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サイバーハイジーンとは?|セキュリティ対策に必要な取り組み例を紹介

本記事では、サイバーハイジーンの基本概念から具体的な実践方法、導入によるメリット、そして効果的な運用方法まで、企業のセキュリティ担当者が知っておくべき情報を詳しく解説します。
- サイバーハイジーンとは
- 従来の「境界防御」との違い
- 企業がサイバーハイジーンに取り組む必要性
- 脆弱性を狙ったサイバー攻撃が増加している
- テレワークやDXによりIT環境が変化している
- サイバーハイジーンに取り組む効果
- サイバー攻撃のリスクを低減できる
- インシデント対応が迅速になる
- 組織全体のセキュリティ意識を高められる
- サイバーハイジーンの具体的な取り組み例
- IT資産の可視化・管理
- ソフトウェアの可視化・管理
- データの可視化・管理
- エンドポイント管理の徹底
- アカウント管理
- データバックアップと復旧体制の構築
- セキュリティ教育の実施
- インシデント対応体制の確立
- サイバーハイジーンとの併用がおすすめのセキュリティ対策
- セキュリティ強化にはCTCマネージドセキュリティサービス
- CTCサイバー衛生管理サービス(CTC-CH)
- CTCセキュリティオペレーションセンター(CTC-SOC)
- CTCインシデントハンドリング初動対応サービス(CTC-IH)
- サイバーハイジーンが大きなリスクを未然に防ぐ
サイバーハイジーンとは

サイバーハイジーンとは、社内のIT環境におけるサイバー攻撃やウイルス感染、情報漏えいなどのリスクを予防する取り組みです。
「ハイジーン」は「衛生」を意味する言葉であり、手洗いやうがいなどの日常的な習慣により感染症を防いだり、定期的な健康診断によって大病を防いだりする行為を意味します。
このことから、サイバーハイジーンは社内のIT環境や社員のPC、インターネット接続環境などを把握し、組織全体のセキュリティ意識を醸成することにより、サイバーリスクの軽減・予防を実現するものだといえます。サイバーリスクに対する特別な技術ではなく、「当たり前の習慣」を徹底するだけで被害を最小化することを目指す取り組みです。
従来の「境界防御」との違い
従来のセキュリティ対策は、ファイアウォールやウイルス対策ソフトといった境界防御がメインとなっていました。こうした「守る(防御)」対策は、外部からの侵入を防ぐことを目的としています。
一方でサイバーハイジーンは、「整える(衛生)」対策のため、侵入される隙をなくすことに重点を置いています。たとえば、脆弱性や未管理端末などです。
境界防御が「入口での水際対策」だとすれば、サイバーハイジーンは「侵入される原因そのものをなくす根本対策」といえます。
企業がサイバーハイジーンに取り組む必要性
企業は、セキュリティ対策としてサイバーハイジーンに積極的に取り組む必要があります。現代のサイバー攻撃環境や企業のIT環境の変化を踏まえると、その重要性は年々高まっているといえるでしょう。以下で詳しく解説します。
脆弱性を狙ったサイバー攻撃が増加している
攻撃者は最新の未知の攻撃を行うよりも、パッチが当たっていない「既知の脆弱性」を突く方が効率的であるため、そこを執拗に狙うようになっています。米Ponemon Instituteの調査によると、情報漏えいの経験がある企業のうち「ソフトウェアの脆弱性に対応するパッチを適用しなかったことが原因」とした企業は68%に上りました。
つまり、攻撃を受けた企業の3分の2以上は、パッチ適用さえしていれば被害を予防できたことになります。この事実は、高度な対策よりも基本的な衛生管理の徹底がいかに重要かを示しているといえるでしょう。既知の脆弱性への対応という基本的な取り組みを怠ったために、多くの企業が深刻な被害に遭っているのが実情です。
テレワークやDXによりIT環境が変化している
近年、テレワークの普及によりオフィス外にPCを持ち出す機会が増えたため、会社が把握できない「未管理端末」がネットワークに接続されるリスクが増大しました。社内LANの外にある端末の状態をリアルタイムで把握・管理下しなければ、完全なセキュリティ対策は実現できません。
クラウドサービスの利用拡大やIoT機器の業務活用などDXに取り組む過程で、IT環境の複雑化も進んでいます。従来の境界防御だけでは対応しきれない状況において、すべての端末や資産を可視化し、適切に管理するサイバーハイジーンが不可欠となっています。
サイバーハイジーンに取り組む効果

