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【初心者向け/2025最新】
AWS資格取得のロードマップと効果的な勉強方法

はじめに

こんにちは。CTCのクォンです。 AWS (Amazon Web Services)はクラウドコンピューティング分野で世界的に使われており、AWSの資格取得はIT業界でのキャリアアップやスキルの向上に役立ちます。また、エンジニア自身の市場価値を高める上でも非常に有効な手段です。

本記事では、初心者向けのAWS資格取得のロードマップと効果的な勉強方法に加え、各資格の難易度や費用、独学でのアプローチ、そして資格がもたらす具体的なメリット、さらには資格の更新方法まで、AWS資格取得を検討している方が知りたい情報を網羅的に紹介します。

AWS資格の種類

AWSはさまざまなレベルとスペシャリティに特化した資格を提供しています。初心者向けから上級者向けまで、自分のキャリア目標や興味に合わせて選択できます。

現時点(2025年8月)での資格は、以下のようにFoundational(基礎)、Associate、Professional、Specialty(専門知識)の4つのカテゴリに分けられています。

Foundational(基礎)

  • AWS Certified Cloud Practitioner(略称:CLF-C02)
    AWSの基本的な概念や主要サービス、クラウドの価値提案、セキュリティ、料金体系に関する理解を評価する資格です。クラウドに初めて触れる方や、非技術職の方におすすめの最初のステップです。
  • AWS Certified AI Practitioner(略称:AIF-C01)
    AWSのAI/MLサービスに関する基本的な知識を評価する、新設された資格です。クラウドの知識と合わせてAI技術の基礎を学びたい方におすすめです。

Associate(アソシエイト)

  • AWS Certified Solutions Architect – Associate(略称:SAA-C03)
    AWSの主要サービスについて深く理解し、ベストプラクティスに基づいてスケーラブルで可用性が高く、費用対効果に優れたアーキテクチャをAWS上で設計できる能力が求められる、非常に人気の高い資格です。
  • AWS Certified Developer - Associate(略称:DVA-C02)
    AWSでのクラウドベースアプリケーションの開発、デプロイ、デバッグに関するスキルを評価する資格です。AWS SDKの使用、CI/CDパイプライン、サーバーレスアプリケーションなどが含まれます。
  • AWS Certified SysOps Administrator - Associate(略称:SOA-C02)
    AWSでのシステム管理、運用、デプロイ、セキュリティ、モニタリングに関するスキルを評価する資格です。AWS環境の運用管理やトラブルシューティングに重点を置いています。
  • AWS Certified Data Engineer - Associate(略称:DEA-C01)
    コアデータ関連のAWSサービス(データ収集、変換、管理、分析など)に関するスキルと知識が求められる資格です。データパイプラインの構築とデータ処理の最適化に焦点を当てています。
  • AWS Certified Machine Learning Engineer - Associate(略称:MLA-C01)
    AWSの機械学習エンジニアリングスキルを評価する資格です。MLシステムの構築・管理・運用に関する知識が問われます。

Professional(プロフェッショナル)

  • AWS Certified Solutions Architect - Professional(略称:SAP-C02)
    Associateレベルと比較して、より複雑な組織の要件を満たすための高度なアーキテクチャ設計スキルを評価する資格です。多様なAWSサービスを横断的に理解し、複数アカウント戦略やハイブリッドクラウド環境の設計能力が問われます。
  • AWS Certified DevOps Engineer - Professional(略称:DOP-C02)
    AWSにおけるDevOpsプラクティス(CI/CD、監視とロギング、高可用性、スケーラビリティ、自動化)に関する知識とスキルを評価する資格です。開発と運用を統合する能力が求められます。

Specialty(専門知識)

  • AWS Certified Advanced Networking – Specialty(略称:ANS-C01)
    AWSのネットワーキングに関する高度なスキルを証明する資格です。VPC設計、ルーティング、VPN、Direct Connect、セキュリティなどの複雑なネットワーク構築と管理に特化しています。
  • AWS Certified Machine Learning – Specialty(略称:MLS-C01)
    AWSの機械学習に関するスキルを証明する資格です。データの前処理、モデルの構築とトレーニング、デプロイ、そして機械学習アプリケーションの実装に関する知識が含まれます。
  • AWS Certified Security – Specialty(略称:SCS-C02)
    AWSのセキュリティに関する高度なスキルを証明する資格です。セキュリティとコンプライアンス、データ保護、インシデント対応、ネットワークセキュリティ、アイデンティティ管理などの内容が含まれます。

