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コラム IT春夏秋冬

分岐点

5月半ばに2週間かけてニューヨーク、ボストン、シリコンバレーのITベンダーを巡ってきました。恒例になっている年に2度のアメリカ視察は、CTC社長の重要な務めの1つなのですが、飛行機の中で眠れない“乗り物不眠症”の私には正直なところかなりハードなイベントでもあるわけです。

さて、今回の視察では、大きな変化に出会いました。これまでは足並みを揃えてきたベンダー各社が、思い思いの方向に動き出していたのです。去年までは行く先々で話題にのぼるキーテクノロジーやトレンドは大体同じものでした。4年ほど前は「コンバージド・システム」、それから2 年ほど経つと「クラウド」と口を揃え、次にはみんなが一斉に「アプリケーション・セントリック」を語り出す、という具合です。ところが今回は全く異なり、OpenStackからセキュリティ、さらには人工知能や量子コンピュータまで、各社の話題は面白いほどバラエティに富んでいました。

ITは、分岐点を迎えています。今まではトレンドの先頭を一列に並んで走っていたベンダーが様々な方向へ進み始め、ニューカマーが次々にやってくる。この捉えどころのない状況で、どっちへ次の一歩を踏み出せばいいのか、何をすればいいのか、日本の企業の皆さんも戸惑いを覚えるに違いありません。ここはSIerの腕の見せ所。CTCは、マルチベンダーとして長年視野の広さと目利き力を培ってきました。コンサルティングからソフトウェア、ハードウェア、アプリケーション、保守・運用、データセンターまで、すべてカバーする総合ITソリューションプロバイダならではのフルスタックの技術力もあります。これらの強みを結集して、分岐点に立つお客様に向かうべき方向を示し、情報化投資をリードする“道しるべ”の役割を果たせればと思っています。

次回の視察にはベストコンディションで臨むべく、目下、機内での安眠法について研究中です。その収穫の報告と研究結果の発表は、また後ほど。

伊藤忠テクノソリューションズ株式会社
代表取締役社長
菊地 哲

出典:Best Engine Vol.1

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