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伊藤忠商事が掲げる「デジタル群戦略」

大元 伸一

伊藤忠商事株式会社
情報・金融カンパニー
情報・通信部門
情報産業ビジネス部 ITビジネス第二課
課長

大元 伸一

伊藤忠商事のDXは「マーケットイン」の発想をもとに「ビジネス課題を起点としたDX」を基本思想に掲げています。
世の中の変化を捉え、DX支援実現のため、優れたテクノロジーやノウハウ、データを有する提携パートナーとの事業群を形成しています。

世界62ヵ国、100の拠点でビジネスを展開する伊藤忠商事

伊藤忠商事はグローバルにビジネスを展開する総合商社として、世界62ヵ国に約100の拠点を持ち、8つの営業カンパニー(繊維、機械、金属、エネルギー・化学品、食料、住生活、情報・金融、第8カンパニー)が国内、輸出入及び三国間取引を行うほか、国内外における事業投資など、幅広いビジネスを展開しています。他の総合商社がエネルギー・資源の取り引きに強みを持つことに対し、伊藤忠商事では従前より生活消費関連分野で強みを持ち、人々の生活に関わるあらゆる分野においてビジネスを行ってきました。

40年の実績と3つの強みを持つ「情報・通信部門」

情報・金融カンパニーの「情報・通信部門」では、DXノウハウ・サービスをグループ内外へ提案し、IT・デジタル技術を活用した事業変革を支援するDX事業を行っています。「情報・通信部門」には大きな3つの強みがあります。1つ目は、CTCをはじめ、IT・デジタルの各領域で専門的な力を持つ「トップ企業」との提携により実現する、IT・デジタル技術活用力。2つ目は、業界最大手のベルシステム24をはじめとして、豊富な顧客接点を持ち、それを高度化する顧客体験の向上力。3つ目は、1980年代からシリコンバレーの有力ベンチャー企業との協業を数多く成功に導いてきたことによるイノベーションへのアクセス力と、その活用による新規ビジネス開発力。これらの3つの強みを生かし、DX事業を加速させています。

市場・産業構造の変化に即応する「DX事業群」

伊藤忠商事では、DXを成長戦略を支える黒子的なツールと位置付け、DXを目的化することなく、ビジネスありき・収益性重視の「地に足を付けたDX」を基本思想としています。これまで伊藤忠グループでは、CTCや、ベルシステム24を中心に据えたITサービス事業を展開してきました。しかし、世の中の変化が急速に進み、従来のSI起点だけではお客様のDXには対応できない状況が増えています。DXの起点がより上流に移っている変化を読み取り、DXの各分野で専門的な力を持つ「トップ企業」との提携を進め、お客様の事業変革をお手伝いする体制「DX事業群」を整えてきました。

「情報・通信部門」3つの強み
3つの強み

DX5分野のトップ企業と「DX事業群」を構成

「DX事業群」は、以下に挙げる5つの分野とその分野に強みを持つ企業群で構成されており、それらをつなぎ、組み合わせることでお客様のDX推進の支援をします。

「DX事業群」の5つの強み
ビジネス・デジタルコンサルティング

お客様が抱える事業課題に対して、デジタルの視点を交えながらのビジネス・コンサルティングサービスや、顧客体験価値を向上させるデジタルサービスを提供。

アプリケーション/システム開発・運用

モダンアプリケーションアーキテクチャによるシステム開発を行うと共に、DXを進めた後の運用業務までトータルにサービスを提供。

デジタルマーケティング/プロモーション

お客様のビジネス課題を読み解き、デジタルマーケティング戦略の立案やプロモーションの実行を支援するサービスを提供。

CRM・顧客体験

お客様の業務課題の整理を行い、本来実施すべきビジネス上の業務に注力できるようなBPOサービスや、継続的なカスタマーサクセスを実現するサービスを提供。

データ分析・活用

DXを阻害する最大要因となる紙のデジタル化を実現すると共に、お客様のビジネス・業務が生み出す膨大なデータに対する高度な分析サービスや、分析結果を次のサービス開発・改善に活用し、顧客のDX推進を加速させるサービスを提供。

DX事業群

Case Study

「DX事業群」活用事例:株式会社日本アクセスの事業変革

伊藤忠グループの中核企業の1社である日本アクセスでは、「心に届く、美味しさを」という企業理念のもと、「卸売」の枠を超えた「卸」企業を目指しています。様々な分野で第4次産業革命やSDGsの気運が高まる中、日本アクセスでもデータを活用した効率化や新たなビジネスの創造による収益拡大、食品廃棄ロス削減などの実現が求められています。

食品サプライチェーンのDXによる最適化を重要施策と位置付け、ITの知見が高い伊藤忠テクノソリューションズ(株)とデータ活用のリーディングカンパニーである(株)ブレインパッドと連携し、物流拠点における小売店の販売データなどを活用した需要予測と発注自動化の実証実験を実施し、効果が確認できたため、全国規模への拡大を進めています。

日本アクセスの事例
日本アクセスの事例
出典:Best Engine Vol.13

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