CTCロゴ
トップ

/

記事

/

DifyのRAGを使った業務ユースケースとAIアプリの作り方を解説

高度AI

公開日:2026.09.02

DifyのRAGを使った業務ユースケースとAIアプリの作り方を解説

    DifyのRAGを使った業務ユースケースとAIアプリの作り方を解説

    この記事をシェア

    RAG(Retrieval-Augmented Generation)とは、生成AIが回答を作る際に外部情報を検索し、その内容から文章を生成する技術です。日本語では、「検索拡張生成」とも呼ばれています。

    一方で、RAGの仕組みがよく理解できない人や、なぜ業務に活用できるのかイメージしにくい人も多いでしょう。

    この記事では、RAGの仕組みや代表的な業務ユースケース、Difyを使った構築方法について解説します。

    Difyのプラットフォームを活用すれば、RAG機能を搭載したAIアプリケーションをノーコードで構築できます。Difyの業務利用を考えている人は、ぜひ参考にしてください。

    RAG(検索拡張生成)とは

    ユーザーとAIアプリ、データベース、LLMが連携するRAGの仕組み図

    RAGとは、LLM(大規模言語モデル)が回答を生成する前に、必要な情報を検索して参照する仕組みです。生成AIは学習データや一般に公開された情報をもとに回答するため、社内規程や自社特有の運用ルールは反映されにくい傾向があります。

    RAGの主なユースケース

    ここでは、RAGの主なユースケースとして、以下の3つの活用例を紹介します。

    社内FAQ、マニュアル参照、議事録検索を示すRAGのユースケース3例

    RAGを活用することで、社内資料を探す手間が減ります。また、担当者がいなくても一次的な回答ができるため、業務がよりスムーズに進むでしょう。

    社内FAQ・問い合わせ対応

    RAGを活用すると、AIが社内資料を参照しながら回答できるため、社内FAQや問い合わせ対応の効率化が可能です。

    例えば、申請手順や利用ルール、アカウント発行に関する問い合わせがあった場合、AIは関連する規程や手順書の該当部分を検索し、要点をまとめます。

    担当部署へ問い合わせる前に自己解決できる場面が増えるため、利用者・担当部署の双方で確認作業にかかる手間を削減できます。

    マニュアル・規程の参照

    RAGを活用すれば、人間が膨大なマニュアルや社内規程から必要な情報を見つけ出す手間が省けます。検索キーワードを考える手間も減り、業務上の確認作業も短縮可能です。

    例えば、製品トラブル時の対処手順や、稟議・申請に関するルールを確認したい場面には、AIが該当ページや関連項目を検索し、必要な手順だけを抜き出して説明します。また、参照元の章・ページなど根拠を提示させることで、内容の事実確認がスムーズです。

    改定が多い資料については、最新版のみを取り込む運用にしておくと、回答内容のばらつきが発生しにくくなります。

    議事録・ドキュメント検索

    RAGは、議事録や報告書、営業日報といったデータから必要な情報を検索し、要点をまとめることが可能です。例えば、以下のような質問に対して、AIが複数の議事録の関連箇所を参照して、内容を整理します。

    • 案件の決定事項は何か

    • 前回の会議で保留になった論点はどれか

    • 過去に同様のケースでどのように対応したか

    複数資料を参照する手間が減らせるため、従業員は判断や次のアクションの計画に集中しやすくなります。プロジェクトの引き継ぎや、トラブル発生時に経緯を素早く確認したい場面にも役立ちます。

    DifyにおけるRAGとは

    Difyは、生成AIなどを組み合わせて、業務用のAIアプリケーションをノーコードで構築できるプラットフォームです。DifyでRAG機能を使う場合、AIに参照させたい社内資料をデータソースとして登録することで、回答を生成する際の情報源として活用できます。

    例えば、Difyに社内で使用している資料を読み込ませることで、自社の業務内容に沿った回答を生成できるAIアプリケーションを構築できます。

    DifyとRAGを組み合わせるメリット

    DifyのRAG活用による業務効率化を示す比較図

    DifyとRAGを組み合わせることで、主に次のようなメリットが得られます。

    • 専門知識なしでRAGを活用したAIアプリを構築できる

    • 社内資料から業務に即した回答が得られる

    • 情報を探す・人に聞く手間を減らせる

    専門知識なしでRAGを活用したAIアプリを構築できる

    DifyとRAGを組み合わせることで、ドラッグ&ドロップなどの簡単な操作でAIアプリケーションを構築できます。従来は、RAG構築にデータのベクトル化やデータベース連携などのプログラミング知識が必要でした。

    しかし、DifyでRAGを活用すれば、画面操作でデータの取り込みや検索設定を進められます。プロンプトや入出力設計も操作画面上で調整しやすい点も特徴です。

    ワークフロー機能を使うことで、条件分岐・Webスクレイピング・Googleカレンダーとの連携といった操作も、ノーコードで実装できます。

    社内資料から業務に即した回答が得られる

    RAGという技術を用いることで、AIがまだ学習していない独自のデータに基づいた回答もできるようになります。

    社内規程、業務マニュアル、過去のプロジェクト資料などをナレッジとして登録すれば、AIのハルシネーションも抑えやすくなります。

    製品情報や問い合わせ履歴を読み込ませれば、顧客状況や自社の運用ルールに沿ったアドバイスができる業務支援ツールとしても運用可能です。

    情報を探す・人に聞く手間を減らせる

    紙や個別ファイルで管理していた資料をナレッジベースにまとめると、情報を探したり確認したりする手間を減らせます。

    例えば、AIを活用すれば、膨大な資料の中から目的の情報を探し出す作業を、人手よりもはるかに速く行えます。また、参照元のドキュメントをリンクとして表示させれば、事実確認もスムーズです。

