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OEC株式会社

ファイルサーバを全社統合し、より強力なランサムウェア対策を実現

  • NetApp FASシリーズ

岡山県を基盤にICTソリューション&サービスを提供するOEC株式会社が、100TB規模の全社統合ファイルサーバを整備した。高信頼のNetApp FASストレージを採用し、部門ごとに運用されてきた10数台のWindowsファイルサーバ/NASを統合。自社が持つ情報資産/データの保護を全社レベルで高度化・均質化すると共に、業務時間内に高頻度でSnapshotを取得してデータ喪失のリスクを低減している。「ランサムウェア対策」にNetApp FASストレージ/ONTAPを適用した注目事例である。

課題と効果

課題
  • 部門ごとに運用する10数台のファイルサーバの統合化
  • 情報資産/データ保護を全社レベルで高度化・均質化
  • ランサムウェアなどの脅威に対するセキュリティの強化
効果
  • NetApp FASにより高信頼の統合ファイルサーバを実現
  • 高頻度のSnapshot取得によりデータ喪失リスクを低減
  • 岡山‐東京間でデータを二重化しBCP/DR対策を強化

導入事例インタビューデータ

会社名
OEC株式会社
所在地
岡山市北区本町6番36号 第一セントラルビル3階
資本金
6,000万円(天満屋100%出資)
代表者
代表取締役社長 佐藤 俊治
従業員数
265名
URL
https://www.oec-o.co.jp/新しいウィンドウで開く
  • 藤井 盛人氏

    OEC株式会社

    ネットワークサービスグループ
    ネットワークサービスチーム
    課長

    藤井 盛人氏

100TB規模の全社統合ファイルサーバを構築

OEC株式会社の歴史は、岡山情報処理センターとして設立された1969年まで遡る。以来、長年にわたりシステムインテグレーションやアプリケーション開発、クラウドサービスの提供を通じて地元企業・自治体の情報化に貢献してきた。OECに社名を変更したのは創立50周年を迎えた翌年、2020年のことだ。同社ネットワークサービスグループの藤井盛人氏は次のように話す。

「パッケージアプリケーションやクラウドサービスの展開によって、私たちのビジネス領域は全国規模へと広がっています。一方、地元企業様や自治体様の基幹系・業務系システム構築などインテグレーションビジネスも堅調です。こうした高い信頼性が求められるシステム構築案件で、私たちが積極的に提案しているのがNetAppストレージです」

OECでは、2013年よりNetAppストレージによる仮想化基盤やファイルサーバ環境の構築を手掛けてきた。顧客向けファイルサービス/データ保護サービスのシステム基盤にも採用しており、NetAppのストレージOS「ONTAP」が提供する様々な機能に精通したエンジニアも多い。

「私たち自身が2022年に実施した『ファイルサーバの全社統合』でも、全社の総意でNetAppストレージを採用しました。Windowsベースのファイルサーバやクラウドストレージと機能やコストを慎重に比較検討しましたが、NetAppストレージ/ONTAPの優位性は明らかでした」(藤井氏)

藤井氏は、ネットワークサービスを切り口に、顧客である自治体・企業へ幅広い技術支援サービスを提供すると共に、そのノウハウを活かしてOEC社内のICT基盤整備をリードしている。

ウイルス感染の前例がないNetAppストレージを採用

OECでは、部門単位・プロジェクト単位で10数台のWindowsファイルサーバ/NASを運用していた。これを全社統合する目的はどこにあったのか。藤井氏は次のように話す。

「経営情報、営業資料、アプリケーションのソースコードまで、様々な情報資産/データが社内の複数のシステムに格納され日々利用されていました。問題は、環境ごとにセキュリティやデータ保護レベルが大きく異なっていたことです。これを高い水準まで持ち上げ、全社で均質化することが統合ファイルサーバ構築の最大の狙いです」

藤井氏らは、ストレージ製品の選定に際して次の要件を策定した。

  1. 高い信頼性・可用性を実現するシステムアーキテクチャ
  2. ランサムウェアなどのセキュリティリスクを低減する機能
  3. ローカルおよび遠隔地でのデータ保護を容易にする機能
  4. データ量を抑制する機能、無停止での容量拡張

