コラム

IT運用の課題に対するマネージドサービスからのアプローチ

更新
現場で抱える課題への有効なアプローチ

IT運用の課題に対するアプローチについて、NTTコミュニケーションズ様と対談しました。

ITシステムの運用の現場からは様々な課題が聞こえてくると思います。CTCテクノロジーでは今年の3月に運用課題とそれに対するアプローチについて記事を寄稿しました。
その記事で課題としては大きく二つあげており、「IT人材の不足」と「インフラの多様化」です。
本日はNTTコミュニケーションズ様と、お客様のお声を共有しながら、打ち手となりえるアプローチについて、意見交換してまいります。

深刻なIT人材の不足

(CTCT)
まず人材不足の点ですが、記事でご紹介した経産省のシミュレートでも深刻化は予想されています。
この課題について貴社はどうアプローチされていますか?

(NTTCom)
弊社においてもIT人材不足は大きな経営課題になっていると認識しています。
IT人材不足の要因は大きく3つ(下記)あり、これらの要因が組み合わさることで、昨今IT分野での人材不足が深刻化してきていると考えております。

  1. 日本全体の労働力不足(少子高齢化)
    ⇒若年層の減少により、新しいIT人材の供給が不足。
  2. デジタル化の急速な進展
    ⇒あらゆる産業でIT技術への需要が急増。
  3. 技術革新への対応の遅れ
    ⇒新しい技術やプラットフォームへの適応が追いつかず、専門スキルを持つ人材が不足

1. や2. は社会構造そのものの課題で、日本全体として考えるべき課題と考えており、私たちは主に3. の課題を解決すべく、マネージドサービスの開発と提供をしております。

(CTCT)
マネージドサービスが3. の課題解決になるところを少し詳しくお聞かせ願えますか?
お客様は様々なパブリッククラウドやSaaSをご利用しており、システムが多様化・複雑化しています。
ご利用している各サービス個別サポートでは、お客様IT部門が抱えている”複合的な問題に対して素早いトラブル対応体制の確立”という課題の解決には至らず、運用サービス提供者は、システムを包括的に運用し、各サービスに対しての専門性が求められていると考えております。
弊社もハイブリッドインフラやSaaSに対しての運用支援サービスを提供しておりますが、貴社のマネージドサービスはどういった特徴をお持ちでしょうか?

(NTTCom)
私達が提供するマネージドサービス(X Managed)は以下の特徴があります。

  • 常に進化するSaaSサービスをコンポーザブルに提供
  • 弊社創設以来20年以上培った実績に基づく運用の高度化、自動化、AI Ops
  • SREチームによる徹底した内製化

X Managedは常に進化し、世の中の技術革新、働き方の変革とともに変貌していきます。

(CTCT)
包括的かつ専門性の高さがうかがえますし、徹底した内製化が様々な変化に俊敏に対応できそうです。またSREチームの設置でDevopsの実装までもっていかれていますね。
弊社が提供しているマネージドサービス(SMS)でも、サポート範囲とお客様に評価いただける専門性を両立すべきと考えております。
ただ、これらのマネージドサービスは提供者側の都合で作られるルールや作法では、ユーザー企業にご満足いただけないケースもありえると思っております。
その点についてはいかがでしょうか?

(NTTCom)
お客様は、標準化や自動化はもちろん、社内で大切にしている文化含めてマネージドサービスに求めていると感じています。
そういった意味で、標準化、自動化部分は弊社で使い込んでノウハウがたまっているツールを使うこと、さらに最も大事なのはお客様とのコミュニケーション、そのために分析などはAIでサポートするような仕組みを進めていく必要があると考えております。

(CTCT)
お客様に寄り添い伴走しながらお客様の目標を達成していくマネージドサービスであることは、弊社のマネージドサービス(SMS)も同様に考えております。
サービスの提供者が自らの分析で得た情報に第三者目線の解釈を加え、お客様とコミュニケーションをとっていくことが、本当の「寄り添う」ということかもしれませんね。

インフラの多様化

(CTCT)
包括性や専門性以外に、ユーザー企業様の文化を理解しながらサポートするためのコミュニケーションも重要というお考えを伺いました。
ユーザー企業様ごとに、利用するITシステムや運用体制の将来像は様々であり、結果としてアウトソースする運用業務の内容も多種多様となるため、運用サービス提供者も柔軟性や拡張性が必要になってきそうです。
インフラの多様化も今後さらに進むと予想されており、それが効率化や体制の最適化の障壁になりえると思いますが、この点について貴社はどのようにお考えでしょうか?

