コラム

Windows Server 2008 検証レポート

検証レポート Vol.12~ HYPER-V 序 ~

更新

CTCの独自視点を織り交ぜたWindows Server のポイントを解説

著:クロスファンクショングループ ITエンジニアリング室 プラットフォーム推進部 杵島 正和 12-0206

今回はNAPから離れて、Windows Server 2008の仮想化技術について紹介しようと思う。今回発表されたWindows Server 2008 Enterprise x64 RC1(英語版)にHYPER-Vと正式名称が決まった仮想化のモジュールが含まれている。RC1でやっとベータ版という位置づけになったので、まずはインストールについてまとめたいと思う。

動作要件および制限事項

現状、HYPER-Vの動作要件および制限事項には下記のものがある。

  • Windows Server 2008 Enterprise x64英語版(日本語版では動作しない)
  • Intel-VT/AMD-VおよびハードウェアDEPをサポートしているサーバ
  • ネットワークポートとして2ポート以上(1ポートでも動作は可能だが警告が表示される)
  • 対応しているゲストOSはWindows Server 2008(x86 & x64)、Windows Server 2003(x86 & x64)
  • CPUの追加に関しては、Windows Sever 2008のみ対応

インストール

図1:Intel-VTを有効に設定(HP ProLiantの場合)

インストール手順は以下の順序になる。

  1. ハードウェアのセットアップ画面でIntel-VTおよびハードウェアDEPを有効にする。(図1及び図2)
  2. Windows Server 2008 Enterprise x64英語版をインストールする。最初にシステムロケール等の確認画面が表示される。ここはすべて英語を指定する必要がある。仮に日本語を選択してしまうとHYPER-Vのインストールはできるが、肝心のHYPER-Vのサービスが起動しない(こうなってしまうと英語ロケールに変更しても動作しないため結局再インストールになってしまう)。なお、キーボードおよびシステム時刻のタイムゾーンはOSインストール後に設定変更が可能であり、こちらは変更しても特に問題はない。

図2:ハードウェアDEPを有効に設定(HP ProLiantの場合)

  1. OSのインストールの終了後、初期構成タスクでコンピュータ名やIPアドレス等の設定を行う。
  2. サーバマネージャーを起動し、「Roles」をクリックし「Add Roles」をクリックする。

図3:HYPER-V という役割が追加されている

  1. 「Select Server Roles」の画面で「HYPER-V」にチェックを入れ、「NEXT」をクリックする。(図3)
  2. ネットワークの設定画面では何も選択せずに、「Next」をクリックする(HYPER-Vインストール後に設定する)。
  3. 「Install」ボタンをクリックするとインストールが始まり、完了すると再起動するように促されるので再起動を行う。

HYPER-Vの管理

図4:HYPER-V Managerの初期画面。仮想マシンが追加されると画面中央に表示される

再起動後HYPER-Vのサービスが構成され、「Administration tools」のなかに「HYPER-V Manager」が追加されているのでこちらを起動する。初回起動時のみEULAの確認が行われるので「Accept」をクリックする。 表示される管理画面はこのような感じである。(図4)

図5:Windows Server 2008とWindows Server 2003を同時にインストールしている様子

実際に、仮想マシンを作成しゲストOSをインストールしている画面が図5である。 初期設定はさっと上記のような感じになるのだが、次回は具体的なHYPER-Vの設定ならびに使用感など触れたいと思う。

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