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Dify Enterpriseとは?Community版との違いと導入を検討すべきケースを解説

高度AI

公開日:2026.09.02

Dify Enterpriseとは?Community版との違いと導入を検討すべきケースを解説

    Dify Enterpriseとは?Community版との違いと導入を検討すべきケースを解説

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    Dify Enterpriseは、LLMアプリ開発プラットフォーム「Dify」の法人向け商用ライセンスです。Community版を試した後、全社での利用を検討する際にEnterprise版に関心を持つ方も多いでしょう。

    全社展開や本番運用を想定した場合、Community版ではワークスペースの管理やセキュリティ要件を十分に満たせない場合があります。

    この記事では、Dify CommunityとEnterpriseの違いや、Enterprise版でできること、導入を検討すべきケースについて解説します。自社に合ったプランを選びたい方は、ぜひ参考にしてください。

    Dify Enterpriseとは

    Dify Enterpriseは、LLM(大規模言語モデル)アプリ開発プラットフォーム「Dify」の大規模組織・法人向け商用ライセンスです。

    ノーコード・ローコードでAIアプリを構築できる点はCommunity版と共通しています。しかし、Dify Enterpriseは企業の厳しいセキュリティ要件やガバナンスに対応した機能が追加されているのが特徴です。

    個人や小規模チームでの利用を想定したCommunity版に対し、Enterprise版は全社規模での展開や商用利用を前提とした設計になっています。

    Dify Community版とEnterprise版の違い

    Dify Community版とEnterprise版の主な違いは以下のとおりです。

    Community版

    Enterprise版

    ライセンス料

    無料(OSS)

    個別見積もり

    ワークスペース

    単一ワークスペースのみ

    複数ワークスペースを作成・分離管理が可能

    認証・セキュリティ

    基本的なユーザー認証のみ

    SSO(SAML・OIDC・OAuth2)、MFA対応

    商用・外部向け利用

    可能(ロゴ削除・商標変更は不可)

    可能(有償ライセンスにより利用制限を緩和)

    サポート

    コミュニティフォーラムによる自己解決

    ベンダーによる優先サポート

    管理機能

    単一ワークスペース内のロール付与のみ

    複数ワー クスペースの分離管理、SSO/MFAによる認証統合、Admin APIによる一括管理、監査ログ対応

    Community版は、個人や小規模チームによる検証に適しています。しかし、全社規模での導入や本番環境で運用する場合は、Enterprise版でなければ解決できない課題が多くなります。

    Dify Enterpriseでできること

    Dify Enterpriseを導入すると、Community版と比べて、次のような機能を利用できるようになります。

    Dify Enterpriseの機能一覧図 ガバナンス、セキュリティ、高可用性、商用利用

    Dify Enterpriseには、企業が安心して業務で利用できるための機能が複数備わっています。

    高度なガバナンスとユーザー管理

    Dify Enterpriseでは、組織や部署ごとに複数のワークスペースを作成し、ユーザー・アプリ・ナレッジを分離して管理できます。

    一方、Community版は基本的に単一のワークスペースでの利用が前提です。Enterprise版では部門ごとに環境を分離できるため、データが混在したり、アクセス権限が曖昧になったりするのを防げます。

    また、Admin APIを活用することで、ワークスペースの作成やユーザー招待といった管理業務を自動化できます。たとえば、Admin APIを人事システムや社内ポータルと連携させれば、入社・異動のタイミングに合わせてアカウントを自動発行することも可能です。

    情報システム部門の運用負担を軽減しながら、組織全体のガバナンスを強化できます。

    企業グレードのセキュリティとコンプライアンス

    Enterprise版は、企業利用を前提とした認証・セキュリティ要件に対応しています。SSO(シングルサインオン)により、既存の社内ID基盤と連携したアクセス管理が可能です。

    SSO対応により、社員は普段使用している社内アカウントでDifyにログインできます。Dify専用のIDやパスワードを新たに発行する必要がないため、管理の手間も増えません。

    さらに、TOTPベースの二要素認証(MFA)や、ワークスペースごとの細かい権限管理にも対応しています。監査ログによって操作履歴を記録でき、「誰が、いつ、何をしたか」を追跡できます。

