CTCロゴ
トップ

/

記事

/

CIAMとは?EIAMとの違いやメリット、製品選びのポイントを解説

セキュリティ

公開日:2026.05.11

CIAMとは?EIAMとの違いやメリット、製品選びのポイントを解説

    CIAMとは?EIAMとの違いやメリット、製品選びのポイントを解説

    この記事をシェア

    デジタル化が進む現代、企業は複数のWebサイトやアプリを通じて顧客と接点を持つようになりました。その一方で、顧客データの分散管理や、複数IDによる認証の煩雑さ、セキュリティリスクといった課題が顕在化しています。セキュリティと顧客体験をいかに両立させるか、そのカギを握る概念として注目されているのがCIAMです。

    本記事では、CIAMの基本やEIAMとの違い、導入メリットのほか、自社に最適なCIAM製品を選ぶポイントについて、わかりやすく解説します。
    SELMID-S

    CIAMとは、顧客IDやアクセスを一元管理するソリューション

    CIAMとは、C=顧客(Customer)、IAM=ID管理・認証・認可(Identity and Access Management)を指し、顧客IDやアクセスを一元管理する仕組みのことです。

    Webサイトやアプリごとに個別管理していた顧客IDをまとめて管理できるため、顧客の利便性を損なわずに、セキュリティの高い安全な取引を実現できます。

    ■CIAMによるログイン環境

    顧客がCIAMを利用して複数のWebサイトに一度でログインする仕組み

    例えば、ECサイト、会員サイト、モバイルアプリなど、複数の顧客接点を持つ企業では、それぞれのサービスで異なる認証システムを運用していることが少なくありません。CIAMはこれらを統合し、顧客にとっては一度のログインで複数のサービスを利用できる環境を提供します。同時に企業側にとっては、顧客データを一元管理することで、マーケティングへの活用やセキュリティレベルの統一が可能になります。

    CIAMとEIAMの主な違い

    CIAMとEIAMの対象ユーザーや目的、規模などの違いをまとめた比較表

    CIAMと類似する仕組みに、EIAM(Enterprise Identity and Access Management)があります。EIAMとは、従業員など組織内のユーザーが、業務で使うアプリケーションやPCにログインする際のIDを管理するものです。

    CIAMが顧客を対象とし、顧客の利便性や満足度の向上が主な目的なのに対して、EIAMは組織内の業務効率化やセキュリティの向上が主な目的となります。また、対象ユーザーの規模についても、組織内の一定数のユーザーを管理するEIAMに比べ、CIAMは数万人から数百万人規模のユーザーを想定する必要があります。

    CIAMが必要とされる背景

    企業と顧客の接点が多様化する中で、CIAMは顧客体験の向上に不可欠なソリューションとなっています。その背景にはどのような理由があるのでしょうか。ここでは、3つの観点から解説します。

    デジタルサービスの拡大

    現代のビジネスにおいて、企業と顧客の接点は大幅に増加しています。ECサイト、アプリ、実店舗、ソーシャルメディアなど、顧客はあらゆるチャネルを行き来しながらサービスを利用するのが一般的です。

    もし、サービスごとに独立してIDを管理している場合、「アプリではログインしているのにWebサイトでは再ログインを求められる」「店舗での購入履歴がオンラインに反映されない」といった顧客体験の分断を招き、離脱の原因となります。

    CIAMは、こうした分散した顧客ID情報を統合し、あらゆるチャネルで「シームレスな顧客体験」を提供する基盤です。顧客の行動データを横断的に把握できるため、より精度の高いパーソナライズ(顧客一人ひとりに合わせた提案)も可能になります。

    ■CIAMが実現する顧客体験

    CIAMで統合された顧客データをCDPで分析しパーソナライズ施策に活用するイメージ図

    例えば、「フィットネスジムの会員サイトA」と「健康食品ECサイトB」という2つのサービスを展開している企業があるとします。従来はサービスごとに別々のIDが必要でしたが、CIAMを導入すると、顧客は1つの共通IDで2つのサイトへのログインが可能です。

    これにより、これまで分断されていた各サービスのデータは、「サービスを横断した一意の顧客データ」として統合されます。顧客データを管理するカスタマーデータプラットフォーム(CDP)と連携して分析すれば、例えば、ジムでのトレーニング頻度や利用プログラムの履歴にもとづいて、最適なプロテインやサプリメントを提案するといったクロスセル施策が実現します。さらに、運動習慣や購買履歴を組み合わせることで、より精度の高いパーソナライズ広告の配信も可能です。

    セキュリティ脅威の高度化

    インターネットに公開されているECサイトなどの顧客向けサービスは、常に多くのサイバー攻撃にさらされています。特に近年増えているのは、他社から流出したIDとパスワードのリストを使って不正ログインを試みる「パスワードリスト攻撃」や、不正ログインによってアカウントを支配する「アカウント乗っ取り」です。