各AWS資格の難易度と試験対策のポイント

AWS資格の取得を目指す上で、多くの方が気になるのが「難易度」と「必要な勉強時間」ではないでしょうか。ここでは、各カテゴリの資格が求める知識レベルと、効率的な試験対策のポイントを解説します。

Foundational(基礎): AWS Certified Cloud Practitioner

  • 難易度:
    AWS資格の中で最も基本的な位置づけであり、比較的容易とされています。IT業界の経験が少ない方や、クラウドの概念に初めて触れる方にとって最適な入門資格です。
  • 勉強時間の目安:
    一般的に20〜40時間程度。AWSの基本的なサービスやクラウドの概念、料金体系、セキュリティの基礎を理解するのに焦点を当てます。
  • 試験対策のポイント:
    公式ドキュメントの読み込みと、AWS Skill Builderの「AWS Cloud Practitioner Essentials」コースの受講が効果的です。模擬試験で知識の定着度を確認しましょう。

Foundational(基礎): AWS Certified AI Practitioner

  • 難易度:
    Cloud Practitionerと同様、AI/ML分野の基礎的な知識を問うため、Foundationalレベルとして比較的挑戦しやすい難易度です。
  • 勉強時間の目安:
    一般的に20〜40時間程度。
  • 試験対策のポイント:
    AI/MLの基本的な概念、主要なAWS AIサービス(SageMaker, Rekognition, Pollyなど)の機能とユースケースを理解することが重要です。

Associate(アソシエイト)

  • 難易度:
    Cloud Practitionerに比べ、より実践的な知識と設計能力が求められます。IT経験者にとっては挑戦しやすいレベルですが、AWSの主要サービスに関する深い理解が必要です。
  • 勉強時間の目安:
    各資格につき60〜100時間程度。
  • 試験対策のポイント:
    • Solutions Architect – Associate (SAA-C03):
      AWSのベストプラクティスに基づいたアーキテクチャ設計能力が問われます。複数のサービスを組み合わせて解決策を構築するシナリオ問題が多いです。ハンズオンでの実践を通じて理解を深めることが重要です。
    • Developer - Associate (DVA-C02):
      AWS上でのアプリケーション開発、デプロイ、デバッグに関する知識が中心です。Lambda, DynamoDB, API Gatewayなど、開発者向けサービスを重点的に学習しましょう。
    • SysOps Administrator - Associate (SOA-C02):
      AWS環境の運用、監視、デプロイ、トラブルシューティングに関する知識が問われます。CloudWatch, CloudFormation, EC2の運用など、実務的なスキルが求められます。
    • Data Engineer - Associate (DEA-C01):
      データ関連のAWSサービス(S3, Glue, Athena, Redshift, Kinesisなど)に関する知識と、データパイプラインの構築・運用スキルが評価されます。
    • AWS Certified Machine Learning Engineer - Associate (MLA-C01):
      MLモデルの構築だけでなく、本番環境でのデプロイ、監視、運用、スケーラビリティ、セキュリティに関する実践的な知識が必要です。AWS SageMakerの深い理解が必須となります。

Professional(プロフェッショナル)

  • 難易度:
    高度なスキルと豊富な実務経験を要求される上級者向けの資格です。複雑なシナリオ問題が多く、複数のAWSサービスを横断的に理解し、ビジネス要件に合わせて最適なソリューションを設計・実装する能力が求められます。
  • 勉強時間の目安:
    150〜200時間以上
  • 試験対策のポイント:
    実務経験が最も重要ですが、公式の高度なトレーニングコースや、複雑なハンズオン課題に挑戦することが不可欠です。時間管理も重要な要素となります。

Specialty(専門知識)

  • 難易度:
    特定の専門分野における深い知識と経験が求められるため、Professionalと同等か、それ以上の難易度を持つ場合もあります。
  • 勉強時間の目安:
    80〜150時間程度(分野による)。
  • 試験対策のポイント:
    特定の分野に特化したサービスや技術に関する詳細な知識が必要です。公式ドキュメントや専門書籍、当該分野に特化したハンズオンを通じて、深い専門性を身につけましょう。

「何から取得すればいい?」と迷ったら

1〜3年程度のIT業界での経験がある方はAssociateレベルから挑戦するのもよいですが、まずは「Cloud Practitioner」から始めましょう。クラウドに関する基礎知識や用語から体系的に学べるため、着実にステップアップできます。