サイバーハイジーンに取り組むことで、企業は多くのメリットを享受できます。単なるリスク軽減だけでなく、組織全体の対応力向上にもつながる効果を以下で詳しく見ていきましょう。
サイバー攻撃のリスクを低減できる
サイバーハイジーンの実践により、脆弱性を狙った攻撃の侵入口を大幅に減らせます。すでに迫っているリスクを防御するだけでなく、リスクが発生しないように予防することが可能です。
IT資産やソフトウェアの状態を常に最新に保ち、不要なアカウントや未管理端末を排除するという日常的な取り組みにより、攻撃者が狙う脆弱性を事前に潰せます。従来の防御策と比べて、はるかに効率的なセキュリティ対策といえるでしょう。
インシデント対応が迅速になる
IT資産の把握が徹底されていると、インシデント発生時の原因調査を迅速に開始できます。どの端末で問題が発生したか、どのソフトウェアに脆弱性があったかをすぐに特定できるため、初動対応のスピードが格段に向上します。
また、データの管理ができているため、復旧もスピーディです。バックアップデータの所在や復旧手順が明確になっていれば、被害を最小限に抑えて事業を継続できるでしょう。
組織全体のセキュリティ意識を高められる
セキュリティ教育を通じて、社員一人ひとりのセキュリティリテラシーが向上します。サイバーハイジーンは一部の担当者だけでなく、全社員が関わる取り組みであるため、組織全体のセキュリティ文化の醸成につながるのです。
全社的な協力体制が構築され、社内のセキュリティが強化されるため、サイバー攻撃による事業停止のリスクを防いで事業を継続できるため、企業としての成長も期待できます。
サイバーハイジーンの具体的な取り組み例

サイバーハイジーンを実践するには、具体的にどのような取り組みを行えばよいのでしょうか。以下では、企業が実施すべき代表的な対策を詳しく紹介します。
IT資産の可視化・管理
ネットワークに接続されているすべての端末(PC、サーバー、IoT機器)を100%把握する必要があります。私物の端末を業務で利用している従業員がいる場合でも、その端末の情報や利用状況を報告してもらうルールを確立しましょう。
たとえば、資産管理台帳を作成し、各端末のスペック・OS・利用者・使用場所などを記録します。定期的な棚卸しを実施し、管理台帳と実態が一致しているかを確認することも重要です。
ソフトウェアの可視化・管理
インストール済みのソフトウェアを棚卸しして、許可リストを作成しましょう。サポートが終了しているソフトウェアを特定できるため、更新または削除するといった対応が可能になります。
また、セキュリティパッチが適用されていないソフトウェアに関してはパッチを適用し、最新のパッチが適用されているか月次や週次でチェックして運用します。自動更新の設定や、パッチ適用の優先順位付けなど、運用ルールの策定も欠かせません。
データの可視化・管理
企業が保有しているデータの可視化と管理も必須です。
最低限、機密データの所在は確実に把握しておきましょう。各データへのアクセスや閲覧、編集の権限を適切に管理し、不要なデータは適切に廃棄してデータクレンジングを実施する必要があります。機密情報の管理を徹底するため、不適切な場所に保存されていないか定期的に監査することをおすすめします。
エンドポイント管理の徹底
全エンドポイントにセキュリティ対策ソフトを導入することは、基本中の基本です。また、USBデバイスの使用制限を設け、外部メディアの自動実行を無効化する設定も必須の取り組みです。
端末の設定を一元管理できるツールの導入や、定期的なセキュリティスキャンの実施も検討しましょう。モバイル端末についても同様の管理が必要です。
アカウント管理
不正アクセスや情報漏えいなどを防止するため、全アカウントを把握し、強力なパスワードポリシーの実装と多要素認証の導入を進めましょう。
退職や異動などにより使用されなくなった休止アカウントは、速やかに無効化しなければなりません。定期的なアカウントの棚卸しにより、不要なアカウントを削減してセキュリティリスクを低減できます。
データバックアップと復旧体制の構築
データのバックアップと復旧体制の構築も、サイバーハイジーンでは重要です。バックアップデータは、暗号化して隔離された環境で保管しましょう。バックアップの手間を減らすため、自動バックアップを設定してきちんと実行されているか定期的にチェックすることもおすすめです。
万が一の場合に備えて復旧プロセスを確立しておき、復旧テストも実施しましょう。バックアップからの復旧に要する時間を把握しておけば、インシデントが発生した場合でも焦らずに対応できます。
セキュリティ教育の実施
全社員に対して定期的にセキュリティ研修を実施することも不可欠です。具体的には、フィッシングメールの見分け方と対処法、データの適切な取り扱い方法などを教育します。
また、インシデント発生時の報告ルートと対応手順を周知することや、強固なパスワードの設定方法について指導することも大切です。eラーニングや模擬訓練など、実践的な教育手法を取り入れることで、より高い効果が期待できるでしょう。
インシデント対応体制の確立
インシデント発生時の報告基準と連絡体制を明確に策定しておく必要があります。インシデント対応チーム(CSIRT等)を設置し、インシデント対応手順書を作成しましょう。
手順書には、インシデントの検知から初動対応、調査、復旧、再発防止までの一連の流れを記載します。手順書をもとに定期的な訓練を行い、実際のインシデント発生時にスムーズに対応できる体制を整えておくと安心です。
サイバーハイジーンとの併用がおすすめのセキュリティ対策
サイバーハイジーンだけでは、迫りくるすべてのリスクに対応することは困難です。以下のようなセキュリティ対策を併用すると、より効果的な防御体制を構築できます。
セキュリティ対策 | 概要 | サイバーハイジーンとの関係 |
|---|---|---|
ファイアウォールとネットワークセキュリティ | 外部からの不正アクセスを遮断し、ネットワーク境界を保護する対策 | サイバーハイジーンで内部環境を整えつつ、境界防御で外部脅威を遮断することで多層防御を実現 |
エンドポイントセキュリティ(EDR・EPP) | 端末上での不審な動きを検知・防御し、マルウェアの侵入や実行を阻止する対策 | サイバーハイジーンによる端末管理と組み合わせることで、既知・未知の脅威双方に対応可能 |
セキュリティ監視(SOC) | 24時間365日体制でセキュリティイベントを監視し、インシデントを早期発見する体制 | サイバーハイジーンで予防しつつ、SOCで異常を早期検知することで被害を最小化 |
脆弱性診断 | システムやアプリケーションの脆弱性を専門家が定期的に診断し、リスクを可視化する取り組み | サイバーハイジーンの取り組みが適切に機能しているかを客観的に評価し、改善点を特定 |
これらの対策の組み合わせにより、予防・検知・対応の三段階でセキュリティを強化できます。サイバーハイジーンは「予防」に重点を置いた取り組みですが、完璧な予防は現実的に困難であるため、検知や対応の仕組みも並行して整備することが求められます。
セキュリティ強化にはCTCマネージドセキュリティサービス

