IoTではデータ発生源に近い場所でデータを処理しながら予測する、エッジ・コンピューティングの環境整備も重要
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伊藤忠テクノソリューションズ株式会社
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伊藤忠テクノソリューションズ株式会社

製品・保守事業推進本部 ITプラットフォームビジネス推進第1部 課長 久保田 さえ子
これまでの情報活用は、蓄積したデータから過去に起きたことの原因分析や可視化に役立てていました。IoT時代になると、あらゆるセンサーや機器から絶え間なく生成されるデータを活用します。この流れるデータを収集してリアルタイムに分析・予測しアクションにつなげること、つまりストリーミング・アナリティクスがIoTを活かす鍵です。
小売の店舗なら顧客動線から回遊率を上げて購買点数向上につなげたり、製造現場ならセンサーデータから異常の予兆を検知して事故予防や設備保守に役立てたりすることが可能になります。ストリーミング・アナリティクスはこれまでとは違う視点でビジネスの問題を解決し、新たな可能性を切り開くことが期待できます。
ストリーミング・アナリティクスではデータ駆動型イベント群を特定の時間枠で継続的かつ連続的に分析し、発信する基盤が必要になります。技術要素としてはストリーム処理、分析エンジン、加工集計、蓄積、アラートや可視化などです。データから価値ある結果を見つけ出すには、適した分析アルゴリズムを選択することも重要になります。
最近われわれが手がけた実践例に、不動産のモデルルーム内の動線分析があります。例えば顧客が回遊するとき、誰がどの部屋にどれだけ滞在したのかを分析することで、関心の対象や度合いを把握でき、その後のフォローに役立てることが期待できます。実装にあたり、動線データ取得にはプライバシーなどの観点から2D/3Dセンサーを使用して個人の特徴を捉え、部屋を移動しても同一人物として追跡。同伴者の有無なども含めて解析しています。ストリーム処理には「SAS Event Stream Processing」を使用し、データの取り込みからスコアリングや出力加工などを行いました。
IoTではデータ発生源に近い場所でデータを処理しながら予測するため、エッジ・コンピューティング環境を整備していくことも重要です。
他講演レポート
2017年10月13日開催「CTC Forum 2017」の他講演レポートは、下記のリンクからご覧ください。