    顧客のアカウントが侵害されれば、個人情報の流出とか不正利用だけでなく、企業の信用失墜やブランド価値の低下という取り返しのつかない事態を招きます。

    一方で、セキュリティを厳重にしすぎると、顧客にとって使いにくいサービスになりがちです。CIAMなら、例えば普段と異なる環境からのアクセスのみに追加認証を求める「リスクベース認証」などの機能により、利便性を損なわずにセキュリティを高めることができます。

    プライバシー規制の強化

    世界的にプライバシー保護への意識が高まる中、企業に求められる法的責任は年々強化されています。

    ID管理においても、単に個人情報を保管するだけでは不十分です。データの利用目的について顧客の同意を適切に取得するとともに、顧客自身がデータの修正・削除・利用停止を行えるよう、その権利を保障することが求められています。

    CIAM製品の中には、「同意管理」機能を備え、法規制の変更に対するアップデートをベンダー側で実施するものもあるため、プライバシー保護対応の効率化が期待できます。しかし、これらは必ずしも全製品に共通する仕様ではなく、システムのみで同意管理が完結するものではありません。法令遵守のリスクを最小化するためには、システムの活用に加え、企業側での運用フローの構築を含めた継続的な対応が不可欠です。

    CIAMの主な機能例

    CIAMが提供するID管理、顧客データ管理、アクセス管理の主要機能一覧

    CIAMは、顧客データを安全かつ適切に管理するための多彩な機能を備えています。ここでは、4つの観点からCIAMの機能を紹介します。

    多様な認証とアクセス連携

    CIAMには、ユーザーがストレスなくサービスを利用開始するためのログイン機能があります。例えば、下記のような機能です。

    <ログイン機能の例>

    • ソーシャルログイン:LINE、Google、Appleなどの既存アカウントを利用した会員登録やログイン機能

    • パスワードレス認証:生体認証(指紋・顔)やSMSのワンタイムパスワードを用いた認証

    • シングルサインオン(SSO):ECサイト、会員アプリなど、複数のサービスを1つのIDで横断的に利用できる仕組み

    強固なセキュリティと不正アクセス対策

    利便性を保ちながら、システムを脅威から守る防衛機能も、CIAMの重要な機能です。下記のようなものが挙げられます。

    <セキュリティ機能の例>

    • 多要素認証(MFA):IDとパスワードに加え、別の要素(SMS認証コードなど)を組み合わせる機能

    • リスクベース認証:普段と異なるデバイスや海外からのアクセスなど、リスクが高いと判定された場合のみ追加認証を求める仕組み

    • Bot対策、不正検知:AIや機械学習を用いて、Botによる大量アクセスやリスト型攻撃を自動的に検知し、ブロックする機能

    ユーザーデータの管理とコンプライアンス対応

    個人情報保護法などの法規制に対応し、データを適切に管理するCIAMの機能としては、下記のようなものがあります。

    <ユーザー管理機能の例>

    • マイページ:顧客自身でパスワードリセットや、プロフィールの変更、退会手続きを完結できるポータル機能

    • 同意管理:「どの利用規約やプライバシーポリシーに、いつ同意したか」のバージョン情報をシステム上で記録し、管理する機能

    高度な本人確認とデジタル証明書

    CIAMには、金融サービスや行政手続きなど、より厳格な身元確認が必要なサービス向けの機能もあります。具体的には下記のようなものです。

    <本人確認の機能の例>

    • オンライン本人確認(eKYC):マイナンバーカードのICチップ読み取りや公的個人認証サービス(JPKI)との連携

    • デジタル証明書:Verifiable Credentialsなどの技術を利用して、社員証や学生証、資格証などをスマートフォン上で偽造困難なデジタルデータとして発行する機能

    CIAMの主なメリット

    CIAMの導入によって、企業はどのようなビジネス上の成果を得られるのでしょうか。ここでは、「売上アップ」と「コスト削減」の2つの観点から整理します。

    顧客体験の向上による売上・顧客生涯価値の拡大

    CIAMを導入することで期待できるメリットの1つが、マーケティング指標の改善です。

    まず、ログイン時の煩わしさが解消されることで、新規登録時の「カゴ落ち(途中離脱)」を減らすことができます。さらに、店舗・EC・アプリなど複数チャネルのIDが統合されると、顧客の行動を横断的に把握できるようになります。「どの顧客が、いつ、どこで何を買ったか」という正確なデータにもとづいた個別の提案が実現し、結果としてリピート率や顧客生涯価値(LTV)の向上に直結するでしょう。

    開発・運用コストの削減

    顧客IDの認証機能を自社でゼロから開発する場合、専門知識を持つエンジニアの確保や長期間の開発工数が必要です。ベンダーが提供するCIAM製品なら、各種機能があらかじめパッケージ化されており、短期間かつ低コストで導入できます。

    OSアップデートや最新のセキュリティ対策はベンダー側が担うため、自社開発に比べて、運用にかかるリソースの軽減も期待できます。

    CIAMを導入する際のチェックポイント

    CIAMの導入を成功させ、ビジネス成果を最大化するためには、製品選定や導入計画の段階で確認しておきたいポイントがあります。ここでは、導入時に押さえておくべき3つのポイントを解説します。

