課題と効果
- 課題
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- iPad導入にあたり既存Webアプリケーションヘの対応
- iPadでのワークフローシステム利用の対応
- iPadの操作性、作業性の改善
Citrix XenAppとCitrix Receiver for iOSを導入
- 効果
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- 既存のWebアプリケーションがそのままiPadで利用可能
- iPadによるワークフローシステム利用を実現
- Citrix X 1 Mouseの試行活用でiPadの操作性、作業性向上を期待
導入事例インタビューデータ
- 会社名
- 株式会社みずほ銀行
- 所在地
- 東京都千代田区大手町1-5-5(大手町タワー)
- 発足
- 2013年
- URL
- https://www.mizuhobank.co.jp/
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株式会社みずほ銀行
IT・システム統括第一部
戦略情報基盤システム推進チーム
次長戸谷 友彦氏
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株式会社みずほ銀行
IT・システム統括第一部
戦略情報基盤システム推進チーム
調査役津田 宜秀氏
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みずほ情報総研株式会社
金融ソリューション第3部
第4チーム
次長天笠 弘伸氏
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みずほ情報総研株式会社
共通インフラ事業部第4部
情報基盤第3チーム
ミドル基盤課髙橋 篤史氏
導入背景
イントラネット用に開発されたWebアプリケーションをiPadで活用したかった
みずほ銀行では、銀行サービスの向上に向け早期からiPadを積極的に導入してきた。その取り組みについて、IT・システム統括第一部 戦略情報基盤システム推進チーム 次長 戸谷 友彦氏は、次のように切り出す。
「当行では、2012年の試行導入からはじまり、2013年に営業店の渉外担当用として約4,500台のiPadを導入し、一定の成果が得られるようになりました。そのため、2015年には次のステップとして全員に使ってもらうため約23,000台のiPadを導入しました」。
同行では、2013年から営業活動にタブレットを活用して、行員の情報力を高めてきた。その成果を全行員で実現するために、2015年に大量のiPadの導入を推進した。
「営業ツールとしてiPadを導入した時には、お客さまにご覧いただく機会が多かったので、専用のアプリを数多く開発しました。お客さまに見ていただくアプリは、操作性や見た目の訴求力が重要ですが、開発に時間がかかりがちでした。一方で行員が業務に利用するだけなら、行内のイントラネットで以前から利用しているWebアプリケーションをそのまますぐに利用できるようにすることがメリットとなります。ただし、Windows®のInternet Explorer®用に開発された一部のWebアプリケーションが、iPadのSafariではうまく表示できない、という問題に直面しました」と戸谷氏はiPadの導入における課題について振り返る。
これまで積極的なIT投資を推進してきた同行では、多くの社内業務をイントラネットで処理できるよう整備してきた。そのため、iPadが普及する以前に構築された行内システムには、Windows®とInternet Explorer®の利用を前提に開発されたWebアプリケーションが多く、iPadで利用しようとすると、正しく動作しないという問題が生じていた。その理由について、IT・システム統括第一部 戦略情報基盤システム推進チーム 調査役 津田 宜秀氏が補足する。
「まず、通達などの社内文書閲覧やペーパーレス会議のシステムを新規開発することにしました。一方、稟議系や総務系のワークフローシステムは、既存システムをそのまま利用できないかと考えました。しかしこれらのワークフローシステムは、Internet Explorer®でアクセスすることを前提に開発されたWebアプリケーションだったため、iPadからは利用できず、どのように対応するかが課題となっていました」。
システム概要
Citrix XenAppに精通した技術力を評価し、CTCにiPadへのアクセス基盤の構築を依頼
