事例

株式会社エヌ・ティ・ティ・ロジスコ 様

更新

倉庫内の見える化に取り組むNTTロジスコ
CTC支援による「Gravio」ソリューションの導入で信頼性の高いデータ取得を実現

  • Gravio

NTTグループ唯一の総合ロジスティクス企業である株式会社エヌ・ティ・ティ・ロジスコ(以下、NTTロジスコ)は、情報技術を活用し物流サービスの品質向上や効率化に取り組んでいる。その一環として倉庫内の温度や湿度の見える化を実施していたが、センサー故障で温度・湿度が取得できていないなどのトラブルをリアルタイムに把握できないという課題があった。そこで、伊藤忠テクノソリューションズ(以下、CTC)の支援を得て新たなIoTプラットフォームを導入。センサー故障が発生した際に直ちに通知が届くようになり、サービス品質が向上。拡張性の高いプラットフォームにより、新たな課題解決に取り組める環境が整った。

課題と効果

課題
  • 倉庫内の温湿度データ取得に関するトラブルを即時に把握できない
  • 温室度データの可視化だけでなく、倉庫の様々な課題解決にIoTを活用したい
効果
  • データ取得にトラブルが発生した際、すぐにアラートが上がるので、安心して信頼性の高いデータを取得できるようになった
  • 様々なIoTセンサーを活用できるプラットフォームにより、幅広い活用が期待できる

導入事例インタビューデータ

会社名
株式会社エヌ・ティ・ティ・ロジスコ
所在地
東京都大田区平和島一丁目1番2号
設立
1991年11月14日
URL
https://www.nttlogisco.com/新しいウィンドウで開く
  • 中橋 智寿 氏

    株式会社エヌ・ティ・ティ・ロジスコ

    サービス本部 サービス開発部 担当課長

    中橋 智寿氏

  • 岩佐 裕章 氏

    株式会社エヌ・ティ・ティ・ロジスコ

    サービス本部 サービス開発部

    岩佐 裕章氏

正確性が求められる倉庫内の温湿度管理

NTTロジスコは、企画から配送、倉庫の運営まで物流業務を一括で請け負う3PL(サード・パーティー・ロジスティクス)企業である。NTTの物流部門からスタートしたが、現在ではグループ外の売上が6割以上を占める。IT機器以外に、医療機器や化粧品、エンターテイメントグッズなどの物流に強みを持つほか、物流現場での気づきを活かした最適なサプライチェーン・マネジメントに向けたコンサルティングにも取り組んでいる。

NTTグループの物流DX(デジタルトランスフォーメーション)を主導する立場でもあり、グループの情報技術力を活用してロボティクスによる自動化、映像とAIを組み合わせた物流品質向上、AIによる需要予測に基づく発注補充業務の効率化・最適化など多彩なサービスを提供している。

NTTロジスコのサービス本部は、倉庫内の見える化に取り組んでおり、温度や湿度を自動取得してグラフ化する仕組みを導入していた。しかし、センサー故障などトラブルが発生した際に、それを直ちに検知できていないという課題があった。この対処として、定期的に現場の運用管理者が、正常にデータ取得がされているか確認を行っていた。

「一部の医療機器や化粧品、精密機器などは温度や湿度によって変質してしまうものがあるため、確実な温湿度の管理を行う必要があります。また、お客様との契約で、温湿度データを毎月の定例会で提供することを取り決めている場合もあります」(中橋氏)

既存システムの改修とCTCによる新たなシステム提案を比較検討

NTTロジスコは、当初、既存システムを改修して課題解決をする方針で検討していた。検討をしている中、NTTロジスコと取引があったCTCからIoTソリューション「Gravio」による、新たなシステムの提案を受けた。

「既存システムには温湿度データの異常検知の仕組みは組み込んでありましたが、温湿度センサー自体にトラブルが発生した際に自動で検知できるような仕組みはありませんでした。CTCに相談したところ、Gravioによる自動検知の仕組みを提案してくれました。提案は、具体的な内容であったことに課題解決の実現性を感じました」(岩佐氏)

