コラム

Windows Server 2008 検証レポート

検証レポート Vol.23 ~Hyper-V RC0 その3 ~

更新

CTCの独自視点を織り交ぜたWindows Server のポイントを解説

2008年04月30日

著:クロスファンクショングループ ITエンジニアリング室 プラットフォーム推進部 杵島 正和 23-0430

VOL.22でひとまずHYPER-V上のゲストOSのインストール場所をいろいろ試してみたが、今回はゲストOS同士でクラスタ構成をテストしてみることにする。

HYPER-VでのゲストOSのクラスタ(Windows Server 2003 編)

図1:2台のHYPER-Vサーバ上でのクラスタ化のイメージ

早速、クラスタを作成してみることにする。いきなりWindows Server 2008でクラスタを構成してみようとも思ったが、まずは使い慣れたWindows Server 2003で構成してみた。今回の構成はゲストOSのOS部分はペアレントパーティションと同じディスク上に置き、クラスタの共有ディスクはすべてiSCSI上に配置した。当然だがクラスタ用の共有ディスクとして作成したiSCSI上のディスクはペアレントパーティションには認識させず、ゲストOSのみ認識させる設定になっている。さらに、同一マシン上でクラスタ構成にしたのではいまひとつのため、2台のHYPER-Vサーバを用いてクラスタ化した。イメージはこんな感じである(図1)。

図2:ネットワークアダプタとして合計3つが追加されていることを確認する

早速、2台分のWindows Server 2003をインストールする。OSのインストールが終わったら一度シャットダウンし、ゲストマシンに対してiSCSIネットワーク用のネットワーク、クラスタハートビート用のネットワークを追加する(図2)。

図3:このようにドライブレターを各クラスタノードで設定する

追加が終わり今度はそれぞれのゲストOSに対してiSCSIイニシエータ2.06をインストールする。そして、iSCSIイニシエータ上でiSCSIディスクを参照するように設定しドライブレターがそれぞれノードで統一されるように設定する(図3)。「Qドライブ」をクォーラムディスクとし、データディスクとして「Eドライブ」と「Fドライブ」として割り当てる。

図4:2ノードクラスタが正常に動作していることが確認できる

さて、あとはドメインに参加するなどのクラスタを構成するのに必要な設定を行いMicrosoft Cluster Service(以下、MSCS)を構成する。MSCSの構成に関してはクラスタアドミニストレータからウィザードを使用して行えるのでそれほど面倒ではない。クラスタが完成したら「クラスタアドミニストレータ」を起動し確認する(図4)。今回は単純にクラスタを構成するだけではなく、SQL Server 2005も一緒にクラスタ化している。

実際にフェールオーバー試験を行ってみたが、当たり前だが何の問題もなくフェールオーバーし、動作する。今回の環境ではそれほど負荷などを与えておらず、とりあえず作ってみたという形であるが、動作上はまったく問題は感じられなかった。

さて、次回はWindows Server 2008のサーバクラスタをHYPER-V上で構成してみたいと思う。

次回予告:検証レポート Vol.24 ~ Hyper-V RC その4~

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