事例

北越コーポレーション株式会社 様

更新
北越コーポレーション株式会社

40年超の紙図面6千枚を高品質に電子化。
消失を防ぎ、検索性と保全DXを加速

  • FromDoc

約半世紀稼働を続けてきた紙図面のデータ化で
保全業務DXに大きく前進

紙・パルプ製品の製造販売を主力事業とする総合製紙会社の北越コーポレーション。基幹拠点である新潟工場では、多くの設備が40年、50年と稼働を続けているが、その維持管理を支える膨大な紙図面は経年劣化が進み、探し出すにも多大な手間と時間がかかるなど、多くの課題を抱えていた。そこで同社は、伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)が提供する紙文書電子化サービス「FromDoc」を導入。半期6,000枚のペースで古い紙図面の電子化を加速させており、設備保全業務のDXにつなげていく考えだ。

課題と効果

課題
  • 40年以上稼働を続けてきた古い設備は紙図面しかない
  • 古い紙図面は劣化が進行しており、探し出すのも困難
  • 地元事業者に委託して電子化を進めていたが対応能力や品質に限界
効果
  • 半期で約6,000枚の紙図面を電子化(従来の10倍のスピード)
  • 電子化された図面の品質は非常に高く、紙図面(原本)の廃棄を決断
  • 電子化プロセスを一貫したサポートにより担当者の負荷を軽減

導入事例インタビューデータ

会社名
北越コーポレーション株式会社
設立
1907年(明治40年)
本社所在地
東京都中央区日本橋本石町
従業員数
連結 3,711名(2025年3月31日)
売上高
305,718百万円(2025年3月期・連結)
事業内容
紙・パルプ製品の製造販売、紙器・液体容器などのパッケージング、木材事業、建設業、物流など
URL
https://www.hokuetsucorp.com/新しいウィンドウで開く
  • 大滝 勝久氏

    北越コーポレーション株式会社

    DX推進室

    大滝 勝久氏

  • 宇野 義幸氏

    北越コーポレーション株式会社

    DX推進室

    宇野 義幸氏

  • 高橋 一樹氏

    北越コーポレーション株式会社

    新潟工場
    施設部施設課
    設備係

    高橋 一樹氏

  • 光谷 淳美氏

    北越コーポレーション株式会社

    新潟工場
    施設部

    光谷 淳美氏

古い設備の紙図面が大量に存在し図面庫のスペースを圧迫

北越コーポレーションは、紙・パルプ製品の製造販売、紙器液体容器のパッケージング、木材事業などを手がける総合製紙会社。その基幹工場である新潟工場の生産量は、印刷情報用紙で日本一を誇る。

加えてGX(グリーントランスフォーメーション)への取り組みも推進。ベトナム、チリや南アフリカ から持続可能な方法で生産された植林木チップを輸入し、パルプ原料として利用すると共に、副産物をバイオマス燃料に加工し、工場内で必要とされる電気や蒸気の供給に活用している。

こうした未来を見据えた先進的な取り組みを加速させる一方で、足元では長年解消できずにいた課題が横たわっていた。それは、半世紀近くにわたり積み上げられてきた膨大な設備図面の管理に関するものだ。

同社 DX推進室の大滝 勝久氏は、「装置産業である紙・パルプ工場の設備は非常に寿命が長く、中には40~50年を超えて稼働し続けているものもあります。当然その間にも改造や更新を繰り返すため、長期間にわたり図面を保管しておく必要があるのです。ただ、40年を超える古い設備については図面データがなく、新潟工場全体では70万枚以上の図面が紙のままで保管されています」と語る。

同社 新潟工場 施設部施設課 設備係の高橋 一樹氏が、このように続ける。

「先人たちが残した図面は貴重な財産ですが、既に撤去された設備や機器に関する図面なども多く保管されており、図面庫のスペースを圧迫しています。また、図面は分類が不十分な状態で保管されていたため、目的の図面を探すのに大変な手間と時間がかかります。分類棚からA1サイズの平図面を一枚ずつめくったり、丸めて保管された図面を広げたりといった手間が必要です。結局、図面が見つからないこともあり、その場合は現地で対象設備を直接計測・測量し、あらためて図面を起こさなければなりません」

さらに深刻さを増していたのが、紙図面の経年劣化である。

同社 DX推進室の宇野 義幸氏は、「図面の多くはトレーシングペーパーが用いられていますが、青焼きしか残っていない図面もあり、著しい劣化が進行しています。加えて図面庫自体の環境も紙図面の保管場所として適しているとは言えず、台風などの災害時に風雨にさらされ、失われてしまうリスクも抱えています」と語る。

