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ビッグデータ時代のテクノロジーとビジネスセミナーレポート

更新

ビッグデータの価値創造に向けたIT部門のあり方、データ活用の技術や事例を紹介しました

  • IoT
  • BI/DWH
開催日
主催
伊藤忠テクノソリューションズ株式会社
協賛
EMCジャパン株式会社
SAS Institute Japan株式会社
日本アイ・ビー・エム株式会社
当日の様子

2012年2月22日、ザ・キャピトルホテル東急で、伊藤忠テクノソリューションズ主催による「ビッグデータ時代のテクノロジーとビジネス セミナー」を開催しました。

スマートフォンに代表される様々なデバイスや高精度の画像や動画を使ったソーシャルメディア、電子書籍といった情報コンテンツの普及により、近年デジタルデータが爆発的に増加しています。この様な背景を受け、現在、ITインフラの普及・低価格化や大量データを高速に処理するテクノロジーによってデータを蓄積・分析し、企業の業務効率向上や新たな顧客サービス開発等に活用する「ビッグデータビジネス」が注目されています。

当日は各業界の大手企業をはじめとするユーザー企業様等より、100名を超えるお客様にご来場をいただき、ビッグデータ・ビジネスへの関心の高まりがうかがわれました。

CTCは、1月12日のプレスリリースにて、タスクフォースの設置、検証環境の開設、人材育成等の面でビッグデータビジネスへの取り組みを推進していくことを発表しました。本セミナーはその取り組みの一環として実施したものです。

講演では、ビッグデータのビジネス活用による価値創造に向けたIT部門のあり方や、データ活用のための各種技術や活用事例をご紹介しました。

本レポートでは、伊藤忠テクノソリューションズ ITビジネス企画推進室 ビジネス開発チーム 保木富雄のセッションをご紹介します。

CTCのビッグデータビジネスへの取組み

ITビジネス企画推進室 ビジネス開発チーム 保木富雄より、ビッグデータ分析の技術面に加え、ビジネス価値の創造や人材育成上の課題などの多面的な視点に立ったビッグデータ時代のIT部門のあり方やビッグデータ活用に向けたCTCの取り組みについてご紹介しました。

ビッグデータ拡大の背景

伊藤忠テクノソリューションズ株式会社 ITビジネス企画推進室 ビジネス開発チーム 保木 富雄

伊藤忠テクノソリューションズ株式会社 ITビジネス企画推進室 ビジネス開発チーム
保木 富雄

2011年10月3日、米ガートナーが、企業・組織にとって戦略的な重要性を持つと考えられる、2012年の「戦略的テクノロジー」トップ10を発表しました。その中でガートナーは、「ビジネスの視点とIT部門の視点」における重要なテクノロジーとして、ビッグデータをあげています。

ビッグデータが注目される背景には、環境保護や省エネ、市場の成熟化・グローバル競争化などの社会的ニーズや、SNS、スマートデバイスの普及によるデジタルデータの急増があげられます。

また、ITインフラの普及・低価格化や大量データの高速処理技術の進化などIT技術の進展も、ビッグデータのビジネス活用への追い風となっています。

「ビッグデータ」活用が行われるようになった背景

ひとくちに“ビッグデータ”と言っても、その捉え方は様々ですが、コンサルティングファームや調査会社、ITベンダーなど各社が打ち出しているメッセージを俯瞰すると、 “DATA”、“TECHNOLOGY”、“KNOWLEDGE”、“BUSINESS” という4つの側面が含まれており、ビッグデータビジネスを検討する際には、これらを統合して考える事が必要になると思います。

CTCの考えるビッグデータビジネスとは

CTCのビッグデータビジネス定義

CTCでは、ビッグデータビジネスを以下の様に定義できると考えています。

  • 大量かつ多様なデジタル・データ(① DATA)を材料として、
  • 最新の情報処理技術(② TECHNOLOGY) と 高度な分析スキル(③ KNOWLEDGE)の活用により
  • 企業価値向上や公益増進に貢献する(④ BUSINESS)一連の付加価値活動

① DATA  ~ 大量かつ多様なデジタルデータ ~

現代社会においては、あらゆる企業・個人・公共の活動において、多種多様なデジタルデータが毎日大量に生成されています。例えば、流通におけるPOSデータやポイントカード履歴、金融では株式/債券の取引データやクレジット・銀行口座の取引履歴、通信・ネットワークサービスの通話履歴やアクセスログ、コンシューマビジネスのメール/SNS、動画/画像等です。

