事例 YKK株式会社 様

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YKK様 ロゴイメージ

「従業員一人ひとりが、自らの健康について考え、行動する」組織へ
データ統合とセキュリティの壁を乗り越え、YKKグループが挑んだ健康管理システムの刷新

  • Growbase

ファスニング事業とAP事業を中核に、世界約70の国と地域で事業を展開するYKKグループ。創業以来の精神である「善の巡環」のもと、従業員の健康保持・増進を重要事項として捉え、戦略的な取り組みを進めてきた。2025年度から始まる中期経営計画において「YKKグループ健康推進体制の更なる向上」を掲げ、グループ全体で統一された健康管理基盤の構築を目指し、クラウド型健康管理システム「Growbase」を採用した。伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(以下、CTC)と共にシステム自体の進化も実現させることができた。

課題と効果

課題
  • グループ各社・各拠点でバラバラに管理されていた健康データの統合
  • 多様な切り口で分析できるシステム基盤の構築
  • 従業員一人ひとりが自分の健康状態を把握し、主体的に行動できる環境の整備
効果
  • Growbase上で健康データを一元管理し、過去20年以上のデータ統合を実現
  • 誰もが使いやすい画面により、従業員自身のデータ参照・健康意識が向上
  • 健診・面談の予約フローをオンライン化し、調整業務の負荷を軽減し、実施率向上に貢献
  • 判定区分の統一とデータ整備が進み、勤務場所・職種など多様な軸での分析が可能に

導入事例インタビューデータ

会社名
YKK株式会社
本社所在地
東京都千代田区神田和泉町1
事業所所在地
黒部事業所 富山県黒部市吉田200
創業
1934年
URL
https://www.ykk.com/新しいウィンドウで開く
  • YKK株式会社 健康推進室 室長 小川 恵一氏

    YKK株式会社

    健康推進室
    室長

    小川 恵一氏

  • YKK株式会社 健康推進室 健康推進チーム 野村 直子氏

    YKK株式会社

    健康推進室
    健康推進チーム

    野村 直子氏

  • YKK株式会社 健康推進室 黒部健康管理センター 岡元 千明氏

    YKK株式会社

    健康推進室
    黒部健康管理センター 看護師

    岡元 千明氏

  • YKK株式会社 健康推進室 黒部健康管理センター 保健師 中島 有紀氏

    YKK株式会社

    健康推進室
    黒部健康管理センター 保健師

    中島 有紀氏

  • YKK株式会社 健康推進室 黒部健康管理センター 永山 栄美氏

    YKK株式会社

    健康推進室
    黒部健康管理センター 看護師

    永山 栄美氏

20年蓄積されたデータの「壁」と、システムの老朽化

YKKグループには、事業会社の役員、従業員代表、そして産業医で構成される「YKKグループ健康推進協議会」という組織が存在する。全社的な健康経営を牽引するにあたり長年の課題となっていたのが、健康診断データの管理基盤の統合であった。

「YKKグループにおける従業員の健康データは、過去20年以上にわたる蓄積がある。しかし、これらは各拠点で検査の判定区分や用いられる用語が統一されておらず、バラバラに管理されていた。そのため、全社横断的な集計や複合的な分析に限界があった」と、健康推進室 室長の小川氏は振り返る。

加えて、長年運用してきた旧システムは老朽化が進み、動作の不安定さや増大する運用負荷が顕在化している状況でもあった。保守契約の更新時期を迎えるにあたり、かねてからの課題であったデータ統合を目的としたシステム刷新が決まったのが2023年の春だった。

目指したのは、データの保管庫ではない。「従業員一人ひとりが『自分の健康について、自ら考え行動する』ことの実現。それが私たちの目指す姿だ」とプロジェクトメンバーの中島氏は語る。

譲れないセキュリティ要件をクリアしたパートナーとしての「信頼」

プロジェクトチームはシステムの選定にあたり、実際の利用者である看護師や保健師へのプレゼンテーションを求め、社内アンケートを実施するなど、現場の声を徹底的に重視した。「どんなに高機能であっても、ユーザーが使いこなせなければ意味がない」という強い信念がベンダーに厳しい要求をつきつけることになった。

