事例

一般社団法人 札幌観光協会 様

更新
ようこそ SAPPORO

ICTを通じて地域経済の課題解決に貢献するCTC
AIチャットボットを活用し札幌市の観光マーケティング基盤を整備

  • 対話型AIチャットボットサービス「SmartRobot」

札幌観光協会は「さっぽろ雪まつり」において、観光客の問い合わせ対応の満足度を向上するとともに、問い合わせ内容をナレッジ化しマーケティングに活かすべく、AIチャットボットを伊藤忠テクノソリューションズ(略称:CTC)の支援のもとに導入した。タイムリーな情報提供、多言語によるインバウンド対応などで観光客の満足度の向上を実現。さらには会話データの蓄積・分析でナレッジ化できる基盤を整備。他のイベントなども含めた札幌全体の観光推進と地域活性化をより促進する体制強化を果たした。

課題と効果

課題
  • 観光客からの問い合わせ対応の満足度を向上したい
  • 問い合わせの内容をマーケティングに活かしたい
  • 質問対応の業務の効率や品質を向上したい
効果
  • タイムリーな情報提供、インバウンド対応で満足度の向上を実現
  • 会話データを蓄積・分析し、ナレッジ化して施策等に活かす
  • 対応自動化によって属人性や業務負荷を軽減

導入事例インタビューデータ

会社名
一般社団法人札幌観光協会
所在地
札幌市中央区北1条西2丁目 北海道経済センター4F
URL
https://association.sapporo.travel/新しいウィンドウで開く
  • 本宿 圭太 氏

    一般社団法人 札幌観光協会

    企画事業部 部長

    本宿 圭太 氏

  • 小川 架奈 氏

    一般社団法人 札幌観光協会

    企画事業部

    小川 架奈 氏

問い合わせの対応満足度向上とマーケティング活用を狙う

札幌観光協会は、「さっぽろ雪まつり」をはじめとするイベントの企画運営、各種プロモーションや情報発信、地域クーポン発行などによって、同市の観光推進のけん引役を担っている。

中でも、さっぽろ雪まつりは札幌の冬を象徴する一大イベントである。同市中心部の大通公園など複数の会場にて、大小の雪像・氷像、ステージイベント、北海道の食などが楽しめる雪と氷の祭典であり、毎年、国内外から多くの観光客が訪れる。2020年の第71回開催の後、コロナ禍を挟み、2023年の第73回は3年ぶりに会場での開催を果たした。

さっぽろ雪まつりでは、観光客への情報提供は電話でのお問い合わせ対応やWebサイト、SNSなど、幅広い方法で行っている。第71回の際、インターネットをより活用し、さらなる満足度の向上を図った。

一般社団法人 札幌観光協会 企画事業部 小川氏は「WebやSNSで事前に情報を提供していますが、電話等での問い合わせは一定量あります。その中には、大雪像の数は例年通りなのか、特定のキャラクターの雪像はどこにあるのかなど、細かい内容も多々あります。Q&Aはストックしていますが、新しい情報を先回りしてインターネットで提供したいと考えました。あわせて、近年増えている海外からの訪日観光客(インバウンド)への情報提供の強化も目指しました」と話す。

その上で、DXにも注力する札幌観光協会は一歩先を見据え、問い合わせ内容のデータ活用にも取り組んだ。一般社団法人 札幌観光協会 企画事業部 部長 本宿氏は「問い合わせ内容をナレッジ化し、マーケティングに活かしたいと考えました。データから観光客の需要の動向をつかみ、情報発信の内容に反映させています。そして、たとえばグルメに関する問い合わせは、雪まつり以外のイベントなどにも非常に有益な情報であり、それらを今後の施策に活かすことで、札幌全体の観光振興および地域活性化へとつなげます」と語る。

さらに、電話応対の労力と時間の削減、業務の属人性の低減なども狙った。

AIチャットボットを導入、構築・運用をCTCがすべて担う

こうした札幌観光協会の構想を具現化する手段としてCTCが提案したのがチャットボットである。チャットボットであれば、新しい情報をタイムリーに提供できるとともに、問い合わせ内容のテキストデータを蓄積・分析してマーケティングに活かせるからだ。今回、札幌観光協会が採用したサービスがIntumit社の「SmartRobot」だ。SaaS方式の対話型AIチャットボットであり、日本語と英語、中国語に対応している。CTCの支援のもと、第71回の雪まつりで試験導入し、第73回で本格導入に至った。チャットボットはさっぽろ雪まつりの公式サイトに設置した。

構築に要した期間は第71回の試験導入時で約6週間であり、第73回の本格導入では約4週間で済んだ。「私たちは人員が限られているので、雪まつりのイベントそのものの運営だけで手いっぱいです。その中でCTCにはチャットボットの構築・運用を一手に引き受けてもらい、大変助かりました」(本宿氏)

「第71回の時はQ&A集と最新の観光ガイドブックなどの資料一式をお渡しし、CTCがチャットボットに落とし込んでくれました。第73回では、CTCが先行して資料収集と落とし込みを終えていただき、カットオーバー後も新たな情報などが生じれば、私たちが頼む前にアップデートを完了してくれました」(小川氏)

観光客へタイムリーな情報提供を実現、得られたナレッジを今後に活かす

札幌観光協会はチャットボットの導入によって、当初の狙い通りに成果をあげられている。観光客の満足度向上については「一部のキャラクターの個別イベントなど、雪まつりの期間中に回答が変化していく質問でも、的確な情報をタイムリーに提供することができました。また、稀な質問にも対応ができ、汎用性が高いですね。操作性もシンプルかつサジェスト方式でわかりやすいので、明確な検索キーワードを持たずに何となく情報を探しに来た観光客でも、親切に誘導して情報を提供できます」と小川氏は評価する。

本宿氏も「多くの観光客がチャットボットを利用した結果、電話での問い合わせ件数が減り、対応業務の負荷を減らせました。インバウンドに関しては、チャットボット利用の15~20%が海外からでした。例年訪れる観光客の15~20%が海外の方なので、インバウンドにも利用されたと言えます」と手ごたえを感じている。

会話データの蓄積・分析によるマーケティングへの利用についても、当初の構想実現に向けて着実に歩みを進められている。「本格的な分析はこれからですが、今の段階で、すでに貴重な気づきが得られています。たとえば、大通公園は入口がなく、入場料無料の施設ですが、入口や入場料の問い合わせがありました。私たちが当たり前と思っていた基本的な情報が観光客にとって知りたいことであり、Webでの情報の出し方などにとても参考になります」と本宿氏は強調する。

小川氏も「AIなので会話データが溜まっていけば、もっと有益な気づきが得られるでしょう。そういったデータ活用の基盤を整備できたのが大きいです」と続ける。

加えて、問い合わせ対応業務の属人性の低減、24時間365日対応の実現とともに、協会内部でも職員が情報ソースとして日々利用するという副次的な効果も得られている。

今後はチャットボットおよびデータ活用をより推進していく。「オンラインも含めた他のイベントなどへもチャットボットを横展開し、札幌全体として観光客の満足度の向上をより図っていきます。それらで得たデータをマーケティングに本格的に活用し、観光推進および地域活性化をさらに加速していきます。CTCにはこれまで通り、技術力と実直さを両輪とする支援を期待しています」(本宿氏)

CTCは今後も、ICTソリューションの提供を通じて地域経済や観光産業に貢献していく。

2023年開催 さっぽろ雪まつりの雪像

2023年開催 さっぽろ雪まつりの雪像

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