コラム IT春夏秋冬
自分の言葉
前号で飛行機内での安眠法について触れました。先日の渡米の折に、「ぐっすり ふしぎと眠くなる音楽」というものを数曲ダウンロードして機内で聞いてみました。効果があったかはよくわかりませんが、気が安まり、結果的にはいつになく元気にかの地へ降り立つことができたように思います。
眠くなるといえば、音楽よりも眠りを誘うスピーチというのがあります。皆さんも上司の自慢話や友人の結婚式で舟をこいでしまった覚えが一度や二度はあるはず。日本人は「多くを語らず」を美徳としてきたせいなのか、演説や挨拶に関しては「不器用なもんで」という人が多いようです。当代でスピーチの名手は誰か?といえば、やはりバラク・オバマ米大統領の名前が真っ先に挙がるでしょう。大統領選で掲げた「Yes, We can!」「Change(! We can believe in)」のメッセージはもとより、先頃広島を訪問した際に行った演説も胸を打つものでした。
社長という役職柄、しばしばスピーチや挨拶文を考えなければなりません。実は今もダイバーシティと女性活躍推進への取り組みを強化していくための社長メッセージを書いているところです。事務局からドラフトが出てくるときもありますが、それはあくまでも参考。自分で考え、自分で生み出した言葉を使うことが大切です。初めはぼんやりとしていた考えが、推敲を重ねるうちに次第に輪郭を持ちはじめ、書くことによって心が決まるということもよくあります。様々な立場の社員に対して自分の言葉でメッセージを伝えたいといつも苦労をしています。
当社は経営統合から10周年を迎え、新たなステージに踏み出すタイミングとなりました。お客様に丁寧でよりよいサービスを提供し続けるため、社員が同じ方向を向いて成長していけるよう、ダイバーシティを後押しするメッセージの完成まであと少しです。
伊藤忠テクノソリューションズ株式会社
代表取締役社長
菊地 哲
記載内容は掲載当時の情報です。最新情報と異なる場合がありますのでご了承ください。