(NTTCom)
弊社では、効率化と体制の最適化を進める中で、インフラの多様化を “障壁” と捉えるのではなく各インフラをAPIで統合し、柔軟性と拡張性を持たせることで、長期的なビジネスの成長と競争力の向上を目指しています。
以下3つに注力しています。

  • プロセスの最適化
    弊社の400社を超える顧客のマネージド案件実績を元に業界ごと、業務ごとのプロセス最適化(Fit toStandard)を目指し、自動化と標準化に重点を置いたプロセスを導入しています。
  • 人材の育成
    社員60名を超えるSREチームを発足し、自動化のタスクを19項目に分類し、自動化率のKPIを設けております。自らの業務を自動化していくことで自らが楽になり、それを展開していくことで全体も効率が良くなるような仕組みです。また、社員の技術力向上にも大きく寄与しています。
  • パートナーシップの強化
    外部のSaaS企業の協力を通じて、最新の技術やアイデアを取り入れ、インフラの多様化を支えています。

(CTCT)
長期的な視点ではむしろ成長の糧になるとお考えですね。
たしかにサービスの提供者としてはこういった状況に対応するためには様々な取り組みが必要となり、結果として、それが自社の効率化や体制の最適化を生むことになると理解いたしました。

パートナーシップの強化

(CTCT)
先ほど自社でのお取り組みをご紹介いただきました。
とはいえ、全てを自社で賄うにも厳しいところがあるのではないでしょうか?
スピード感や規模のメリットを生かしたコスト競争力も当然ながら市場からも求められると考えております。

(NTTCom)
弊社のマネージドサービスは、一部の標準化された業務を切り出しや、特定の自動化されたタスクをご利用いただくことも可能です。
実際に、CTC様の顧客(エンドユーザー様)へのソリューションビジネスとして、弊社のグローバルデリバリ(回線+SDx機器)部分をご活用いただくスキームで、複数ご提案中です。

(CTCT)
この対談のタイミングでも協業の事例を伺い大変ありがたいと感じております。
また御社と弊社(CTCテクノロジー)は以前からの保守やマネージドサービスでのお取引も多く、コールフローの連携検討や、最近では教育サービスのお引き合いもいただいております。

(NTTCom)
協業の事例にあたって弊社の営業側からも注目があるので感謝しております。
CTCテクノロジーとは長らく保守や弊社のマネージドを取引いただいているのでさらなる連携も検討進めていきたいと思っております。
特にコールフローの連携では以下のスライドのようなことも考えられると思います。

(CTCT)
貴社と弊社がこういう連携をするのはエンドユーザー様にも様々なメリットを提供できそうですね。
それぞれの強みを活かして、今後もお客様ビジネスに貢献していきたいと思います。
今後ともよろしくお願いします。
本日は貴重な機会をいただき誠にありがとうございました。

弊社大阪オフィスにて

NTTコミュニケーションズ株式会社
プラットフォームサービス本部 マネージド&セキュリティサービス部 マネージドサービス部門
白澤 正人氏

ビジネスソリューション本部 ソリューションサービス部 デジタルソリューション部門
森田 孝之氏

CTCテクノロジー株式会社
営業企画推進 ソリューションサービス営業本部 ソリューションサービス営業第3部
入江 大介
林 美羽音(記)
鍋島 尚哉(記)

右:NTTコミュニケーションズ株式会社 ビジネスソリューション本部 ソリューションサービス部 デジタルソリューション部門 森田 孝之氏   中央:NTTコミュニケーションズ株式会社 プラットフォームサービス本部 マネージド&セキュリティサービス部 マネージドサービス部門 白澤 正人氏   左:CTCテクノロジー株式会社 営業企画推進 ソリューションサービス営業本部 ソリューションサービス営業第3部 入江 大介

右:NTTコミュニケーションズ株式会社 ビジネスソリューション本部 ソリューションサービス部 デジタルソリューション部門 森田 孝之氏

中央:NTTコミュニケーションズ株式会社 プラットフォームサービス本部 マネージド&セキュリティサービス部 マネージドサービス部門 白澤 正人氏

左:CTCテクノロジー株式会社 営業企画推進 ソリューションサービス営業本部 ソリューションサービス営業第3部 入江 大介

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