CTC×ITV共催:最先端技術を持つスタートアップの登壇イベントをレポート
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伊藤忠テクノソリューションズ株式会社
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伊藤忠テクノロジーベンチャーズ
2025年9月25日、伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)と伊藤忠テクノロジーベンチャーズ(ITV)共催による「データ×可視化で生まれる新ビジネス―スタートアップ共創セッション」が神谷町トラストタワーで開催されました。
CTCとITVが支援する先進スタートアップとお客様を結びつけ、データ活用や可視化技術を軸に新たなビジネス創出や社会課題の解決を目指す本イベントは、CTCのお客様をお招きし、共創の可能性を探る有意義な場となりました。
伊藤忠テクノソリューションズ株式会社
常務執行役員
藤岡 良樹 氏
冒頭には、CTC 常務執行役員 藤岡 良樹氏が登壇。スタートアップの技術力がCTCのソリューションに組み込まれ、お客様への新たな価値提供につながっている現状を紹介しつつ、「本日は、ITVが注目する成長スタートアップ3社のリアルな取り組みを通じて、皆さまの事業に役立つ新しい視点を得ていただければ幸いです」と語り、イベントの幕が開きました。
“Hybrid VC”モデルを推進するITV
伊藤忠テクノロジーベンチャーズ株式会社
代表取締役社長
佐藤 浩毅 氏
ITVは2000年の設立以来、累計193社への投資実績を持ち、運用ファンド総額は553億円を超える伊藤忠100%出資の商社系ベンチャーキャピタルです。強みとして「独立したファンド運用」と「伊藤忠グループの現場力・ブランド」を融合した“Hybrid VC”モデルを紹介。グループのネットワークを活かし、国内外の有望スタートアップを発掘・支援し、投資先とCTCとの橋渡しを積極的に推進しています。
「私たちは、未来のスタンダードを先取りするスタートアップを選び、CTCの技術力・顧客基盤と掛け合わせることで、社会にインパクトを与える共創を実現したい」。そう語る佐藤氏のメッセージは、スタートアップとの協業が単なる“新規事業”ではなく、“未来を創る選択”であることを強く印象づけました。
共創が切り拓く、データ×可視化の最前線
3社の最先端スタートアップによる革新的な取り組みや、CTCとの共創による新たな価値創造の可能性について、具体的な事例を交えながら紹介しました。
重要インフラ分野のXIoTデータ活用を支えるゼロトラストデータ基盤
NodeX株式会社
代表取締役CEO
三井 正義 氏
あらゆるデバイスがネットワークにつながる現代、従来の“境界型防御”では守りきれないセキュリティ課題が、防衛やトランスポートといった社会インフラや産業の現場で顕在化しています。必要なのはデバイス起点のゼロトラストアーキテクチャ(ZTA)の実装。しかし、技術面・運用面のハードルが極めて高いのが現状です。
NodeXは、「ゼロトラスト」実現の課題を設計と組織体制の両面から克服。独自の軽量エージェントやDID(分散型ID)ベースの鍵管理など先進技術を用い、重要インフラや製造現場における全てのデバイス・データへの安全なアクセスと運用自動化を可能にしました。
さらに、CTCのSIEM/SOAR/SOC運用ノウハウと融合することで、監査対応や誤検知削減、運用自動化といった現場の課題を一気通貫で解決できる体制が実現します。
NodeXは、ゼロトラスト時代の現場DXを現実のものとするゲームチェンジャーとして、社会インフラのセキュリティ運用を新たな次元へと引き上げています。
可視化から価値創造へ 〜メタデータ起点のデータインテリジェンス
株式会社Quollio Technologies
事業開発本部 執行役員 VP of Business Development
道方 一希 氏
膨大なデータが溢れる現代、AIやアナリティクスの真価を引き出すには、データの意味・定義・利用権限・業務ルール等の“文脈”を体系的に管理し、活用できる状態にしておくことが不可欠です。
Quollio Technologiesは、需要の高いデータカタログ機能を備えたメタデータ管理SaaSを軸に、データ活用支援やアドバイザリーサービスを提供し、AI時代のデータ活用を阻む「人とプロセス」の壁を乗り越え、企業の価値創出を加速しています。その実力は、大手企業が全社DX基盤の要として導入する事例に裏付けられています。
さらに、CTCとの協業により、データカタログ整備からAI基盤構築、ガバナンス・BPOまで一気通貫で支援できる体制を強化。お客様のDX推進と、データ活用の継続的な成長を後押しします。
「メタデータ」を起点に、データを“価値ある情報”へと昇華させ、新しいデータインテリジェンスの世界を切り拓くQuollio Technologiesは、“データ価値創造のエンジン”として、日本企業のデータドリブン経営を一歩先へと進める存在として期待されています。
5mm角スマートデバイスを活用したIoTセンサ×DXソリューション 〜脱炭素化に向けた省エネ改善、インフラ異常検知〜
株式会社SIRC
代表取締役CEO
髙橋 真理子 氏
現場の“見えないムダ”を、データで可視化し、価値に変える。SIRCは、世界初の特許技術による「IoT電力センサユニット」を核に、工事レス・非接触・簡単設置で既存設備の電力見える化を実現する、次世代の現場ソリューションを提供しています。
従来の電力計測は、工事やシステム連携の手間が大きな障壁でした。SIRCのIoTセンサは、装置ごとの電力消費をリアルタイムで可視化し、省エネ改善やCO₂削減、異常検知・劣化予測までを一元管理。SIRCクラウドと連携することで、現場データの集計・分析・アラート・CO₂排出量算出までを自動化し、製造業・インフラ現場の“省エネDX”を加速させます。
AIによる異常検知や海外展開も視野に、社会課題解決型のIoTプラットフォームを目指すSIRC。現場データの利活用を通じて、持続可能な産業社会の実現に貢献しています。
新たな共創への一歩
イベントの締めくくりには、登壇者や参加者が一堂に会する懇親会も開催され、活発な意見交換やネットワークづくりが行われました。
本イベントを通じて、CTCとITV、そして先進スタートアップが共創することで、新たな価値創造と社会課題解決の可能性が大きく広がっていることが実感されました。今後もこうした共創の場から、次世代のビジネスや社会インフラを支えるイノベーションが生まれていくことが期待されます。