コラム

Windows Server 2008 検証レポート

検証レポート Vol.28 ~Hyper-V RC その8 ~

更新

CTCの独自視点を織り交ぜたWindows Server のポイントを解説

著:クロスファンクショングループ ITエンジニアリング室 プラットフォーム推進部
杵島 正和 28-0619

今回は、先日ベータ版がリリースになったSystem Center Virtual Machine Manager 2008(SCVMM2008)をインストールしてみようと思う。
SCVMM2008は仮想マシンを集中的に管理、展開する製品である。複数のHyper-Vを集中管理するにはSCVMMが必須となる。

インストールの前に要件の整理

SCVMM2008のインストールに必要な要件を整理しておこうと思う。内容はすべて製品のヘルプ(英語)からの抜粋である。

サポートされるOS条件

Operating
System
すべてのVMM
コンポーネントを
一台のサーバに
インストール
できるかどうか
VMM
Server
VMM
Admin
コンソール
VMM
Self-Service
Portal
VMM
ライブラリ
Server
Windows Server 2008 with Hyper-V 64-bit, Standard, Enterprise, and Datacenter Editions
Windows Server 2008 with Hyper-V 32-bit,Standard, Enterprise, and Datacenter Editions × ×
Windows Server 2008 without Hyper-V 64-bit, Standard, Enterprise, and Datacenter Editions ×
Windows Server 2008 without Hyper-V 32-bit, Standard, Enterprise, and Datacenter Editions × ×
Windows Server 2008 Server Core Standard, Enterprise, and Datacenter Editions × × ×
The Windows Server 2003 with SP2, Standard, Enterprise, and Datacenter Editions × ×
Windows Server 2003 R2 with Service Pack 2 × ×
Windows Server 2003 x64 Edition with Service Pack 2 × ×
Windows Server 2003 R2 x64 Edition with Service Pack 2 × ×
Windows XP Professional with Service Pack 2 × × × ×
Windows XP Professional x64 Edition with Service Pack 2 × × × ×
Windows Vista × × × ×

SCVMMインストールに必要なコンポーネント

  • Windows PowerShell 1.0(Windows Server 2008では標準)
  • Windows Remote Management (WinRM) (Windows Server 2008では標準)
  • Microsoft .NET Framework 3.0(Windows Server 2008では標準)
  • Windows Automated Installation Kit (Windows AIK) 1.1(SCVMMインストール時にインストールされる)
  • Windows Server Internet Information Services (IIS)
  • Windows Server 2008の場合は、IISの役割追加の際に以下の機能も有効にしておく
    • IIS 6 メタベース互換
    • IIS 6 WMI互換
  • Microsoft SQL Server 2005ないしはExpress

早速インストール

図1

まずは、SCVMMのVMMサーバをインストールする。SCVMMのsetup.exeを起動して「Server」をクリックする。(図1:SCVMMのセットアップウィンドウ)

図2

インストール画面を進めていくと、SQL Serverの選択画面が出てくる。自分自身にExpress Editionをインストールすることができるが、今回はSQL Server 2005を別に用意したのでそちらにVMMのデーターベースを作成することにする。(図2:既存のSQL Server 2005を選択し、新規ベータベースを作っている)

図3

あとはライブラリ共有の設定(図3:今回はデフォルトでインストール)とポートの設定(図4:今回はデフォルトでインストール)の設定を行えば、インストールが自動的に始まりVMMサーバがインストールされる。

図4

管理コンソールのインストール

図5

今度はVMMサーバを管理するためのコンソールをインストールする。SCVMMのセットアップウィンドウから「Administrator Console」をクリックする。こちらは特に難しいことは無いが、もし、VMMサーバ接続ポートを「8100」から変更したのであれば、それにあわせて設定する必要がある。(図5:ここでVMMサーバーへの接続に使うポートを変更することができる)

セルフサービスポータルのインストール

図6

最後にセルフサービスポータルをインストールする。SCVMMのセットアップウィンドウから「Self-Service Portal」をクリックする。VMMサーバと同じサーバにインストールする場合はWebサーバのポートがバッティングしてしまうため、任意のポート番号に変更する必要がある。(図6:Webサーバ設定でセルフサービスポータル用のTCPポートを変更する。※デフォルトは80)

管理コンソールの起動、だがしかし

図7

デスクトップ上に「SCVMM管理コンソール」が作成されているので、こちらをクリックして管理コンソールを起動する。ところがエラーメッセージが表示されて起動できない。(図7:VMM のサービスは動作しているのは確認しているのだが、このエラーメッセージ)

図8

原因はどうやら、Virtual Machine Managerサービスのアカウントの設定であるようだ。デフォルトだと「ローカルシステムアカウント」になっているが、これをドメインの管理者アカウントに変更すると、管理コンソールが起動できるようになった。(図8:ログオンタブからサービスアカウントを明示的に指定する)

図9

管理コンソールが開くと、画面が日本語化されているのに驚く。(図9:管理コンソールのを起動して、Hyper-Vサーバを一台登録してみたところ)

ようやくSCVMMが使えるようになったので、何台かのHyper-Vサーバを用意し、実際に管理するところは次回のレポートとする。

次回予告:検証レポート Vol.29 ~ Hyper-V RC その9~

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