DEJIMA

Innovators' Talk #2
MaaSが拓く未来
〜その知られざる本質と多産業へのインパクト〜

Innovators' Talk #2 MaaSが拓く未来<br>〜その知られざる本質と多産業へのインパクト〜

2019年3月27日、Innovation Space DEJIMAにて「Innovators' Talk #2 MaaSが拓く未来 〜その知られざる本質と多産業へのインパクト〜」が開催されました。

Innovators' Talkとは?

新規事業開発担当者向けに業界第一線のエキスパートをお呼びし、インタラクティブに学ぶ機会をご提供する Innovators' Talk シリーズ。世界中のエキスパート・ネットワークを構築する株式会社ミーミル(ユーザベースグループ)、デジタルテクノロジー領域のコミュニティ創出を推進するInnovation Space DEJIMAが共催で、定期開催していきます。

ゲストスピーカーとしてお招きするのは、日本におけるMaaS研究・実践の第一人者であるMaaS Tech Japan代表 日高洋祐氏。長年にわたり国内外の次世代交通やモビリティ変革の事例を研究され、現在は多様なプレーヤーを巻き込みながら「日本版MaaS」の実現に向け旗を振る同氏から、つい誤解しがちなMaaSの定義と基礎概念、知られざる海外の先進事例、そしてMaaSがもたらす社会・生活・他産業界へのインパクトについて解説して頂きました。

深く学ぶ場となったイベントの模様を、グラフィックで振り返ります。

MaaS:Mobility as a Service

現在、スマートフォンの存在やシェアリングエコノミーの発達などにより、自動車業界が「100年に一度の大変革」の時期を迎えている。

MaaSとは、Mobility as a Serviceの略で、利用者が多様なモビリティ(移動に関する乗り物全てをさす)サービスを、一つのサービスとして利用できることをいう。

自家用車、バスや電車、航空機などの公共交通機関に加え、自動運転車、マイクロモビリティ、空飛ぶタクシーなどの移動手段を統合し、最適に使用していくための取り組みについて伺った。

01 MaaSが拓く未来<br>〜その知られざる本質と多産業へのインパクト〜

MaaS実現までの道のりーーMaaSレベルの分類と、海外におけるモビリティサービスの紹介

MaaSの実装状況を測る指標は、「MaaSレベル」と呼ばれる。

MaaSレベルは、0-4の5段階に分類され、「モビリティの統合なし」がレベル0、情報統合、予約・決済機能の実装、定額制のプラットフォームビジネスが形成され、官民、企業間連携が行われている状態がレベル4と定義づけられている。

02 MaaSが拓く未来<br>〜その知られざる本質と多産業へのインパクト〜

現状、日本のMaaSレベルは、「情報統合〜予約と決済」が整備されたレベル1から2の状態だという。

海外においては、既にモビリティレベル3の定額制サービス「Whim」が存在しており、定額制の動画配信サービス「Netflix」になぞらえて、「モビリティサービスのNetflix」と呼ばれる。

そのほか、定額制サービスのほか、ライドシェアリング(相乗り)に取り組むサービス「SoMo」、移動手段ごとに付与するマイルを変えるマイル付与サービス「Miles」などが存在し、サービスにより様々なインセンティブが設定されている。

03 MaaSが拓く未来<br>〜その知られざる本質と多産業へのインパクト〜

MaaSレベル3-4の段階に移行するにあたっては、人の移動のシミュレーション、サービスのオペレーションを行う主体、サービスの価格やインセンティブ設定などの検討が必要だ。

04 MaaSが拓く未来<br>〜その知られざる本質と多産業へのインパクト〜

MaaSをどのようにビジネスチャンスにしていくか?

MaaSそのものの事業化に加え、Beyond MaaSとしてモビリティサービスの周辺領域にいかにビジネスを展開していくのか。

ゴールドラッシュで財をなしたのは、金を掘り当てた人ではなく「つるはしを売った人」と言われる。MaaS実装による業界変化のなか、一体何がつるはしに該当するのか。それぞれの事業主体はどのように変化に対応していくかの検討が急がれる。

05 MaaSが拓く未来<br>〜その知られざる本質と多産業へのインパクト〜

講師紹介

日高 洋祐氏(株式会社MaaS Tech Japan 代表取締役、MIMIRクオリティ・エキスパート)

2005年JR東日本入社。JR東日本研究開発センターフロンティアサービス研究所にて、ICTを活用したスマートフォンアプリの開発や公共交通連携プロジェクト、モビリティ戦略策定などの業務に従事。2018年6月からは技術イノベーション推進本部ITストラテジー部門モビリティ変革グループに所属。
また、2014年より東京大学大学院 学際情報学府(社会人博士)にて日本版MaaSの社会実装に向けて国内外の調査や実証実験の実施、MaaSの社会実装に資する提言取り纏めを行う。
2018年11月、株式会社MaaS Tech Japanを創業。MaaSプラットフォーム事業を推進し、日本国内での価値あるMaaSの実現を目指す。
一般社団法人JCoMaaS理事

著書

  • MaaS モビリティ革命の先にある全産業のゲームチェンジ(日経BP社)

学会発表歴

  • ITS世界会議(Intelligent Transportation System World Congress)
  • ICoMaaS(International Conference on Mobility as a Service)
  • 情報処理学会、土木計画学会、日本サービス学会、日本機械学会など多数

https://peatix.com/event/612065より抜粋

記事、グラフィック制作

なかそね ことみ
info@sonecco.com