    誰でも必要な情報にアクセスできるようになるため、業務が特定の人に依存してしまう属人化の防止にも役立ちます。

    DifyでRAGを構築する方法

    ここでは、DifyでRAG機能を搭載したチャットボットの構築方法を紹介します。構築手順は、以下の4ステップです。

    DifyでRAGチャットボットを構築する4つの手順

    今回は基本的なチャットボットを作成します。自社の業務内容や用途に合わせてアレンジしながら、実際の業務で使えるかの参考にしてください。
    ※Community版で作成したナレッジはEnterprise版へそのまま移行できず作り直しとなります

    1. ナレッジベースを作成する

    Difyのホーム画面上部にある「ナレッジ」をクリックして、ナレッジベースを作成します。

    ページが移動したら、データソースを取り込みます。取り込めるデータソースは、次のとおりです。

    • ファイル(PDF、CSV、MDなど)

    • Notion

    • Webサイト(Jina Reader、Firecrawl など)

    データソースをアップロードしたら「次へ」を選択し、チャンク設定とインデックス方法を選びます。今回はデモ用のため、チャンク設定は「汎用」、インデックス方法は「経済的」に設定しておきます。

    設定が終わったら、「保存して処理」をクリックし、処理が完了したらナレッジベースの作成は完了です。

    2. アプリを作成する

    ホーム画面上部の「スタジオ」→「最初から作成」をクリックします。

    アプリのタイプ(今回はチャットボット)を選択し、アイコン・名前・説明を設定します。

    3. コンテキストを追加する

    アプリの設定画面にある「コンテキスト」に、1で作成したナレッジを追加します。

    あわせて、利用するモデルを選択します。外部プロバイダーのAPIを利用する場合は、モデルプロバイダーの設定(APIキー等)が必要です。

    4. 実際に質問してみる

    すべての設定が完了したら、プレビューの「Botと話す」で質問し、動作を確認します。

    ※「公開する」→「アプリを実行」をクリックして開いたページからも、動作の確認ができます。

    実際にいくつか質問をして、ナレッジの見直しやプロンプトの調整を行いましょう。

    RAGの精度を向上させるポイント

    RAG機能を使って、AIの出力精度を上げるポイントは、次の3つです。

    • 業務で使う情報だけを取り込む

    • 回答形式を指定する

    • 質問に前提となる情報を加える

    AIを業務で使えるレベルに近づけるには、AIに与える情報(ナレッジやコンテキスト)や、指示の出し方(プロンプト)が重要です。

    業務で使う情報だけを取り込む

    不要なナレッジが多いと、ハルシネーションが発生しやすくなります。なぜなら、RAGは登録した情報の中から根拠を探す仕組みだからです。

    例えば、次のような情報は、AIの出力精度を不安定にする原因となります。

    • 改定前の社内規程

    • 古い手順書

    • 社内向けの一時的な告知

    • 個人メモなど

    実際に運用する際は、ナレッジに登録する情報源の更新や管理を定期的に行いましょう。

    回答形式を指定する

    AIに狙った出力をさせるには、回答形式を具体的に指定することが大切です。AIに自由に回答させると、不要な解説や推論が含まれることがあるためです。

    例えば、以下のようなプロンプトを設定しておくと、回答の質を維持しやすくなります。

    • 余計な前置きや解説は書かない

    • 参照元の資料名を明記する

    • 社外向けメール案のため、フォーマルな表現にする

    また、「ナレッジに情報がない場合は『わかりません』と答えてください」のように、資料にない内容を推測しないルール(禁止事項)を設定することも有効です。

    質問の前提となる情報を加える

    AIは質問者の背景までは理解できないため、質問文の情報が少ないと一般的な回答しかできません。人間でも、相手の状況がわからなければ的確に答えられないのと同様です。

    例えば、次のように質問の書き方で回答精度は大きく変わります。

    • 社内の休暇制度について教えてください。

    • 私は入社1年目の社員です。明日の葬儀に参列します。そのための社内の休暇制度について教えてください。

    前提となる情報や目的を含めることで、より具体的な出力を引き出せるようになります。

    DifyのRAGでまずは1つの業務を効率化してみよう

    RAGとは、LLM(大規模言語モデル)が回答を生成する前に、必要な情報を検索して参照する仕組みです。

    Difyを使うことで、RAG機能を備えたAIアプリケーションをノーコードで作れます。例えば、社内情報をナレッジとして取り込めば、社内FAQの作成やマニュアルの参照、議事録の検索など、さまざまな業務の効率化が可能です。

    CTCでは、Dify Enterpriseを提供しています。AIエージェントの構築支援サービスも行っているため、Difyの設計や構築、運用まで対応可能です。

    また、Dify Enterpriseなら、利用者ごとの権限設定やアクセス状況の一元的な管理、SSOによる認証連携にも対応しています。Difyの導入を検討している方は、お気軽にご相談ください。

    関連ページ:Difyサービスページ

    お問い合わせ

    当サイトに掲載されている情報(記事、資料、動画、テンプレート等)については、その正確性および妥当性の確保に努めておりますが、ご利用に際しては、利用者ご自身の責任においてご判断ください。なお、個別の事情に応じては、専門家へのご相談を含め、適切な対応をご検討いただくことを推奨いたします。

    この記事をシェア

    執筆者情報

    Key Technology(Keys)編集部

    Key Technology (Keys)編集部は、CTCが注力する「高度AI」「データ&アナリティクス」「クラウドネイティブ」「セキュリティ」を中心とした最先端テクノロジーの情報発信を担う編集チームです。技術動向や活用事例、サービス情報をわかりやすく届け、ビジネス変革に挑む企業の意思決定や実行をサポートします。

    Documents

    お役立ち資料

    View All