工場敷地内の図面庫で膨大な量の紙図面を管理している

工場敷地内の図面庫で膨大な量の紙図面を管理している

原本と遜色ないスキャン品質とCTCの柔軟な対応力を高く評価

図面という貴重な資産の保護に向け同社では、紙図面を電子化して保管することで原図喪失リスクを低減すると共に、必要な時に、必要な図面(最新版)を簡単に取り出せるようにして、現場の利便性と対応力を高めることを目指した。もっとも、同社にとって紙図面の電子化は全く手つかずであったわけではない。地場の事業者に委託して電子化を進めていたのだが、対応にはどうしても限界があった。

同社 新潟工場 施設部の光谷 淳美氏は、「設備保全の現場から依頼を受けた順に電子化を手配していましたが、納品までに1~2週間のリードタイムがかかり、対応可能な能力も月あたり100枚程度でした。また、白黒スキャンで解像度が低いことから細かい文字が読みづらく、特にA1サイズより大きい大判図面はファイルが分割されてしまうなど、品質面でも問題がありました」と振り返る。

そんな中、2024年2月に訪れたDX関連の展示会でCTCから紹介されたのが「FromDoc」である。

「FromDocは単純な文書スキャンではなく、図面に特化した電子化サービスである点に惹かれました。電子化後の検索性を高めるOCRなどの機能や、電子化プロセス全体を一貫したサポートも充実しており、施設部をはじめ工場内の需要に確実に応えられると直感しました」(大滝氏)

そして同年10月に実施したトライアルを通じて、同社はFromDocの卓越した品質を実感するに至った。

「A1サイズの大判図面や経年劣化した図面にも、問題なく対応してくれました。非常に高い解像度や色再現度を確保しつつ、ファイル容量は最小限に抑えられていました。成果物は原本を目視したのと変わらないレベルで細部までクリアに再現されており、FromDocの優れたスキャン技術に驚きました」(高橋氏)

さらに同社が高く評価するのが、CTCのサポート力である。

「トライアルではクルクルに丸まった図面やシワくちゃの図面、劣化の激しい図面など、普通なら断られそうな無理難題をあえてお願いしたのですが、CTCは『やりましょう』と快く受け止め、どういったフローでスキャンを行うのか、手順までしっかり説明したうえで対応してくれました。そんなCTCのスタンスに高い信頼を感じました」(宇野氏)

従来比10倍のスピードで電子化 現場担当の業務負担軽減も可能に

確かな手応えを得て2025年4月にFromDocを正式導入した同社だが、その効果は明確に表れている。

「これまで委託していた事業者では月に100枚程度でしたが、初年度の上半期で6,000枚の図面を電子化し、現在さらに6,000枚の電子化を進めているところです」(高橋氏)

そしてFromDocの高品質は、同社に新たなアクションをもたらした。「成果物の図面の品質は十分に高く、紙図面の完全な代替が可能と判断されました。この結果を受けて、電子化を終えた紙図面については廃棄することを決定したのです」と高橋氏は強調する。今後スキャンが進むにつれて、図面庫の省スペース化が実現すると期待されている。

また、図面電子化のプロセスそのものが、体系的に動き始めたことも大きな成果だ。

「これまでは私が事業者との窓口となり、電子化する図面を1件ごと取り次がなければなりませんでしたが、現在はCTCが計画立てた図面電子化プロジェクトをリードしてくれています。現場にも直接足を運んで要望や問題点を把握していただいており、全面的にお任せできる安心感があります。おかげで業務負担の軽減にもつながりました」(光谷氏)

検索性向上に向けた挑戦を通して設備保全業務のDXの土台を築く

同社は電子化対象の紙図面を約3万枚と想定しており、引き続き作業を進めていく計画だ。さらに現在進めようとしているのが検索性の向上である。

「OCR処理されたテキストデータも活用し、関連する図面データをより容易に検索できるようになれば、設備保全業務の省力化はもとより、トラブル時の生産設備の停止時間を最小化する動きにもつながると考えています」(高橋氏)

既に同社はCTCから新たに提案された、クラウドストレージ「Box」とエンタープライズサーチ「Neuron ES」を組み合わせたソリューションのトライアルを開始している。

「正式採用の際には、図面の検索利便性は大きく向上し、データ利活用に弾みがつくと考えています」(大滝氏)

「一方では設備台帳・保全システムの刷新も検討しており、電子化された図面と合わせて設備台帳との紐づけによる利活用も図るなど、設備保全業務におけるDXの土台を築いていくことが、私たちの新たな目標です」(宇野氏)

さらにその先では他工場への横展開も見据えつつ、同社は図面データの高度活用を一歩ずつ確実に進めていこうとしている。

集合写真
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