「NetApp採用の決め手になったのは、ONTAPが提供するデータ保護機能の優位性でした。ランサムウェア対策には、バックアップを高い頻度で行い、万一プライマリのデータにアクセスできなくなったときに、いち早く復旧できる体制を整えることが重要です。Snapshot、SnapMirror、SnapRestoreといったONTAPの機能をフルに活かせます」(藤井氏)

NetAppストレージ/ONTAPの優れた信頼性・可用性は、多くの顧客環境での運用実績で証明されておりOEC社内での評価は高かった。

「さらに、私たちが注目したのは『ONTAPそのものにウイルス感染の前例がない』という事実です。ランサムウェア対策を重視するファイルサーバ環境では、最も評価すべきポイントのひとつと言えるでしょう。NetAppストレージなら、Windowsファイルサーバのような頻繁なアップデートも、ディスク増設に伴うサービス停止も必要ありません」(藤井氏)

業務時間内に3時間ごとにSnapshotを取得

「NetAppストレージによる全社統合ファイルサーバの本格的な運用を開始したのは2021年12月です。総容量100TBの新環境に10数台のファイルサーバを集約し、セキュリティ、信頼性、データ保護レベルを一気に高め全社で均質化しました」と藤井氏は自信を示す。

新しいチャレンジは、「業務時間内での高頻度のバックアップ」と「遠隔地でのデータ保護」である。ONTAPが提供するSnapshotは、ファイルサーバへの性能影響なしに論理バックアップを取得できるメリットが大きい。

「朝9時から3時間ごと1日5回Snapshotを取得し、重複排除・圧縮されたデータをSnapMirrorで東京に設置したNetAppストレージに日次でコピーしています。これを7日分保護し、週次のデータは最長3ヵ月前まで遡って復旧できます。ユーザーは、自らの操作でSnapshot領域から自分のファイルを取り戻すことができるようになりました。また、ユーザーの使い勝手は既存のWindowsファイルサーバと変わらず、運用面ではActive Directoryによるアクセス制御・権限管理も同等に行えます」(藤井氏)

構成図

CTCによる自営保守で安心を万全に

CTCは日本で最初にNetApp製品の取り扱いを開始した最上位のパートナーであり、自営保守体制を整える数少ないSIerの1社だ。NetApp製品を利用するシステムの設計・構築・運用・保守における高い技術力が評価され「Support Partner of the Year」を10年連続で受賞。2022年にはAPACにおける「Service Partner of the Year」も受賞した。CTCの河本は次のように話す。

「NetAppストレージで検知された問題は、AutoSupportを介してCTCにも自動通報されます。CTCT岡山サービスセンターから自営保守チームがオンサイトで対応する際の万全な体制を整えています」

OECは、全社統合ファイルサーバ構築に際してクラウドストレージを比較検討したが、データ保護ポリシーとコスト面で採用には至らなかった。だが、藤井氏は「要件が顕在化したときに、NetAppならクラウドと連携できる、Cloud Volumes ONTAPという選択肢がある、という事実が重要」と言う。藤井氏は次のように結んだ。

「全社統合ファイルサーバの構築に際して、私たちが策定したデータ保護と運用のポリシーを完全に実装できたのはNetAppストレージだけでした。ランサムウェア対策を重視するお客様へ、私たち自身の使用体験を通じてNetAppストレージの優位性をお話しできるようになったことも大きな収穫です。ONTAPのアンチ・ランサムウェア機能、Cloud InsightsのCloud Secure機能もお客様へ積極的にご提案していきたいと思っています。CTCには、これからも優れた技術力でOECのビジネスをしっかりとサポートしてもらえることを期待しています」

OEC株式会社 藤井盛人氏(写真中央)/伊藤忠テクノソリューションズ株式会社 河本淳志(左)/ネットアップ合同会社 古家野巨樹氏(右)

OEC株式会社 藤井盛人氏(写真中央)/伊藤忠テクノソリューションズ株式会社 河本淳志(左)/
ネットアップ合同会社 古家野巨樹氏(右)

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