コラム

検証レポート

Vol.30~まとめにかえて~

更新

CTCの独自視点を織り交ぜたWindows Server のポイントを解説

2008年07月07日

著:クロスファンクショングループ ITエンジニアリング室 プラットフォーム推進部 杵島 正和 30-0707

改めてWindows Server 2008の魅力とは

2007年11月に本レポートを開始した時点では、ベータ版であったWindows Server 2008も4月に無事に出荷を迎え、そして目玉機能でもあるHyper-Vも6月26日に正式リリースされたことによりWindows Server 2008のすべての機能が出そろったことになる。
さて、改めてWindows Server 2008の魅力について考えていく。これまで半年にわたってWindows Server 2008を触ってきた筆者の感想としては「新機能の追加だけにとどまらず、OSとしての信頼性/安定性の向上につとめた製品」という印象である。表現としては難しいが多くのユーザーがこれまでWindows Serverに求めてきた、いわゆる「セキュリティの強化」「ログの管理性の向上」「簡単な構成変更管理」「スクリプトによるサーバ管理の自動化」などといった内容と、将来の展望を見据えた「Network Access Protection(NAP)」「ターミナルサービス」「Hyper-V(仮想化)」といったテクノロジが高度に融合されている。ある意味ではこれまでのWindows Serverとはコンセプトが異なっていると言えるかもしれない。

Network Access Protection(NAP)をもう一度

NAP

本コラムで一番初めに取り上げた機能がNAPであった。NAPはWindows Server 2008の新機能の中でも注目すべきものであり最初に検証すべきと判断した。ただ、実際のところ「この機能は本当に動くのか?」と半信半疑で検証を始めたもの事実である。あまりにも素直な動きに一種の感動を覚えてしまったぐらいである。2008年7月の時点ではNAPに対応した製品も少しずつではあるが増え始めている。特にマイクロソフトのForefont Client Security(FCS)においては「FCS NAP Integration Kit」なるものがリリースされる予定であり、ウイルススキャンとネットワーク検疫をより高度かつ柔軟に連動させることができるようになっていくようである。おそらく、サードパーティからも対応製品、対応ソリューションが順次リリースされるものと思われる。また、NAPそのものはWindows環境にとどまらずいろいろなテクノロジと連携していくことも発表されておりセキュリティ基盤として今後も目が離せない機能である。

ターミナルサービスに関して

ターミナルサービス

これまでのWindows Serverでは語られることが少なかったターミナルサービスも、Windows Server 2008になって大きな変化をとげた。今回行われたターミナルサービスの機能強化、あるいはRemoteAppといった新機能はユーザーにシームレスな操作環境を提供することができ、ユーザーから見て「わかりやすい」作業環境を整えることができる。今日のクライアントPCに求められる要件は、セキュリティ面を中心にどんどん厳しくなっておりシンクライアントにつながるテクノロジとして十分に期待が持てる機能である。
またTS Gatewayの登場により社内と同じ環境を別の場所にいながらリモートで利用することも簡単になり、且つNAPと連携することでセキュアに接続することも可能になった。今後のワークスタイルの変化に影響を与えるかもしれない。

そしてHyper-V(+ SCVMM)

Windows Server 2008の最大の目玉機能とも言われていた、Hyper-Vもようやく正式リリースされ、現在マイクロソフト社のサイトからダウンロード可能になっている。
※Hyper-Vダウンロード先
http://www.microsoft.com/downloads/details.aspx?FamilyID=f3ab3d4b-63c8-4424-a738-baded34d24ed&DisplayLang=ja

Hyper-V

Hyper-Vはかなり注目が高く様々なところで取り上げられ、本コラムでも直近まで連載していたので細かいことは書かないこととする。仮想化技術は増えすぎたサーバー台数を集約し統合していく、更にはリソース有効活用という最近の流れの中で確実に成長しており、それゆえにこの分野にマイクロソフトが本格的な製品を投入した意義は大きく、仮想化技術の加速と拡がりを予感させる。
今後もこのエリアは目が離せないであろう。

まとめ

2007年11月からおよそ半年にわたって毎週展開してきたWindows Server 2008の早期検証レポートはいかがだったであろうか。実際にWindows Server 2008を評価した方、あるいは評価しようと思っている方たちに本コラムが何らかのお役に立てたのであればうれしい限りである。早期評価としてNAP、ターミナルサービス、Hyper-Vを中心にした検証レポートはいったん今回で終了するが、他にも様々な新機能や拡張された機能もあり、引き続きWindows Server 2008の動向をウォッチしていくので機会があればまたレポートしたいと思う。

最後になりますが、本検証及び本コラムにご協力いただいたマイクロソフト株式会社並びに日本ヒューレット・パッカード株式会社の方々にこの場をお借りして深く御礼申し上げます。また、つたない文章であるにも関わらず本コラムをご一読いただけたすべての皆様へ心より感謝申し上げるとともに、今度は弊社とのビジネスの中でお会いできることを楽しみにし、最後の挨拶とさせていただきます。今後とも伊藤忠テクノソリューションズ株式会社をよろしくお願いいたします。本当にありがとうございました。

  • このページについてツイッターでツイート(新しいウィンドウで開く)
  • このページをフェイスブックでシェア(新しいウィンドウで開く)

このコラムに関するお問い合わせはこちら

※記載内容は掲載当時のものであり、変更されている場合がございます。