DEJIMA

イベントレポート
Innovators' Talk #3
2030年ロボティクス産業の未来像
〜業界展望に基づき描く新規参入戦略〜

Innovators' Talk #3 2030年ロボティクス産業の未来像 ~業界展望に基づき描く新規参入戦略~

2019年7月8日、Innovation Space DEJIMAにて「Innovators' Talk #3 2030年ロボティクス産業の未来像~業界展望に基づき描く新規参入戦略~」が開催されました。

Innovators' Talkとは?

新規事業開発担当者向けに業界第一線のエキスパートをお呼びし、インタラクティブに学ぶ機会をご提供する Innovators' Talk シリーズ。世界中のエキスパート・ネットワークを構築する株式会社ミーミル(ユーザベースグループ)、デジタルテクノロジー領域のコミュニティ創出を推進するInnovation Space DEJIMAが共催で、定期開催していきます。

第3回のテーマは、日本の社会的課題にも直結し目下様々な産業での導入が進むロボティクス領域の未来について。

企業としてはこの巨大市場のどこに勝機を見出し、行動すればよいのでしょうか。

数少ないロボットエヴァンジェリストとして、多方面に活躍されている羽田卓生氏を講師にお迎えし、これまでのロボットビジネスの振り返りから2030年に向けたロボティクス関連市場発達の道筋、今後の市場構造、社会の期待と現実のギャップについて解説いただいた上で、具体的にロボティクス関連市場での新規事業創出を目指される皆様向けに市場参入すべきポイント、ビジネスモデル、キーテクノロジーなどについて存分に語っていただきました。

イベントの模様を、グラフィックで振り返ります。

ロボティクス産業の未来を考える前に、そもそもロボットの定義とは

01 Robot ~そもそも、ロボットって何だろう?~

機械が「ロボット」を卒業した時、市場は拡大される

現在、ロボットが市場を作る分野には、介護支援、重作業支援、ホビー等がある。その中でも市場の規模が大きいのは、健康管理、物流、移動支援、検査・メンテナンスといった分野だ。

市場を広げている分野とそうでない分野には、どういった違いがあるのだろうか。

02 機械が「ロボット」から卒業するとき ~市場で生存し、ビジネスが広がる~

上記で挙げた3つの条件に照らし合わせると、外食、建設、産廃処理、業務用清掃、荷物搬送などの分野についても、これからのビジネス化が見えてきていると考えられる。

なお、各ジャンルごとの市場の見通しについては、ビジネス+ITの記事にて詳しく解説されている。
2020年のロボット業界5大予測、生き残る「当確」ジャンルを知っているか - 羽田卓生

2020年のロボティクス産業はどうなるか、そして2030年にどうつながるのか

2020年以降は、社会のニーズや技術の発達により、人間が行なっていた仕事の自動化がさらに進むことが予想される。

03 機械化、システム化とコストのバランス

その際、全部の仕事を自動化するのには莫大なコストがかかるため、「まずは仕事のこの部分だけを機械化・システム化する」という割り切りが必要になる。

「全自動洗濯・乾燥・洗濯物畳み機」を打ち出したランドロイド社は開発に苦戦していたが、フォールドレイト社が開発した「洗濯物を畳む機械」の売れ行きは好調だ。

他にも、単一作業を機械化することに成功している例としては、外食のお皿を下げるためのロボットや、BUDDY、HOSPY、Amazonロボティクスの倉庫管理システムなどが挙げられる。

ロボットの持つ機能に、どのように優先順位をつけ、開発していくかは知恵の絞りどころだろう。

2020年のロボティクス産業の重大トピックは、以下の3点だ。

04 2020年のロボティクス産業はどうなるか、2030年にどうつながるか?

ネット回線の5G化に加えて、ソフトウェアの開発が進んだことで、これまでハードの力で制御されていた機械が、ソフトの力で制御できるようになった。そのため、機械そのものが安価になり、市場に出回る数が増加。ロボットの作動データの蓄積が進むことで、爆発的な性能の進化が予想される。

これからはますますハードとソフトの分離が進み、将来的には、機械メーカーでなくても、ロボットを作る時代が来るだろう。

講師紹介

羽田卓生氏(株式会社ABEJA 新規事業担当)

1998年にソフトバンク入社後、出版事業部に配属。2007年のボーダフォン買収後は、通信ビジネスに主に従事。2013年、あらゆるロボットの制御を担う汎用の基本ソフト(OS)「V-Sido」を開発・販売するアスラテック株式会社の立ち上げ時より同社に参画し、現在同社のパートナーロボットエヴァンジェリストとして活動。2019年より、株式会社ABEJAに参画。そのほか、Mira Robotics株式会社パートナー/ストラテジスト、任意団体ロボットパイオニアフォーラムジャパン 代表幹事、特定非営利活動法人ロボットビジネス支援機構(RobiZy)アドバイザーほか、執筆活動も行う。

https://peatix.com/event/728419より抜粋

記事、グラフィック制作

なかそね ことみ
info@sonecco.com