企業のセキュリティ対策を効果的に推進するには、専門的な知識とリソースが必要となります。自社だけでは対応が難しい場合、伊藤忠テクノソリューションズが提供する「CTCマネージドセキュリティサービス」の活用が有効です。
CTCサイバー衛生管理サービス(CTC-CH)
CTCサイバー衛生管理サービスは、サイバーハイジーンの運用を支援する専門サービスで、主にアセット管理、脆弱性管理、脅威ハンティングなどを支援します。
アセット管理では、企業が保有するすべてのIT資産を可視化し、適切な管理状態を維持します。脆弱性管理は、各資産の脆弱性を継続的に評価し、優先度に応じた対応が可能です。
さらに脅威ハンティングにより、既存のセキュリティ対策をすり抜けた潜在的な脅威を積極的に探索します。これらの取り組みにより、企業のサイバーハイジーン実践を包括的にサポートできます。
CTCセキュリティオペレーションセンター(CTC-SOC)
サイバーセキュリティ対策を万全にするためには、予防のほかに「検知」も欠かせません。CTCセキュリティオペレーションセンターは、オンプレミス環境やクラウドに導入されたセキュリティ製品から発せられる検知ログやアラートを、24時間365日体制で監視します。
障害が発生した場合には、機器交換やIPアドレス遮断などの対応を迅速に実施。専門家による継続的な監視により、インシデントの早期発見と初動対応が可能です。
CTCインシデントハンドリング初動対応サービス(CTC-IH)
セキュリティインシデントの影響を最小限に抑え、迅速な復旧と事業継続を支援するのがCTCインシデントハンドリング初動対応サービスです。検知したセキュリティイベントを調査・分析し、緊急度の評価を行った上で、企業のセキュリティ担当者にアラートを送信します。
さらに適切な対処方針を決定し、インシデントの初動対応(トリアージ)を支援します。専門家の知見を活用することにより、インシデント対応の質とスピードを向上できるでしょう。
サイバーハイジーンが大きなリスクを未然に防ぐ
サイバーハイジーンは、IT環境の「衛生管理」として、日常的なセキュリティ対策を継続的に実践する取り組みです。IT資産やソフトウェアの管理、バックアップ体制、従業員教育など、基本的な対策の徹底によってサイバー攻撃のリスクを大幅に低減できます。
サイバーハイジーンは一度実施すれば終わりではなく、継続的に改善していくことが大切です。組織全体でセキュリティ意識を高め、経営層の理解と支援を得ながら、段階的に導入を進めることが成功の鍵となります。
まずは企業のセキュリティ対策の重要性をご理解いただくために、無料で最新の攻撃観測レポートを提供しているのでぜひお役立てください。
資料ダウンロード:2025年12月度 攻撃観測レポート|CTC-SOC
セキュリティ対策でお困りの方は、リスクの予防・検知・対応を一気通貫で支援させていただく、伊藤忠テクノソリューションズのCTCマネージドセキュリティサービスサービスにお任せください。
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