みずほ銀行では、CTCのインテグレーションによって、2012年にXenAppによる行内アプリケーションの仮想化基盤を構築している。そこで、iPadで行内のワークフローシステムを利用するために、同じ仮想化基盤が使えないか注目した。システムの構築に携わったみずほ情報総研株式会社 共通インフラ事業部第4部 情報基盤第3チーム ミドル基盤課 髙橋 篤史氏は、その経緯を説明する。
「以前に行内のPCをWindows® XPからリプレースするとき、Internet Explorer® 6用に開発されたWebアプリケーションを利用する方法について、何社かに相談しました。その中で、マルチベンダーに精通したCTCからの提案がもっとも優れていました。そこで、XenAppによる仮想化基盤の構築を依頼しました。こうした背景から、今回もCTCに相談してiPadで行内のWebアプリケーションにアクセスするために、XenApp を使えないか検討することにしたのです」。
みずほ情報総研では、これまで数百台の規模でXenAppサーバを導入しWebアプリケーションや行内システムの仮想化環境を構築してきた。そこで、Citrix Receiver for iOSを利用すれば、XenAppを介してワークフローシステムをiPadから利用できると考えた。
「iPadからアクセスできるXenAppを導入すれば、既存のアプリケーションの仮想化基盤をベースにして、大幅にコストを抑えたタブレット活用を実現できると思いました」と髙橋氏はXenAppを提案した理由を話す。
この提案に、みずほ銀行のIT・システム統括第一部も注目した。
「みずほ情報総研とCTCからの提案で評価したのは、既存のサーバ環境を再利用できる点でした。XenAppであれば、既存のWebアプリケーションを改修する必要はなく、さらにOSのサポート終了で使わなくなったサーバを流用できました。そのため、少ない投資でiPadからアクセスできる仮想化環境を構築できるとわかったのです」と津田氏は選定のポイントを指摘する。
導入効果
外出先でのシステム利用により時間が大幅に短縮され、業務の効率化を実現
XenAppの採用が決まると、2015年4月からシステムの構築がスタートした。そして、約6ヵ月の開発期間を経て、2015年10月から同時接続300ユーザー規模での運用が始まった。
「いきなり全行規模で運用を開始する前に実際の効果を確認しようと考えました。そこで、まずは役職者と一部のモデル支店で実践できるよう環境を構築してCitrix Receiver for iOSの利用をスタートしました。利用者数としては約1,500名が、iPadからXenAppの仮想化環境にアクセスしています」と津田氏は構築されたシステムの概要を説明する。
iPadからワークフロー処理が行えるようになり、さらに一部で試行を開始したCitrix X1 MouseによりiPadの操作性向上も期待できることから、利用者からの評価も得られている。
「我々も実際に使うようになって、便利さを実感しています。例えば、自席がある内幸町から会議出席のために本店がある大手町に外出している間でも、ちょっとした時間を見つけてiPadで部下からの申請などを承認できるため、業務の効率化とスピードアップにつながっています」と戸谷氏は成果を語る。
システムの構築に携わったみずほ情報総研 金融ソリューション第3部 第4チーム 次長 天笠 弘伸氏も、XenAppによるiPadの利用を次のように評価する。
「既存のアプリケーションに一切の手を加えることなく、iPadから使えるようになるCitrixの仮想化ソリューションは、我々にとって願ったり叶ったりの優れた仮想化テクノロジーでした。XenAppとCitrix Receiver for iOS、そしてCTCのおかげで、短期間で実践的な仮想化環境を構築できました」。
今後の展望
今後もクラウドの活用やシンクライアントの導入でCTCの提案に期待
iPadから既存のワークフローシステムを利用できるようになったことで、ワークスタイル変革が進展しつつある同行では、さらに利用の範囲を広げていく計画だ。
「効果を確認した上で、最終的には、全行員が利用できるよう環境を拡張することを検討していきます。その際は、クラウドの活用などによるシステム構成の整備も視野に入れています。CTCにはシステムの選定やクラウドへの移行などで、今後も最新の情報提供と優れたソリューションの提案を期待しています」と津田氏はCTCへの要望と今後の展望を語った。
導入製品
- Citrix XenDesktop Platinum Edition
- Citrix XenDesktop Enterprise Edition
- Citrix X1 Mouse