その中でGrowbaseは、専門知識がなくても直感的に操作できる画面デザインや機能面で高い評価を得た。しかし、YKKグループの厳格なセキュリティ基準を満たすための特定の機能が不足しており、採用決定には大きな障壁があった。健康推進室の野村氏は、当時の葛藤を振り返る。

「私たちは情報システムの専門家ではない。だからこそ、私たちの要望に真摯に向き合ってくれるベンダーの存在が必要不可欠だった。CTCに『このセキュリティ機能さえ実現できれば採用したい』と伝えた時、開発にはコストも時間もかかることは理解していた。正直、実現は難しいだろうと考えていた」

しかし、CTCは予想を超える熱意を見せた。小川氏は当時の対応が今も続く強い信頼関係の礎になったと感じている。
「お互いに粘り強く交渉を続け、CTCは私たちの要望を実現してくれた。私たちが望んだ機能が実装されれば、それはGrowbase自体の武器にもなると信じていた。導入に向けて、双方が『パートナーとして信頼できる』と感じられた、これが最大の選定理由だ」

異なる文化を持つ両者が、1つのチームになるまで

採用決定から本稼働までは約1年。旧システムの仕様解析、データ統合の準備、要件定義には膨大な時間を要した。特に難航したのは、医療・保健指導のプロフェッショナルであるYKK側のメンバーと、システムエンジニアであるCTC側とのコミュニケーションだ。

「当初は、お互いの『文化』や『言語』がつかめず、話が噛み合わないこともあった」と野村氏は苦笑する。

しかし、定例会議を重ねる中で関係性は変化していった。CTCのエンジニアは、システムに不慣れなメンバーから繰り返し同じ説明を求められても決して嫌な顔をせず、常に寄り添う姿勢を貫いた。

「CTCの担当エンジニアは、本当に私たちに寄り添ってくれた。プロジェクトの終盤では、定例会議が終わるのを寂しがるメンバーがいたほどだ。単なる発注者と受注者を超えた、ワンチームになれたと感じている」(小川氏)

業務効率化がもたらした、従業員の意識変革

実稼働が始まり半年ほどでGrowbaseの導入効果は、業務効率化と従業員の意識変化の両面で表れはじめたという。従業員の保健指導などを担当する岡元氏は、実務面で健康診断や面談の予約業務が劇的に改善されたと感じている。
「これまでは申し込み書とメールを使って手動で日時調整を行っていたが、Growbaseでは従業員自身が空き枠からスケジュールを決定できるため、調整業務はほぼなくなった」
また、健診結果の個別送付作業も不要になり、ペーパーレス化と業務時間削減が実現している。

そして何より大きな成果は、従業員の健康に対する向き合い方の変化だ。
「使いやすい画面で、過去の自分の数値推移も容易に参照できるため、検査結果に興味を持つ方が増えた印象がある。『この数値は大丈夫ですか?』といった問い合わせも増えている」と中島氏は手応えを口にする。

導入後の効果を見守る小川氏もまた従業員の変化に気がついている。「使いやすい画面が一番のポイントだが、自分自身のデータをちゃんと追えることが重要だ。導入してから、従業員の健康に対する関心は明らかに上がったと感じている」

データに基づく「攻め」の健康経営へ

旧システム時代からの悲願であった「データの整備と判定区分の統一」は、今回の刷新によってほぼ完了した。今後は、整備されたデータを活用し、より具体的な施策へと繋げていくフェーズに入っていく。YKKグループは製造業であるため、工場勤務の従業員もいれば、海外駐在員もいる。多様な労働環境の中で適切な健康施策を立案するためには、勤務場所や職種といった複合的な視点でのデータ分析が必要となる。プロジェクトメンバーからは「分析用のテンプレートが欲しい」「もっと機能を使いこなしたい」といった前向きな要望が次々と上がっている。

「機能面だけでなく、実運用の面でも、もっと相談していきたい。私たちの使い方をモデルケースにしていただき、Growbaseがより魅力的な機能を実装してくれることを期待している」と小川氏は今後の展開についても語ってくれた。

従業員の健康を支える基盤として、そして企業の持続的な成長を支えるパートナーとして、YKKグループとCTCの挑戦は、これからも続いていく。

集合写真

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