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事例・レポート

事例

Web2.0時代の花王Webサイト戦略

花王株式会社 様

花王株式会社 様
会社名
花王株式会社
所在地
東京都中央区日本橋茅場町一丁目14番10号
資本金
854億円
従業員
5,642人(連結対象会社合計 32,175人)
URL
http://www.kao.co.jp

顧客の期待に応えるため、システムと業務フローを大胆に刷新

ブログ、CGM(コンシューマー・ジェネレイテッド・メディア)、検索型広告、RSS……。これらWeb2.0の潮流を背景に、花王はWebサイトの改善に着手した。そこで必要となったのは、ページ作成業務フローの大幅な見直しであった。

花王株式会社 Web作成部 ディレクター 本間充 氏

花王株式会社 Web作成部 ディレクター
本間充 氏

花王株式会社 Web作成部 ディレクター 田中剛 氏

花王株式会社 Web作成部 ディレクター
田中剛 氏

導入背景

消費者との重要なコンタクトポイントとなるWebサイト

製品に関連するさまざまな情報へリンクできる構成にしている(ページのハブ化)

製品に関連するさまざまな情報へリンクできる構成にしている(ページのハブ化)

消費者の嗜好の多様化から、多くのメーカーは個人や活用シーンに合わせた、多彩な商品展開を求められている。日本を代表する日用品メーカー花王も、膨大な数の商品を市場に提供してきた。「シャンプーのカテゴリー1つをとっても、セグレタ、アジエンス、エッセンシャル、メリット、キュレル、サクセスなどがあり、さらにそれぞれにラインアップがあります。このようなお客様のニーズの多様化で重要となるのが、直接のコンタクトポイントとなるWebサイトなのです」と、同社 Web作成部 ディレクター 本間 充 氏は指摘する。同社のWebサイト開設は1995年にさかのぼる。本格的に消費者への情報提供をするようになるのは1997年から開始されたWebマガジン形式のサイトからであった。月刊誌のように毎月更新し、製品情報やその使い方のコンテンツを公開していく。

http://www.kao.com/jp/attack/atk_attack_00.html

既存コンテンツと作業場を共有するためCMSを導入

Webマガジンを継続していくうちに、いくつかの課題が発生した。例えば毎月のバックナンバーが膨大な量になり、その共有と管理が困難になってた。また、外部スタッフとのコラボレーションが不可欠になり、情報の共有やデータをやり取りするための共通基盤がなかった。

これらを解決するために導入したのが、米国Interwoven社のコンテンツ管理システム(CMS)「TeamSite」である。この導入を支援したのがCTCであり、以来花王のWebシステムを継続してサポートしていくことになった。「TeamSiteにより、懸案であった課題の解決はもちろん、更新処理も楽にそして正確になりました。緊急の変更にも対応できるようになりました」と、本間氏は導入の効果を語る。

やがて、Webマガジン形式での情報提供から、本格的なマーケティング手段としてWebサイトの活用を目指す。具体的には広告や宣伝の「インフォメーション」、製品仕様などのカタログ情報「インテリジェンス」、便利な使い方やQ&Aなどの「ナレッジ」に分けて、消費者の求める情報を網羅していこうというものである。

システム概要

システム刷新と同時に業務フローも改善

Webサイト刷新のプロジェクトチーム発足は、2006年1月。当時潮流となっていたWeb2.0を視野に入れ、その名称は「花王Web2.0プロジェクト」と名付けられた。

「ここで最も重視したのは、コンテンツ作成のための業務フローの改善でした。徹底的に業務フローを見直し、最も効率的で効果的なプロセスを追求しました」と本間氏は強調する。製品事業部へ、新たなサイトと業務フローの説明を行ったWeb作成部 ディレクター 田中 剛 氏は「この業務フロー改善は、社内のさまざまな担当部署の説得に大変苦労しました。新サイトによるメリットとそれに伴う負担を、繰り返し説明することで、それぞれの製品事業部に理解してもらいました」と振り返る。

Webサイトの刷新は、Webページ作成に留まらない業務フローの大幅な見直しもになり、プロジェクトチームとCTCは、詳細な業務フロー定義に追われる。定義した業務フローも、イレギュラーのケースを想定するなど、徹底的な検証を続けた。