    高可用なシステム運用

    Dify Enterpriseは、Kubernetes上での高可用性(HA)デプロイに対応しており、Helmチャートによる導入が可能です。そのため、次の機能が備わっています。

    • ローリングアップデート:稼働中のシステムを段階的に更新できるため、業務を止めずにバージョンアップできる

    • オートスケーリング:アクセス数に合わせてサーバーリソースを自動で増減できる

    たとえば、全社展開で利用者が急増するタイミングや、社内ポータルやチャットツールと連携してアクセスが集中する場面でも、負荷に応じたリソース調整が可能です。レスポンスの低下やシステム停止のリスクを抑えた運用が実現できます。

    さらに、クラウドだけでなく、企業のセキュリティ方針に合わせてオンプレミス(プライベート環境)へのデプロイにも対応しています。

    商用・外部向け利用への対応

    Enterprise版は、商用利用や外部向けサービスとして利用できます。

    Community版ではロゴの削除や商標の変更といったブランディングに関する制限がありますが、Enterprise版ではこれらの制限が緩和されます。自社ブランドに合わせたカスタマイズが認められているため、外部展開時の柔軟性が高まるでしょう。

    なお、Enterprise版であっても、Dify Studio(ワークフロー編集画面)そのものを第三者へ提供するSaaS型サービスとして利用することはできません。一方で、Difyを基盤として開発したアプリケーションを、自社サービスとして提供する形での活用は可能です。

    また、Enterprise版では認定パートナーを通じた優先サポートが提供されるため、本番運用中のトラブルや技術的な相談にも迅速な対応を受けられます。

    Dify Community版で実務上発⽣する課題

    ここでは、Dify Communityを業務で利用する場合に生じる課題について説明します。

    Community版は本番環境で使うには機能が限られているため、業務での活用を進める場合には注意が必要です。

    マルチテナントでの課題

    Community版のライセンスでは、以下のようなマルチテナント運用はご利用できません。

    • 1つのインスタンス内に複数のワークスペースを作成すること

    • 特定のアカウントが複数のワークスペースを行き来すること

    マルチテナントの具体的な利用例を示す図

    たとえば、営業部と人事部が同じDify環境を使い、それぞれで別のワークスペースを作ることはできず、1人のユーザーが複数のワークスペースを切り替えてのご利用もできません。

    複数の部門で利用したり、部署ごとにアプリやナレッジを分けて管理したりする場合は、Enterprise版でスムーズな運用が可能です。

    セキュリティ面での課題

    Community版は個人や少人数での利用を想定したプランのため、Enterprise版に比べてアクセス制御や認証・ガバナンス機能が限定的です。
    具体的には、SSOやMFAに対応していないほか、ユーザーごとの権限管理やワークスペース単位でのアクセス制御も十分ではありません。
    そのため、社内のIDシステムとの連携や厳格なアクセス管理が必要な企業では要件を満たせない場合があります。
    機密情報を扱う場合やセキュリティポリシーに準拠した運用が求められる際は、マルチテナントによる環境分離、SSO/MFA、権限管理を備えたEnterprise版の導入をご検討ください。

    Dify Enterprise版を検討すべきケース

    ここでは、Dify Enterpriseの導入が適している企業の特徴について説明します。とくに、以下のようなケースに当てはまる場合は、Enterprise版の導入をおすすめします。

    • 複数部門・全社規模で利用する場合

    • ガバナンスやセキュリティ要件を満たす必要がある場合

    • Difyを顧客向け・外部向けサービスとして提供する場合

    自社の利用状況や今後の展開計画に合わせて、最適なプランを選択しましょう。

    複数部門・全社規模で利用する場合

    複数の部門や全社規模でDifyを利用する場合には、Enterprise版の導入が推奨されます。

    Community版は「単一ワークスペースのみ」の利用に制限されているため、部署ごとにアプリやナレッジを分けて管理できません。

    しかし、Enterprise版では、組織や部署ごとに複数のワークスペースを作成でき、ユーザー・アプリ・ナレッジをそれぞれ独立して管理できます。

    全社への普及を検討している場合には、Enterprise版の検討をおすすめします。

    ガバナンスやセキュリティ要件を満たす必要がある場合

    社内のセキュリティポリシーや情報管理規定に対応する必要がある場合は、Enterprise版の利用をおすすめします。

    Community版はSSOやMFAに対応していません。機密情報を取り扱う企業ではコンプライアンス要件を満たせないケースがあります。一方、Enterprise版はSAMLやOIDC、OAuth2などによるSSO統合や、二要素認証に対応しています。