導入にあたってNTTロジスコが要件としたのは以下の5つである。

  1. 温度・湿度測定結果の自動収集
  2. 社内ネットワークへの無線LAN接続
  3. 温度または湿度がしきい値を越えた場合のメール通知
  4. 温湿度計の死活監視
  5. データが取得できない場合のメール通知

この要件を満たす仕組みとして、既存システムの改修とCTCからの提案の2つの案を比較検討することとなった。

Gravioの拡張性とCTCの提案力を評価

NTTロジスコは、2つの案を検討した結果、CTCからの提案を選択した。その理由を中橋氏は次のように語る。「まず、システム実装に必要な構成要素をすべてサブスクリプションで提供することにコストメリットを感じました。加えて、Gravioは多様なIoTセンサーがラインナップされており、今後倉庫内の安全管理など他の用途でも活用できそうだという期待がありました。また、CTCは我々の要望をよく聞き、我々が想定する以外の活用方法なども提案することを評価しました」

CTCでは、Gravioを用いたソリューション開発を行っており、これまでに自社オフィスでの混雑状況の可視化や顧客とのPoCなどを実施してきた。実環境での検証、構築、運用経験があるからこそ、知見も深まりお客様のニーズに合わせた提案が可能であった。

NTTロジスコの既存システムは既存のシステムを土台とせずゼロから開発したシステムだが、Gravioは標準化されたサブスクリプションという点も評価のポイントであった。今後、新たなセンサーを追加するにしても、Gravioはサブスクリプション内で必要なものを選べるが、既存システムを活用し続けた場合、追加する度に新規購入や開発が必要となる。拡張性において大きな差があった。

「今後、Gravioを他拠点に展開する場合、サブスクリプション内で提供されるIoTセンサー数を超過した時、追加分のみを対象にコストが加算されます。機能の作り込みは開発の必要がなく、Gravioの設定ツールによりユーザー側でできるので、展開を考えるとコストメリットがあると考えました。また、設定をする際、CTCが用意してくれた資料がわかりやすく、常に参考にしていました」(岩佐氏)

お客様に提出するデータの信頼性が向上

既存システムを利用しながら、2021年12月よりGravioを使ったシステムのPoCを行うための環境構築に着手。2022年1月からPoCを実施し、2月にはPoCレポートをまとめた。この3ヵ月の検討期間を経て正式に採用が決定し、4月から導入。現在、並行稼働しつつ、2022年上期中の完全移行を目指している。今回導入したのは、平和島の物流センターだ。環境構築やPoC実施に関しては、CTCのサポートが役立った。

「上手くいかない場合、センサーの取り付け場所や付け方が悪いのか、動作不良なのかといった切り分けが、我々だけでは難しい。現場を見ないとわからないことも多く、そのような場合、CTCが真摯に対応してくれたので、非常に助かりました」(岩佐氏)

Gravioの導入により、温湿度データ取得に関するトラブルが現場の運用管理者に通知されるようになり、当初の課題解決も達成した。「お客様に提出する温湿度データの信頼性が高まりました。運用部隊にも安心感があり、これまでのように定期的に確認する必要もなくなりました」(中橋氏)

拡張性の高いプラットフォームを活用し、様々なチャレンジを続ける

今回の成功を受けて、他拠点にも同様の仕組みの導入を検討している。Gravioには多様なセンサーが用意されているので、それらを活用して新たな取り組みにもチャレンジする予定だ。

具体的には、倉庫内の機器の不具合検知への取り組みが挙げられる。倉庫内の機器がエラーを起こすとブザー音が鳴るが、現状は人がブザー音を聞き対処をする必要がある。そこで、そのブザー音をIoTセンサーが検知し管理者にメールを送る、Gravioによる自動化の仕組みを検討している。

NTTロジスコの物流センターは全国に20拠点あり、今後必要に応じて展開していく予定だ。「月に1回開催しているオペレーション連絡会の場で、今回の取り組みを紹介しようと準備しています。このやり取りの中で、各倉庫の困りごとを聞き、提案をしていきたいですね」(中橋氏)

  • このページについてツイッターでツイート(新しいウィンドウで開く)
  • このページをフェイスブックでシェア(新しいウィンドウで開く)

この事例に関するお問い合わせはこちら

※記載内容は掲載当時のものであり、変更されている場合がございます。