    既存システムとの親和性と移行計画の柔軟性

    CIAMが、ECサイトやスマートフォンアプリなどのサービスだけでなく、顧客データの管理・分析を担うCRMやマーケティングツールといった既存システムとスムーズに連携できるかを確認しましょう。既存の会員データを安全かつユーザーに負担をかけずに移行できる仕組み(パスワードの移行対応など)が備わっているかを評価することが重要です。その上で、段階的な移行や並行稼働も含め、柔軟に対応できる製品を選ぶことが、システム停止やデータ欠損リスクの回避につながります。

    「使いやすさ」と「安全性」を満たす機能の有無

    セキュリティ要件を重視するあまり、ユーザーの利便性が損なわれていないか、実際の利用シーンを想定して確認する必要があります。

    例えば、普段と異なる環境からのアクセスのみに追加認証を求める「リスクベース認証」や、パスワード入力を不要にする「ソーシャルログイン」など、セキュリティレベルを維持しながらユーザーの操作負担を最小限に抑える機能があるかを確認しましょう。これらの機能は、導入後のコンバージョン率や継続利用率を左右する判断基準となります。

    導入後の運用を見据えたサポート体制

    ID管理基盤は「導入して終わり」ではなく、日々の攻撃監視や法規制への対応、ユーザーからの問い合わせ対応など、継続的な運用と改善が不可欠です。

    そのため、単にツールとしての機能だけでなく、ベンダーがID管理に関する高度な専門知識やコンサルティング能力を有しているか、そしてトラブル発生時や設定変更時に迅速かつ的確なサポートを提供してくれるパートナーであるかを見極めることが、長期的な安定運用を実現するために欠かせません。

    顧客体験とセキュリティを両立するCIAMで、ビジネスの成長基盤を構築しよう

    デジタルサービスの普及により、顧客との接点は多様化し、ID管理は単なるセキュリティ対策を超えて、企業の信頼と売上を左右する経営課題となっています。大規模なユーザー管理や、プライバシー規制への対応、そして何より「安全性が高く、使いやすい」という顧客体験の提供が、競争力を維持するために不可欠です。

    自社のサービス規模や顧客の特性に合わせて、最適な認証方式やセキュリティ機能を備えたCIAMを選定し、ビジネスの成長を支える基盤を構築しましょう。また、システムの導入だけでなく、既存システムからのスムーズな移行計画や、導入後の運用体制、将来的な拡張性を見据えたパートナー選びも成功の要素となります。

    必要な顧客ID管理機能をパッケージ化した、伊藤忠テクノソリューションズの「SELMID」は、導入から運用まで、ID管理のプロによるコンサルティングと手厚いサポートが魅力です。「Microsoft Entra External ID」をベースに独自機能を拡張しており 、CIAMの基本機能のほか、マイナンバーカードを用いた厳格な本人確認や、デジタル証明書にも対応しています。

    顧客のID管理について関心をお持ちの方や、新規サービスの立ち上げをご検討の方は、ぜひ以下から資料をダウンロードいただき、詳細な機能や導入メリットをご確認ください。

    SELMID-L

    よくある質問

    CIAMとはどういう意味ですか?

    CIAMとは「Customer Identity and Access Management」の略で、顧客のIDやアクセス権限を一元管理する仕組みのことです。Webサイトやアプリごとに分散していたIDを統合することで、セキュリティレベルの統一と、一度の認証で複数サービスを利用できる顧客の利便性向上を同時に実現します。

    CIAMとEIAMの違いは何ですか?

    CIAMとEIAMの最大の違いは「対象ユーザー」と「目的」です。EIAMは、従業員など組織内のユーザーを対象に、業務効率化やセキュリティ管理を目的とするのに対し、CIAMは顧客を対象とし、顧客体験や利便性の向上を重視します。

    CIAMを導入する際の注意点はありますか?

    CIAMの導入を成功させるには、下記の3点を確認することが重要です。

    • 既存システムとの親和性

      ECやCRMなど既存ツールとスムーズに連携し、データを安全に移行できるか

    • 利便性と安全性のバランス

      セキュリティを強化しつつ、ソーシャルログインなどでユーザーの操作負担を抑えられるか

    • 運用サポート体制

      法規制への対応やトラブル時に、ベンダーから専門的なサポートが得られるか

    当サイトに掲載されている情報(記事、資料、動画、テンプレート等)については、その正確性および妥当性の確保に努めておりますが、ご利用に際しては、利用者ご自身の責任においてご判断ください。なお、個別の事情に応じては、専門家へのご相談を含め、適切な対応をご検討いただくことを推奨いたします。

    この記事をシェア

    執筆者情報

    Key Technology(Keys)編集部

    Key Technology (Keys)編集部は、CTCが注力する「高度AI」「データ&アナリティクス」「クラウドネイティブ」「セキュリティ」を中心とした最先端テクノロジーの情報発信を担う編集チームです。技術動向や活用事例、サービス情報をわかりやすく届け、ビジネス変革に挑む企業の意思決定や実行をサポートします。

    Documents

    お役立ち資料

    View All