AWS資格の取得の流れをまとめると、以下のようになります。

  1. 1.目標設定: どの資格を目指すかを決める
  2. 2.学習計画: ロードマップと勉強方法を確立する
  3. 3.学習実践: AWS Skill Builderなどを活用し、知識をインプット・アウトプットする
  4. 4.模擬試験: 知識の定着度を確認し、試験形式に慣れる
  5. 5.試験予約・受験: aws.trainingから試験を登録する
  6. 6.資格維持: 合格後も継続的に学習し、資格を更新する

ロードマップと勉強方法

さて、スタートはCloud PractitionerやSolution Architect Associateから始めようと決めても、「何を見て」「どれぐらい」勉強すればいいのか迷うことがあるでしょう。AWSでは、資格取得だけでなく、AWSサービスをより効果的に理解・勉強できるようにさまざまな支援を提供しています。その中でも特におすすめする勉強方法は、「AWS Skill Builder」を活用することです。

AWS Skill Builderは、基本的に600個以上のオンデマンドコースなど無料コンテンツを提供していますが、有償版でしか体験できないコンテンツも多々ございます。下のロードマップは、有償版のコンテンツを含めたおすすめのロードマップです。Cloud PractitionerとSolution Architectの勉強計画の参考にしてください。

AWS Skill Builderの活用法

  • 無料コンテンツ:
    「AWS Cloud Practitioner Essentials」「Solutions Architect Associate のための基礎知識」など、各資格の入門コースや基本的な知識を学べるオンデマンドコースが豊富に用意されています。まずはこちらから始めましょう。
  • 有償サブスクリプション(AWS Skill Builder Individual):
    年間プランで利用でき、より高度なコース、実践的なラボ演習(Builder Labs)、ゲーム形式で楽しみながら学べるCloud Questなどが利用できます。座学で得た知識を実際に手を動かして確認できるため、深い理解に繋がります。特にAssociate以上の資格を目指す場合は、実践的なスキルが問われるため、活用を強くおすすめします。

【Cloud Practitioner 向けおすすめ受講ロードマップ】

上記は私の経験に基づいたCloud Practitionerの受講ロードマップです。すべてSkill Builderにて受講できる講座です。Cloud Practitionerは基礎知識のインプットがとても重要なので、時間がなくてもStep1のAWS Cloud Practitioner Essentialsの勉強にはきちんと時間を注いでください。

【Solution Architect – Associate 向けおすすめ受講ロードマップ】

ロードマップを参考にぜひ勉強してみてください。勉強をしながら理解できない部分を把握し、AWS Skill Builder内のBuilder Labsで手を動かしてみたり、息を抜いてCloud Questでクラウド問題を解決してみましょう。

独学でAWS資格を目指すための学習リソース

AWS資格は独学での取得も十分に可能です。公式リソースに加え、さまざまな学習ツールを組み合わせることで、効率的に合格を目指せます。

AWS公式ドキュメントとホワイトペーパー

  • 各AWSサービスの詳細な情報が記載されており、技術的な深い理解を得るには欠かせません。試験で問われる概念やベストプラクティスも、公式ドキュメントに準拠しているため、参照する習慣をつけましょう。
  • 特に「Well-Architected Framework」などのホワイトペーパーは、設計思想やベストプラクティスの理解に役立ち、Solution Architect系の試験で特に重要です。

サードパーティ製オンライン学習プラットフォーム

  • Udemy、Coursera、Pluralsight、TechStockなど、多くのプラットフォームでAWS資格対策コースが提供されています。動画講義形式で体系的に学べるため、初心者にもおすすめです。受講者の評価やコース内容をよく確認して選びましょう。

問題集・模擬試験

  • 知識の定着度を確認し、試験形式に慣れるために模擬試験の活用は必須です。AWS Skill Builderにも公式の模擬試験がありますが、Udemyなどで提供されている非公式の問題集も、多くの問題パターンに触れる上で有効です。本番同様の時間配分で複数回実施し、苦手分野を特定して復習することが重要です。

書籍

  • 入門書から専門書まで、多くのAWS関連書籍が出版されています。体系的に基礎を学ぶのに役立ちます。

ハンズオン

  • 実際にAWSサービスを操作してみることで、座学だけでは得られない実践的な知識が身につきます。AWSアカウントを無料で作成できる「AWS 無料利用枠」を活用し、簡単なサービス構築から始めてみましょう。

AWS資格取得にかかる費用と割引情報

AWS資格の受験には費用がかかります。計画的に学習を進めるためにも、事前に把握しておくことが重要です。

受験料(税抜)

  • Foundational(Cloud Practitioner): 100 USD
  • Associate: 150 USD
  • Professional: 300 USD
  • Specialty: 300 USD

