イベント・レポート

CTC Forum 2015 Tokyo ユーザー講演

事業継続成長と業務効率化をサポート
ビジネスの競争力強化に貢献するITインフラ

更新

“3本の矢”が支えるインフラ基盤の統合化とは

  • ERP
  • 製造
開催日
主催
伊藤忠テクノソリューションズ株式会社
講演
株式会社豊田自動織機
株式会社豊田自動織機 情報システム部 システム企画第一室 室長 渡辺 伸二氏

株式会社豊田自動織機
情報システム部 システム企画第一室 室長
渡辺 伸二氏

豊田自動織機のIT部門のミッションは、同グループのIT機能を結集して各事業の成長と業務の効率化をサポートし、ビジネスの競争力強化に貢献することです。そのなかで、ビジネスの情報共有とTCO削減に貢献できる「統合ITインフラ基盤」の構築を実現しました。

ここで言うITインフラ基盤とは、①自社に合った最適なインフラ基盤(技術的・システム的な施策)、②システム維持・運用基盤(泥臭くユーザー目線での業務改善)、③ITに関わる人の働く環境基盤(人材育成・経験・組織施策)などといった、いわゆる“3本の矢”から構成されるものであり、①は「最新IT技術の有効活用」、②は「利用者を意識した維持・運用の構築」、③は「IT組織基盤・IT人材育成基盤(ユーザー・関係部門との連携と人材)」を実現することで、事業の継続成長と業務の効率化をサポートし、ビジネスの競争力強化に貢献するというミッションを達成できると考えています。

豊田自動織機はこれまで、個人PC普及期、部門サーバ乱立期を経て、Windowsファイルサーバ集約とストレージファイルサーバ統合により全社ファイルサーバを構築し、全社情報の一元管理を実現しました。全社でフォルダ体系の見直しを行い、業務をフロー(しくみ仕組み図)で標準化することで、業務と同じ体系でフォルダを管理するとともに、社内で添付ファイルの運用も禁止しました。メールにはファイルサーバへのパスを記述することでメンバー全員が最新情報を共有・閲覧できると同時に、保管期限の明確化と自動削除の運用に変えた結果、データ量を大幅に削減することが可能になりました。

さらに、仮想サーバ・ストレージ統合も実施し、統合化・標準化・運用のレベルアップを行うことで大幅な投資削減を実現しました。

また、それまで事業部ごとに配置していたIT部門を統合して大部屋化する一方、情報システム子会社とのグループ一体運営に向けて人材のローテーション配置を行った結果、グループ各社との連携・人材交流の活発化、グローバル視点で活躍できるIT人材の育成、現場/工場でのIT業務経験の実行、製造業の業務プロセス習得、全社標準化/TCO削減などのメリットが得られました。

さらに、ビジネスの情報共有(情報の一元化による業務効率化サポート)、TCO削減とリスク管理(ITインフラのコスト削減によるビジネス競争力強化への貢献)の観点で社内プライベートクラウド化を推進し、利用ボリュームに合わせて各事業部へサービス料課金で提供する運用に移行しています。

そして今回、CTCの協力を得てゼロベースで老朽化した仮想サーバとストレージの更新に取り組みました。

そのキーワードは3つです。①自社に必要な性能・機能を見極める、②ストレージの最適配置、③BCP対策のレベル向上です。仮想サーバは能力アップと集約率向上を目的にヴイエムウェアの管理ツールを活用し、運用効率化・VM環境全体の見える化が実現しています。またストレージ更新は、ホストと接続可能な限定的なストレージとは分離し、自社の構成に合った最新のオープン系ミッドレンジを選定して、コスト削減とパフォーマンスアップを狙いました。

現在は業務停止を最低限にした大量データ移行と異機種間のデータ移行を前提に、CTCと共同でトラブルなく順調にデータを移行中です。

今後はパブリッククラウドを有効活用したハイブリッドクラウドを構築し、その効果を国内外のグループ会社に拡大する一方で、製造業の企業内システム部門はどうあるべきか、増え続けるIT領域に対応できる組織はどうあるべきかなどをさらに探求しながら、その課題解決に注力していきます。

ITインフラ基盤とは事業成長と業務効率化をサポートし、ビジネス競争力の強化に貢献するもの

ITインフラ基盤とは事業成長と業務効率化をサポートし、ビジネス競争力の強化に貢献するもの

他講演レポート

2015年10月16日開催「CTC Forum 2015 Tokyo」の他講演レポートは、下記のリンクからご覧ください。

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