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Technical Report

建設現場でのICT活用
計画、設計、施工、維持管理で3次元モデルを共有し生産性を向上

CTCの取り組み

CTCではCIMが提唱される以前1990年代から、建設分野におけるICT活用や3次元モデル活用などを主にゼネコン向けに提供してきました。2013年から提供している「CIM-LINK」は、図面、CIM準拠の3次元モデル、画像や各種ドキュメントなどを、発注者から測量会社、建設コンサルタント、建設会社まで、建設プロジェクトを通して共有することができるプラットフォームです。また、CADやモデル作成ソフトウェアで作成した3次元モデルに、エクセルなどで編集した設計・施工・計測情報、修繕・点検情報、画像・ドキュメント類の属性情報を、設計・施工・管理の各フェーズに応じて付加していけるソフトウェア「Navis+」も提供しています。

このようなサービスと合わせて、橋梁やトンネルなどの建設物及び各建設物における部品の構造解析や非破壊検査、地盤に関わる浸透流問題や圧密問題に対する解析やコンサルティング、建設物の維持管理におけるコストシミュレーションなど、建設を含めた社会基盤分野におけるトータルなエンジニアリングソリューションを提供しています。

CIMの普及に向けて

国の政策としても建設業界からも期待されているCIMですが、建設業界は許可業者47万社にもわたり、その普及にはまだまだ課題もあります。大きなポイントは以下の通りです※1

1. データ標準 IFC(Industry Foundation Classes)の普及

CIMでは1社のみが3次元モデルのアイテムやデータを提供するのではなく、関係する様々な団体で3次元モデルを構築するため、データ互換性を保証する標準が必要です。

2. ドローンやセンサーとのデータ連携

施工時、運用時などで構造物や地形を計測する手段として、今後、ドローンやセンサーは広く使われていきます。そのようなデバイスから入力を受け付け、自動でモデルに反映することで生産性の向上につながります。

3. シミュレーション・分析技術の高度化

並列コンピューティング技術の発展により、地質や地盤を含めた大規模な3次元シミュレーションが可能になってきています。今後、センサーデータと共に、分析に使用できるパラメータも増加するため、より高度なシミュレーションも求められています。

4. 施工の自動化

データを収集・分析した結果を建機や重機にフィードバックし、自動運転につなげることで、生産性の向上や作業員の安全確保を実現します。

5. 作業員の健康管理

施工時、作業員がウェアラブルデバイスなどを活用し、CIMのシステムと連携することで、無理のない作業計画に貢献することができます。

CTCは、引き続きグループ総合力を発揮してAIやIoTなどの技術も含めてCIMに関連するソリューションを拡充し、土木建設の安全と生産性の向上に貢献していきます。

  1. 日本団体連合会が2017年2月14日に発表した「Society 5.0実現による日本再興」の「IV.インフラ・インフォマティクスによるパラダイムシフト」を参照。
    http://www.keidanren.or.jp/policy/2017/010.html

記載内容は掲載当時の情報です。最新情報と異なる場合がありますのでご了承ください。

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