※為替レートによって日本円での価格は変動します。

再受験ポリシー

  • 不合格の場合、受験日から14日経過後に再受験が可能です。

割引情報

  • AWS試験に合格すると、次回の試験で利用できる50%割引のクーポンが提供されます。これは、上位資格や別の専門分野の資格に挑戦する際に非常に役立ちます。
  • また、AWSイベントへの参加やキャンペーンなどで、割引バウチャーが配布されることもあります。CTCのウェビナーやイベントでも、割引情報を提供することがございますので、ぜひチェックしてみてください。

AWS資格がキャリアにもたらすメリット

AWS資格は単なる知識の証明だけでなく、エンジニアのキャリアに具体的なメリットをもたらします。

市場価値の向上

  • クラウド技術はIT業界で最も需要が高く、AWS資格はクラウドスキルを持つ人材として高く評価されます。特にAWS認定資格は、企業の採用担当者にとって、即戦力となるエンジニアを見極める重要な指標となります。

年収アップの可能性

  • 資格手当を支給する企業もあり、また、AWSスキルは高単価案件に繋がりやすいため、平均年収の上昇に寄与する可能性があります。

キャリアパスの明確化と専門性の深化

  • 資格取得のロードマップを辿ることで、自身の専門分野を明確にし、キャリアの方向性を定める手助けとなります。例えば、Solution Architectのパスを進むことで、クラウドの設計・構築の専門家としての道が開けます。

社内での評価向上とプロジェクトへの貢献

  • AWS資格を持つことで、社内でのクラウド関連プロジェクトへのアサイン機会が増え、チームや組織への貢献度が高まります。技術的な信頼を得ることで、より重要な役割を任される可能性も高まります。

最新技術のキャッチアップ

  • 資格学習の過程で、AWSの最新サービスやトレンドに触れる機会が多く、常に新しい技術を学ぶ習慣が身につきます。これは、変化の速いIT業界で活躍し続ける上で非常に重要です。

AWS資格の維持・更新方法

AWS認定資格には有効期限があり、通常は合格日から3年間です。取得した資格を維持し、常に最新の知識を持つことを証明するためには、定期的な更新が必要です。

更新の要件

  • 有効期限が切れる前に、対象の資格、または上位の資格を再受験し、合格する必要があります。例えば、Solution Architect – Associateを更新するには、SAA-C03を再受験するか、Solution Architect – Professionalに合格する必要があります。

※一部の認定では、継続的な学習活動(AWS Skill Builderのコース受講など)で更新できる場合もありますが、基本的には再受験が主流です。常に最新の更新要件をAWS公式ウェブサイトで確認してください。

最新サービスのキャッチアップ

  • AWSは常に新しいサービスや機能がリリースされ、既存サービスもアップデートされます。資格更新の勉強を通じて、これらの最新情報を効率的にキャッチアップできます。これにより、あなたのスキルセットは常に最新の状態に保たれ、実務でもより高度なソリューションを提供できるようになります。

更新のメリット

  • 資格を更新することで、あなたのAWSスキルが最新であり、継続的に学習しているという強いメッセージを企業や顧客に伝えることができます。これは、信頼性の向上とキャリアの安定に繋がります。

AWS資格試験の登録方法と受験のTip

まず、AWS試験を登録するためには、aws.trainingにアクセスしましょう。

AWSアカウントにログインし、「アカウントに移動」ボタンを押すと、試験のスケジュールができる画面に移ります。移された画面にて「試験を予約」ボタンを押して、自分のレベルに合う試験を登録しましょう。

ここで、日本語で試験を受ける方向けにTipをお知らせします。「試験を予約」の下に「試験対応」ボタンを押すと、英語が母国語でない方向けに試験時間を30分延長できます。PractitionerやAssociateレベルでは時間不足をあまり実感してない方もいらっしゃると思いますが、後程ProfessionalやSpecialtyに挑戦する際は、ぜひこちらの特典を利用してみてください。

おわりに

AWSの資格取得は、IT業界でのキャリアアップやスキルの向上に役立つ重要な一歩です。エンジニアの市場価値を高める上でも非常に有効な手段であり、初心者から上級者まで幅広いレベルの資格が用意されています。

本記事で紹介した適切なロードマップと効果的な勉強方法、そして各資格の詳細な情報やキャリアへのメリットを活用して、AWSの資格取得に向けて着実に進んでいきましょう。

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【著者プロフィール】

クォン ジョンミン

伊藤忠テクノソリューションズ株式会社 クラウドエンジニア

2023年に新卒で入社し、AWSを担当。
主にAWS関連業務と従量関連業務を担っています。

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