
従来のHCI(Hyper Converged Infrastructure)製品は、仮想化基盤の統合をサーバ/仮想化の視点からのみ捉えていました。NetApp HCIは、スケールアウトに優れたSolidFire Elementソフトウェアをストレージ管理に採用した、ストレージ/クラウド視点で提案する新しいタイプのHCI製品です。従来のHCI製品には見られない柔軟な拡張性や管理性、クラウド連携の機能を備えています。
これまでHCI製品は、オンプレミスの閉じた環境で使用する小中規模環境をターゲットとした製品として位置づけられてきました。対してNetApp HCIは、オンプレミスストレージ(ex. NetAppストレージ(FAS/AFF))やパブリッククラウドストレージ(ex. Amazon S3)などの外部ストレージと連携する、ハイブリッドクラウド環境対応のHCI製品です。
パブリッククラウドとのデータ連携も可能なNetApp HCIは、NetAppの Data Fabric構想のもと、オンプレミスに閉じた従来のHCI(Hyper Converged Infrastructure)の範疇を越え、ハイブリッドクラウド環境でオープンに使用する新しいHCI(Hybrid "Cloud" Infrastructure)製品です。
特長1 帯域保証型の性能保証(QoS)
NetApp HCIはストレージ視点で設計されているため、様々なストレージ機能を備えています。NetApp HCIには独自のQoS機能があり、その特徴は次の2点です。
「NetApp HCIの利点」
- ボリューム(データストア)、あるいは仮想マシン単位でのきめ細かな設定ができる。
- 最低帯域保証型のQoSを設定できる。
NetApp HCIはvSphereのVVOLと連携することにより、仮想マシンごとにQoSを設定できるため、最大IOPSを抑制するだけでなく、最低IOPSを保証できます。
最大IOPSを抑制することで、特定アプリケーションによる過負荷な状況を避けられ、最低IOPSを保証することで、仮想マシンごとに適切なストレージ性能を担保できます。QoS機能を持たない従来のHCI(Hyper Converged Infrastructure)製品は、複数ワークロードを混在させることが苦手で、ワークロードごとにサイロ化しがちでした。NetApp HCIは、VDI(仮想デスクトップ環境: Virtual Desktop Infrastructure)と汎用的なVSI(仮想化サーバ環境: Virtual Server Infrastructure)を混在させるような、ヘテロなワークロードに対応した新しいHCI製品です。
特長2 柔軟な拡張性
従来の HCI 製品ではコンピュートとストレージが一筐体に一体化されているため、リソース設計や拡張性を検討する上での課題がありました。NetApp HCI はコンピュート(ハイパーバイザー)とストレージが完全に別筐体に分離しているので、リソース設計がシンプルになり、必要なリソースを適切に拡張することが可能です。
「NetApp HCIの利点」
- NetApp HCIは、ストレージ機能をコンピュートノードのCPU/メモリを使って実現している従来型のHCIと異なり、ストレージノードが別筐体となっているためオーバーヘッドがない。
- コンピュートリソース、ストレージリソースを分離して、必要なものを必要な分だけ拡張できるので無駄がない。
- ストレージリソースを単独で拡」できるため、コンピュートリソース(CPU/メモリ)が課金対象のアプリケーションに、追加のライセンス費用を支払う必要がない。
- データローカリティ(仮想マシンと仮想マシンデータを同一筐体に配置する)を維持する必要がないため、余計なストレージI/Oが発生しない。
NetApp HCIではコンピュートとストレージを完全に分離することにより、従来のHCIの制約を排除し、コンピュートとストレージを独立して柔軟に拡張できます。これにより適切なリソース配分を可能にし、無駄なライセンスカウントも省くことができます。そもそもデータローカリティを考慮する必要がありません。
特長3 Data Fabric
NetAppが掲げる「Data Fabric」は、オンプレミスとクラウド環境で一貫したデータ管理を提供するためのビジョンです。
データがこれらの環境の間を自由に移動でき(データの所在地を問わない)、必要なデータがどこに存在していても、どんな時でも安全に必要なデータにアクセスできる環境を実現します。
「NetApp HCIの利点」
- NetApp HCIに Cloud Volumes Powered by ONTAP Select(以下:ONTAP Select)をインストールすることにより、NetApp HCIのボリュームを一般的なNASのように使用できる。
- ONTAP Selectにより、NetApp FAS/AFFとSnapMirrorを組むことができる。
- パブリッククラウドにCloud Volumes ONTAP(CVO)をセットアップすることにより、NetApp HCIのボリュームバックアップをクラウドに取得できる。
オンプレミスとパブリッククラウドのどちらとも連携できるNetApp HCIは、「DataFabric」を実現するためのHCI(Hybrid "Cloud" Infrastructure)製品です。
特長4 次世代インフラ対応
NetAppはCloud VolumesやNetApp Kubernetes Serviceといった様々なクラウドデータサービスを提供しています。NetApp Cloud Central(https://cloud.netapp.com)を使用すれば、NetApp HCIとクラウド環境の違いを意識することなく、一貫したインターフェースからNetAppのクラウドデータサービスを使用し、管理できます。
「NetApp HCIの利点」
- NetApp Cloud Centralを通してNetApp HCI、マルチ/ハイブリッドクラウド環境に同一の操作性・管理性を提供する。
- Cloud CentralからNetApp Kubernetes Serviceを使用して、NetApp HCIやクラウド環境にKubernetesを展開できる。
マルチ/ハイブリッドクラウド環境とNetApp HCIを統一的に扱えるようになり、Data FabricとしてのHybrid Cloud Infrastructure環境を実現します。
CTCでの取り扱い
- 1993年から20年以上にわたる取り扱い。
- お客様への販売実績を重ねると共に、導入サービス及びCTC保守サービスも提供。