Interwovenの「LiveSite」を導入し業務フローを効率化

業務フローの再定義とともに、それを可能にするソリューションを探していくことになる。当初は一からシステムを構築するスクラッチ構築も検討したが、最終的にはInterwovenの「LiveSite」を採用した。今後発生するであろう新たな技術に、パッケージのバージョンアップで対応するためである。スクラッチで構築しては、新技術が発生する度に手作業が必要となってしまうからだ。

「LiveSite」は、「TeamSite」の機能拡張オプションであり、Webページの作成・更新作業を、自動処理などにより効率化する。「国内でまだほとんど導入事例がなく、資料もすべて英語でした。初期のユーザーとしても苦労はありました」(田中氏)。

コンテンツを部品化してデータベース化

部品をデータベース化することで、多彩な活用を実現

部品をデータベース化することで、多彩な活用を実現

業務フロー改善のほか、製品コンテンツを部品化(コンポーネント)し、そのデータベース化したことが新システムの大きな特長となっている。「コンテンツを構成するコンポーネントを一元管理して、多彩な場面で活用できるようにしました。ワンソース・マルチユースです。パソコンはもちろん、携帯電話でも既存のコンテンツを利用できるようになっています」(田中氏)。

花王のメインターゲットとなっている若い女性層は、パソコンよりも圧倒的に携帯電話利用者が多い。そこで、パソコン用に作成したコンテンツの自動変換ツールを利用して、携帯電話での閲覧を可能としたのである。

DBに格納されたコンテンツ情報からPC、携帯、部品コンテンツを生成

DBに格納されたコンテンツ情報からPC、携帯、部品コンテンツを生成

また、多くのブロガーに花王の製品を紹介(流用)してもらうため、考え出したのがコンテンツソースの書き出し機能である。利用したい製品コンテンツ(コンポーネント)のソースを表示させ、そのソースを自分のページにコピーすれば簡単に流用できるようになる。「思いのほか利用されているようです」と、田中氏は語る。

導入効果

ページ構成を刷新しユーザービリティを劇的に向上

2007年5月に新システムは完成。ユーザーの望む情報を網羅したことはもちろん、コンテンツやページ構成を刷新することにより、ユーザーが欲しい情報に素早くアクセスできるようになった。プロジェクトチームは、この効果に自信を持っている。

社内への自社サイト再認識も意義が大きい。「それまでは懐疑的な見かたをしていた事業部もありました。しかし、システムと業務フロー刷新の協力に伺って話を進めるうちに、サイトの効果を認識してもらい、積極的に協力してもらえるようになりました」と田中氏は認める。

また、データベース化や作業フローの自動化により、更新の手作業を大幅に減らすことが可能となった。「具体的には、100ページのうち95ページはデータベースから自動的に生成できるようになっています。クリエイティブな能力が求められる、残りの5ページに集中できるようになりました」(本間氏)。

今後の取り組み

水平垂直方向に供に拡張を継続

左:田中 剛 氏  右:本間 充 氏

左:田中 剛 氏 右:本間 充 氏

新システムでは、データベース内のコンポーネントをWebサービスのプロトコルで書き出す機能も実装している。これを利用すれば、花王製品のカタログを誰でも簡単に作成できるようになる。「これも、将来楽しみにしている機能の1つです」(本間氏)。

今後の展望について、田中氏は、「いつまでたっても道半ばです。よくいわれることですが、Web上のシステムは常にベータ版なのです」と語る。実際、評価や改善を続け、20営業日ごとに、製品のライフサイクル(新製品、関連製品追加・変更、パッケージ変更、ロゴ変更)に合わせたWebページのバージョンアップを重ねている。今後の構想としては、データベース内の情報をWebサービスとして提供するなども見据えている。これが実現すれば、花王製品のカタログを誰でも作成できるようになり、まさに新時代のWEBサイトが実現することになる。

用語解説

Web2.0
2004年頃から登場した新しいWeb関連の技術やサービス。ブログなどユーザー参加型のモデルやコラボレーションの形態を総称する場合が多い。

コンテンツ管理システム(CMS)
Webサイト構成するテキストや画像、レイアウト情報などを一元的に保存・管理し、サイトを構築したり編集したりするソリューション。HTMLなどの知識を習得することなくページ編集が可能となり、よりクリエイティブな活動に専念できるようになる。

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