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AWS新資格 AI Practitionerを試験開始日に受験してみた所感

はじめに

こんにちは。CTCの酢谷です。
今回は、AWSの新資格 AWS Certified AI Practitionerについて、試験概要と、試験開始まもなく受験してきた所感についてまとめました。

AWS Certified AI Practitionerの位置づけ

AWS認定資格は2024年8月13日にリニューアルされ、現在は合計12種類の資格が提供されています。

今回のリニューアルにおいて2つの資格がβ版として新たに追加されました。

  1. 1. AWS Certified AI Practitioner (本記事で解説)
  2. 2. AWS Certified Machine Learning Engineer -Associate

AWS Certified AI Practitioner (以下AIF)は、Foundationalのカテゴリーに分類され、人工知能(AI)、機械学習(ML)、生成AIの概念とユースケースに関する知識を実証する認定資格です。一方、AWS Certified Machine Learning Engineer -Associateは、AIFの上位資格として位置づけられています。

試験概要

本試験は、試験時間120分、問題数は85問です。
試験範囲には次のトピックが含まれています。

  • AI、ML、生成 AI の基本概念と用語、ユースケース
  • 基盤モデルに関する設計上の考慮事項
  • モデルトレーニングと微調整
  • プロンプトエンジニアリング
  • 基盤モデルの評価基準
  • 責任ある AI
  • AI システムのセキュリティとコンプライアンス

実際に行った学習方法

資格受験のための学習は約1か月前から開始しました。今回学習に利用したのはAWS Skill Builderの以下3つのリソースです。

  1. (1) Exam Prep Standard Plan: AWS Certified AI Practitioner (AIF-C01) (無料)
  2. (2) Exam Prep Official Practice Question Set: AWS Certified AI Practitioner (AIF-C01 – English)(無料)
  3. (3) Exam Prep Official Pretest: AWS Certified AI Practitioner(AIF-C01)(要サブスクリプション)

(1)では、一通りの試験範囲を公式ドキュメントで学習することができます。今回はこの教材をメインに学習を進めました。準備は試験の約1か月前から開始しました。

(2)(3)では、本番の試験と同じ形式の模擬試験を受けることができます((2)は20問、(3)は65問) 。今回は試験1週間前に自分の理解度のチェックに活用しました。1回目の受験の時点で得点率が6-7割程度だったため、満点をとれるまで受験しました。解説付きのため、効率よく学習を進めることができます。
注意点として、(2)(3)の問題形式のシリーズは、2024年8月時点で言語対応が英語のみであるため、英語のまま読み進めるか、別途翻訳ツール等を使用して学習する必要があります。

最後に、これら3つのインプットと並行して、ドキュメントで出てきたサービスを実際にAWS環境で確認しました。どうしても文章の説明だけではサービスのイメージがつきにくいものもあります。AWSコンソールに触れることでUIイメージができるため、サービスの全体像がイメージしやすくなりました。

受験してみて、所感

難易度

AI/ML特有の用語が多く内容も特化しているため、十分に準備してから受験する必要があると感じました。同じカテゴリーに分類されるAWS Certified Cloud Practitionerと比較すると、試験範囲が限定的である分、深い知識が求められます。また試験範囲には、AI/ML分野に共通するような、AWSに限定されない一般的な内容も含まれます。そのため、AWSのAI/MLテクノロジーの経験がない場合でも、試験合格は十分狙うことができる資格であると感じました。ただし、各種サービスの理解等、試験準備は入念に行う必要があります。

試験のポイント

試験対象となっているAI/ML関連のAWSサービスの中でも、軸となるのは以下の3つのサービスです。

  • Amazon SageMaker
  • Amazon Bedrock
  • Amazon Q

Amazon SageMaker

Amazon SageMakerはAI/MLの中核となるサービスです。開発者が、機械学習モデルを迅速に構築、トレーニング、デプロイできるような機能が展開されています。具体例を挙げると、SageMaker Clarify (基盤モデルの評価、モデル予測)、SageMaker Model Monitor (品質を監視)など、ML環境の構築をサポートする多様なリソースが存在します。これらのサービス内容を体系的に整理し、各サービスのユースケースを理解しておく必要があります。

Amazon Bedrock

生成AIサービスであるAmazon Bedrockを使用すると、簡単に高性能な基盤モデルをデプロイできます。ユースケースに合わせてモデルを調整するFine-Tuning、モデルの性能向上を目的としたRAGや、プロンプトエンジニアリング手法について理解しておくことが重要です。またAIのコンプライアンスやセキュリティ周りを整備する機能も実装されており、押さえておく必要があります。

Amazon Q

Amazon Qは、AIアシスタントとして企業内での生産性向上や業務効率化を目指すことができるサービスです。大別するとAmazon Q BusinessとAmazon Q Developerに分類され、対象とする業務によって、ユースケースが異なります。これら2種類のサービスの違いを理解し、説明できるようになっておく必要があります。

TIPS

学習の際の注意点として、ドキュメントや利用する翻訳ツールによって、用語の表現が異なる場合があります。(幻覚とハルシネーション、微調整とFine-Tuning など)
このような表現に揺れのある単語にも対応できるように、原文の英語でドキュメントを読んでみることをお勧めします。
試験中は、申し込み時に日本語を選択した場合でも、英語の原文を読むことができます。

結果

試験結果は、720/1000で合格でした。数問、初見の用語が含まれており解けなかった問題があったものの、なんとか合格することができました。

自分の学習プロセスと結果を合わせて振り返ると、今回の学習方法は試験準備に関して、非常に有効的でした。AWS Skill Builderは公式ドキュメントであるため、試験対策をする場合は、まず間違いないかと思います。1つ反省点としては、試験時間は限られているので、時間管理をした上で問題数をこなす練習をしておけばよかったと感じました。

リファレンス

AWSの公式HPにて、本資格の詳細が記載されています。

https://aws.amazon.com/jp/certification/certified-ai-practitioner/

おわりに

いかがでしたでしょうか。
本記事ではAWSの新資格、AWS Certified AI Practitionerの試験概要、実際に受験した所感について紹介しました。私自身、本資格の学習を通じてAI/ML分野の基礎理解に繋がったので、受験してよかったと感じました。
また、AI/ML初学者の方はもちろん、AI/MLを既に熟知している方も、基礎知識の補完や再確認の位置づけとして、受験する価値のある資格だと思います。

今回のリニューアルで同時にリリースされた、上位資格であるAWS Certified Machine Learning Engineer – Associateも受験次第、記事にまとめる予定です。
AWS Certified AI Practitionerの取得を目指す方にとって、本記事が有益な情報になれば幸いです。

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【著者プロフィール】

酢谷 晃太(すだに こうた)

伊藤忠テクノソリューションズ株式会社 クラウドアーキテクト

2024 Japan AWS Jr. Champions
2022年に新卒入社し、金融系の開発を担当。
社内でのAWS推進にも積極的に取り組んでいる。

>酢谷 晃太(すだに こうた)

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