コラム

Windows Server 2008 検証レポート

検証レポート Vol.20~ the Microsoft Conference 2008展示紹介 ~

更新

CTCの独自視点を織り交ぜたWindows Server のポイントを解説

著:クロスファンクショングループ ITエンジニアリング室 プラットフォーム推進部 杵島 正和 20-0402

4月15日、16日に開催されるthe Microsoft Conference 2008(MSC)に弊社もゴールドスポンサーとして参加することになった。MSCでは今まで検証してきた結果をもとに、様々なデモを展示する予定である。今回のコラムではこれまでと趣を変えて、MSCの展示内容の紹介をしておきたい。

Microsoft Conferenceとは

今さらではあるが、the Microsoft Conference 2008というイベントがどのようなものなのかを確認しておこう。 MSCの詳細はこちら→
http://www.microsoft.com/japan/msc/2008/default.mspx新しいウィンドウで開く
以前より、MSCではその年に発売される新製品の紹介や新機能、新しいソリューションの紹介が行われてきた。今年のMSCではWindows Server 2008、Visual Studio 2008、SQL Server 2008がキーワードとして存在しているが、そのなかでも特にWindows Server 2008の製品発表会という位置付けになっている。対象者はエンドユーザー、ユーザー企業のIT部門、SIer、Developerと幅広い。製品発表会という性質上、その製品を使う人、管理する人、売る人、それぞれが気になるイベントになっている。

デモ環境の論理構成図

これまでCTCでは「オフィス統合インフラソリューション」としてオフィス環境(ユーザーの利便性)を改善しつつ、セキュリティを強化するフレームワークを提唱してきた。そのなかで、今回弊社が展示するデモ環境は、4つのテーマを具体化したものである。

  • 自己防衛型ネットワーク
  • シンクライアント
  • 共有ファイルサーバ
  • 仮想化

これらのテーマをWindows Server 2008というOSを核にして実現し、ご覧いただこうと思う。

自己防衛型ネットワーク

セキュリティレベルの低いPCをネットワークから排除し、社内LAN全体のセキュリティレベルを保つためのコンセプトが、自己防衛型ネットワークである。これを実現するにはWindows Server 2008のNetwork Access Protection(NAP)が有効である。本コラムの連載でもNAPは主要なテーマであり、その全体像を掲載してきた。実際、Windows Server 2008の評価を始めるにあたり、最初に検証を実施したのがNAPである。 NAPの詳細は過去の連載記事を参照していただくとして、今回のデモでは802.1XのNAPを中心にご覧いただく。ポリシーに準拠していない状態では動的に検疫ゾーンに隔離される様子がお分かりいただけるはずである。またNAPの機能評価として容易に構築できるDHCP構成のNAP環境も用意する予定である。

シンクライアント

セキュリティといっても様々な要素があるが、情報漏洩対策として有効なのが、シンクライアントである。ディスクを持たないシンクライアントならば、重要なデータをコピーして持ち出される心配がない。シンクライアントが接続するターミナルサービスはWindows Server 2008でかなり強化されており、情報漏洩対策だけではなくユーザビリティも管理性もグレードアップされている。今回はシンクライアントを会場に持ち込み、リモートデスクトップ接続経由でも快適にアプリケーションが利用できる環境と、さらにWindows Server 2008で追加されたRemote App環境も用意し、Office製品があたかもシンクライアント上で動く様子もご覧いただく。

共有ファイルサーバ/仮想化

Windowsのマシンを用意して共有設定をする。一番簡単なファイルサーバの構築方法である。しかし、それだけでいいのであろうか?「セキュリティ、監査、バージョン管理、検索・・・」ファイルサーバをきちんと運用するには考慮すべきことが多々あることに思い当たる。
このような時にWindowsファイルサーバの代わりに利用することでユーザーの利便性が向上し、さらに監査や検索、バージョン管理といった文書管理機能を実現するのがMicrosoft Office SharePoint Server 2007(MOSS)である。
MOSSについてここでは詳しく触れないが、MSCにてデモ環境を用意する予定である。MOSSは、残念ながら現時点ではWindows Server 2008上にはインストールできない。
ならば、Windows Server 2008が中心になるMSCにおいて、デモを実施する意味がないと思われるかも知れない。しかし、ここでもWindows Server 2008が活躍する。 MOSSを企業で利用する場合、データを格納するSQL Serverはクラスタ構成、Webフロントエンドを数台で負荷分散、さらにインデックスサーバを専用で用意、というように、ある程度の台数が必要になる。
そこでWindows Server 2008の新機能 Hyper-V を利用する。 Hyper-VはWindows Server 2008用の新しい仮想化技術としてOSに付属する形で提供される予定である。
ただし、開発がOSとは別で進んでおり、OSの製品発売後180日以内にリリースされることになっている。(Hyper-Vを含まないOSも提供予定)このHyper-Vの上で複数サーバを稼働させ、MOSSの環境を構築する。特にMOSSで利用するSQL Serverは2台の仮想マシンをクラスタ環境で構築する予定である。
ここでもWindows Server 2008が活躍するのだが、Windows Server 2008はiSCSIがOSの機能だけで利用できる。実環境でMOSSをファイルサーバとして利用する場合には大規模ストレージが必要になるが、iSCSI接続のストレージが選択肢に含めやすくなり、バックアップ等も含めた総合的な検討が行えるようになる。
これらのテーマをデモで体験していただき、自社のシステム更改の際には、よりセキュアでよりユーザビリティの高いオフィスワークを検討していただきたいと思う。
ぜひMSCのCTCブースでデモをご覧いただきたい。

次回予告:検証レポート Vol.21 ~ Hyper-V RC ~(2008年4月16日公開予定)

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