    Enterprise版を選ぶことで、厳格なセキュリティ基準が求められる環境でも安心して運用が可能です。

    Difyを顧客向け・外部向けサービスとして提供する場合

    自社サービスとして外部にDifyを提供する場合は、ライセンス上Enterprise版が必須です。

    Community版では、自社のサーバーにデプロイしたDify Studioを第三者に提供することができないため、自社ブランドでAIツールを顧客に提供したい場合や、外部向けサービスとして展開したい場合は、Enterprise版を選択する必要があります。

    Dify Enterpriseを導入する際のポイント

    Dify Enterpriseの導入を検討する際は、以下の3つのポイントを押さえておきましょう。

    Dify Enterprise導入時の3つのポイント ガバナンス、インフラ、パートナー

    事前に整理しておくことで、導入後の運用がスムーズに進みます。

    組織的なガバナンス体制を構築する

    組織全体でAIを本格的に活用するには、情報システム部門などによる環境の統一と中央管理が重要です。各利用部門が独自にインスタンスを立ち上げると、セキュリティリスクや管理コストが増大します。

    導入前には、どの部門がどのワークスペースを利用するか、アクセス権限の設計や運用ルールを明確にしておきましょう。たとえば、以下のような仕組みを整備します。

    • 利用ガイドラインの策定

    • プロンプトや公開アプリのレビュー体制

    • 機密データの取り扱いルール

    • 新規ワークスペース作成時の承認フローなど

    また、全体を管理する管理者の役割や責任範囲も定めておき、定期的な利用状況のモニタリング体制を作っておくと良いでしょう。ガバナンス体制を整備してから展開することで、安全で効率的な運用につながります。

    インフラ環境を選定する

    インフラ環境を選ぶときは、自社のセキュリティポリシーに従い、クラウドにするかオンプレミスにするかを決めます。

    クラウド環境を利用すると、スケーラビリティが高くなり、運用の手間を削減できます。また、利用者数の変動にも柔軟に対応可能です。一方で、オンプレミスの場合は社内ネットワーク内でデータを管理でき、外部に情報を出さずに運用できます。

    インフラ選定時には、以下の点を考慮しましょう。

    • データの保存場所

    • ネットワーク要件

    • 既存インフラとの統合

    なお、自社サーバーでデプロイしたDifyを第三者に提供することはできません。外部展開を検討している場合は注意しましょう。

    導入支援パートナーを活用する

    Dify Enterpriseのライセンスは個別見積もりとなっており、国内の認定パートナーを通じて導入する方法が一般的です。

    CTCでは、Dify Enterpriseのライセンス販売から環境構築、導入後の活用支援まで幅広くサポートしています。

    ご相談の際には、自社の利用規模やセキュリティ要件、運用体制などをあらかじめ整理しておくと、よりスムーズに進められます。

    Dify Enterpriseは組織の体制に合わせて検討しよう

    Dify Enterpriseは、LLMアプリ開発プラットフォーム「Dify」の法人向け商用ライセンスです。複数の部署で利用したい場合や、ガバナンスやセキュリティ面での対応が必要な場合は、Enterprise版の導入が適しています。

    一方で、小規模な概念実証(PoC)や、社内だけで使う実験的な用途であれば、Community版でも十分なことがあります。自社の利用規模やセキュリティ要件、今後の導入計画を整理し、最適なプランを選ぶことが大切です。

    CTCでは、Dify Enterpriseの導入から運用までをサポートしています。Enterprise版への移行を検討している方や、自社に合った活用方法を相談したい方は、お気軽にお問い合わせください。

    資料ダウンロード:Dify|サービス紹介

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    執筆者情報

    Key Technology(Keys)編集部

    Key Technology (Keys)編集部は、CTCが注力する「高度AI」「データ&アナリティクス」「クラウドネイティブ」「セキュリティ」を中心とした最先端テクノロジーの情報発信を担う編集チームです。技術動向や活用事例、サービス情報をわかりやすく届け、ビジネス変革に挑む企業の意思決定や実行をサポートします。

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