で業務ができないために 業務生産性を損なうという課題が

ADインベストメント・マネジメント(ADIM)は、J-REIT(日本版不動産投資信託)の「アドバンス・レジデンス投資法人」をはじめとする不動産ファンド運用事業を展開する伊藤忠グループの資産運用会社。伊藤忠グループの機能を最大限に活用して積極的な資産の拡大を図るとともに、投資先賃貸住宅の入居者向けにさまざまな総合生活サービスを提供している。

金融と不動産の2つのビジネスを併せ持つ不動産ファンドという情報の機密性が求められる事業を展開するADIMでは、長年にわたって業務の非効率さに課題を抱えていたという。それは出張先・外出先・自宅などの社外から社内システムやデスクトップへのリモートアクセスが許可されておらず、メールチェックなどの些細な業務でさえも出社を余儀なくされていたことだ。同社で経営企画部門と情報システム部門を統括する経営管理部長の信國太郎氏はこう話す。

「当社は情報セキュリティを第一優先としているため、社外からシステムにアクセスすることは許していませんでした。しかし、社外で業務ができないことは、生産性を大きく損なうことになります。社員からもメールの送受信や稟議の承認・決裁などをリモートで行いたいという要望が多く寄せられていたので、セキュリティを担保しながら社外からでも仕事に取り組める方策を考えていました」(信國氏)

当初はVPN(仮想プライベートネットワーク)を導入して外部から接続することも検討したが、システムの脆弱性に対する懸念がどうしても払拭できずに断念。VPNの代替案として注目したのが、VDI(仮想デスクトップ基盤)を導入することだった。

経緯

高額なオンプレミス型VDIを断念し クラウド型VDIの導入を検討

ADIMがVDIの導入に向けた検討を開始したのは、2019年末のことだった。

「VDIの導入を検討するにあたり、親会社の伊藤忠商事が導入しているものを含め、オンプレミス型の製品を複数挙げて比較したのですが、どれも当社の事業規模ではコスト面でまったく合うものではありませんでした」(信國氏)

コスト面の問題からオンプレミス型VDIの導入を諦めた同社は、次にDaaS(Desktop as a Service)と呼ばれるクラウド型VDIの導入を検討した。2020年初めにかけて検討を進めていたちょうどそのとき、新型コロナウイルス感染症によるパンデミックが発生。信國氏は経営層に交渉し、クラウド型VDIの導入を早めることにしたという。

「コロナ禍によって在宅勤務が強く推奨され、テレワークでも安全に利用できるクラウド型VDIをいち早く稼働させることが喫緊の課題となりました。そこで予定を前倒しにしてクラウド型VDIの導入を急ぎました」(信國氏)

選択

AWSクラウドとの親和性を考慮し Amazon WorkSpacesの導入を決断

クラウド型VDIの選定を急ぐ中、ADIMが真っ先に候補として挙げたのは、AWSの「Amazon WorkSpaces」だった。

「当社はすでにAWSを利用しており、一部の業務システムやファイルサーバーがAWSクラウド上で稼働しています。それらをシームレスに利用できる親和性、相性の良さを考慮すると、Amazon WorkSpacesは最善の選択肢でした。また、仮想デスクトップ環境が素早く用意できるところも決め手となり、Amazon WorkSpacesを導入しました」(信國氏)

ただし、IDとパスワードだけでアクセスできるAmazon WorkSpacesだと、安全性の高いVDIを構築するには不安がある。そこでADIMは、同社のAWSクラウド環境の構築・運用を担当したCTCに相談。CTCが提案するGoogle認証システム(Google Authenticator)を利用したスマートフォンによる2段階認証プロセスを合わせて導入することにした。

「CTCとはAWSクラウドの構築・運用を委託する以前から10年以上にわたって取引実績がありセキュリティに対する考え方も共有できていたので、Amazon WorkSpacesと2段階認証の仕組みの導入をCTCに依頼することにしました」(信國氏)

効果

社外で仕事ができる柔軟な働き方を実現 BCP対策としての有効性も実感

ADIMから依頼を受けたCTCでは、2020年3月に約2週間という短期間でAmazon WorkSpacesの利用環境を構築。週に20~40クライアントのペースで導入を進めた。同時にGoogle認証システムを使った2段階認証の仕組みの構築も進め、5月までに運用を開始した。

「コロナ禍の中、非常に短い期間でVDIを導入し、在宅テレワークで仕事ができることになり、社長をはじめ経営層から高く評価されました」(信國氏)

ちなみにADIMが利用するAmazon WorkSpacesの仮想デスクトップ環境は、あくまでも在宅テレワークなど社外での利用を想定したもの。社内ネットワークで利用するクライアントとは完全に分けて利用しており、業務に必要なデータはAWSクラウド上にあるファイルサーバーなどを介してやり取りしているという。

「Amazon WorkSpacesの仮想デスクトップ環境は、コストを抑えるためにスペックが控えめのインスタンスを選択しています。そのため、処理負荷の高い業務は社内のクライアントで、メールチェックや文書作成など低負荷な業務はAmazon WorkSpacesでといったように使い分けをしています」(信國氏)

Amazon WorkSpacesの導入から2年が経過し、さまざまな効果を実感しているという。

「最大の導入効果は、在宅テレワークなど社外からでも仕事ができ、柔軟な働き方を用意できたことです。以前は介護や育児のために休職せざるを得なかった社員でも、そのまま仕事を続けられるようになりました。もちろん、今回のコロナ禍のようにオフィスへの出社が難しくなったときのBCP(事業継続計画)対策としての有効性も実感しています。具体的な数値として表せる定量的な効果はとくに計測していませんが、場所を問わずに働ける環境が整ったことで通勤時間や労働時間を短縮する効果も得られたと考えています。これらを実現できたのは、VDIを急いで導入しなければならないという当社の無理な要求にCTCがついて来てくれたおかげであり、CTCには感謝しています」(信國氏)

ネットワーク構成図

今後の展望

DX推進により業務効率化を進めるADIM 今後もAWSクラウドの新たな活用を模索

Amazon WorkSpacesの導入によって場所を問わない業務環境を整備したADIMだが、今後も業務効率化に寄与する新しいシステムやサービスを積極的に活用していきたいという。

「当社でもデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進しており、先般もCTCの協力を得てデータを分析・可視化するBIツールを構築しました。当社のような不動産を扱う業界は、案件数が増えれば増えるほど人手が必要になるという労働集約型ビジネスの側面があるため、これからもDXを推進して生産性を高めていくことが求められます。AWSクラウドでは、そうしたDXの推進に効果的な新機能、新サービスが続々と登場しているので、それらを取り込みながらビジネスに活用しいきたいと考えています」(信國氏)

CTCはこれからも、AWSクラウドでDXを推進するADIMを強力に支援し続けていくことだろう。

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