② TECHNOLOGY  ~ ビッグデータ時代に必要なテクノロジー ~

ビッグデータビジネスにおいては、今までにない新技術も含めて、“Volume”(大量のデータを蓄積・処理できること)、“Velocity”(高速・リアルタイムな処理・伝送が可能なこと)、“Variety“(多様なデータに対応可能なこと)の3つを実現するテクノロジーが求められます。
Volumeは、大容量ストレージや圧縮やアーカイブ技術、仮想化やクラウド、スケーラビリティ、Velocityは、並列処理や分散処理技術、ストリームコンピューティング、ブロードバンドやモバイルネットワーク、Varietyは、非構造化データやファイルシステム、マスターデータ管理、検索技術、自然言語分析、音声認識などです。

③ KNOWLEDGE   ~ データ分析を可能にするナレッジ/スキル ~

データから価値を生み出すためには、分析的マインドスキルとビジネスセンスを兼ね備えた人材が不可欠です。統計的な手法を駆使してデータ分析を行う専門家をデータサイエンティストと呼びます。ビッグデータの活用には、そのような人材の獲得・育成が鍵となります。

④ BUSINESS   ~ ビッグデータを活用したビジネス変革 ~

現在、どのような業界・業種で、どんな種類のデータを活用して、どのような付加価値(効果)を見出せるか、様々な取組みが始まりつつあります。例えば、ほとんどの業界で最も多くを占めるのはテキストデータですが、通信・メディア業界では動画や音声、ヘルスケア業界では画像が多いなど、それぞれの業界の特性によって活用可能なデータの種類は変わってきます。この様な自社特有のデータ資産を的確に分析し、いかにマーケティングやサプライチェーンなどに活用するかが付加価値創造の鍵となります。

ビッグデータ時代のIT部門のありかた

ビッグデータに関するIT部門の課題

データ分析・活用における顧客ニーズ・課題の内容は、大きく分けて「既存データ処理の高速化」、「大量データ分析によるビジネス価値創造」、「データ管理プロセスの高度化」の3つに分類されます。そして、顧客のデータ管理・活用に関する成熟度や取組み度合いによって、どのニーズの割合が大きいかが左右されます。ひとことでビッグデータといっても、企業・人、それぞれの環境や背景によって捉え方が違うため、その点を留意して取り組むことが肝要です。

課題解決に向けた方向性(論点提示)

この課題解決に向け、ビッグデータに取組む上で考慮すべき論点として、今回の講演では以下の4つのテーマについてお話します。

論点①:ビッグデータ時代のテクノロジーとは?

大量化・多様化するデータに合わせてテクノロジーも進化しているが、全てを解決する魔法のテクノロジーがある訳ではない。従来のテクノロジーも含め、要求に応じた適材適所での技術活用が必要。

論点② :データ管理高度化に向けたITアーキテクチャーのあり方は?

部門別・業務別に細分化されたシステムやデータ活用から、全社横断でデータを統合し活用できるビッグデータ基盤の構築が必要。併せて、データのライフサイクル管理、鮮度管理、データ分析手法・ツールの高度化といった運用面にも取組む。

データ管理高度化に向けたITアーキテクチャーとは?

データ管理高度化に向けたITアーキテクチャーとは?

論点③:ビジネス価値創造に向けて求められるIT部門のスキルは何か?

ITスキル、ビジネススキルに加えてデータ管理・分析スキルが必要になり、ユーザー部門も含めたスキル・ミックスを検討する必要あり。

論点④:課題解決後のIT部門のあるべき姿とは?

既存のIT投資(コスト)を削減すると共に、推進する為の人的リソースを確保し、ビッグデータを含めた戦略的な領域へのシフトを加速すべき。

まとめ

これらのテーマに対し、CTCでは、お客様のビッグデータ活用を強力にサポートする様々なソリューションをご用意しています。

テクノロジー面では、マルチベンダー対応のインフラ構築力で最適なアーキテクチャー構築をサポート。また、お客様ニーズに応じた各種検証環境やフィージビリティ・スタディの支援をご提供します。

IT部門のスキルに対しては、データ分析・活用スキルを持つ人材をCTC内に育成することで、お客様社内の人材育成をご支援します。もちろん、コストや人的リソースの確保に貢献する各種クラウドサービスや仮想化・統合化技術はCTCの得意分野です。

ビッグデータのビジネス活用をご検討の際は、是非ご相談ください。

本講演に続き、協賛の3社(EMCジャパン株式会社、SAS Institute Japan株式会社、日本アイ・ビー・エム株式会社)から、各社におけるビッグデータビジネス関連の技術や事例についてのご紹介をいただきました。

最後のセッションでは、2月16日に開設のアナウンスを行った、高速大容量のデータ処理の検証を目的とする「Big Data Processing Lab(ビッグデータ・プロセッシング・ラボ)」の紹介を、ラボの責任者である、ITE TSC企画運用課 課長 藤澤より行いました。

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※記載内容は掲載当時のものであり、変更されている場合がございます。