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IDaaSとは?クラウド型ID管理の機能やメリット、選び方を解説

こうした課題を解決し、顧客にストレスのないシームレスな体験を提供するための基盤として、IDaaSは重要なソリューションとなっています。では、IDaaSを導入する際に、企業はどのような点に着目すればいいのでしょうか。
本記事では、IDaaSの機能やメリット・デメリット、導入するシステムの選び方などを解説します。

- IDaaSとは、クラウド上でIDの認証やアクセス管理を行うサービス
- クラウド型ID管理(IDaaS)とオンプレミス型の違い
- IDaaSの主な機能
- シングルサインオン(SSO)
- 多要素認証(MFA)
- IDの一元管理とライフサイクル管理
- ID連携
- アクセス管理と監査
- IDaaSの主なメリット
- 運用管理負担を軽減できる
- ユーザーのログイン負担を削減できる
- セキュリティを強化できる
- 最新機能を迅速に導入できる
- 運用コストがかかる
- 障害発生時の影響が広範囲になりやすい
- 連携可能なサービスやシステムに制限がある
- IDaaSの選び方
- 連携範囲と対応サービスを確認する
- セキュリティ機能を確認する
- 運用管理のしやすさとサポート体制を確認する
- 料金体系を確認する
- IDaaSを導入して、ID管理の効率化とセキュリティ強化を実現しよう
IDaaSとは、クラウド上でIDの認証やアクセス管理を行うサービス
IDaaS(Identity as a Service)とは、クラウド上でIDの認証やアクセス管理を行うサービスです。一般的には「アイダース」や「アイディアース」と読みます。
IDaaSを導入すると、従来はシステムごとに個別に管理していたID情報を一元的に管理できるようになり、認証作業を効率化することが可能です。
近年は、ECサイトやスマートフォンアプリ、実店舗など、顧客との接点(チャネル)の多様化が進んでおり、顧客が自社の提供する複数のサービスを横断して利用する機会が増えています。
そのため、顧客にストレスのないシームレスなログイン体験を提供すると同時に、顧客の個人情報を不正アクセスや情報漏洩から守るための強固なセキュリティ対策を両立することが、サービスの信頼性向上の観点から重要になっています。
■IDaaS導入前と導入後の違い

クラウド型ID管理(IDaaS)とオンプレミス型の違い
IDを管理するサービスには、大きく分けて「クラウド型(IDaaS)」と「オンプレミス型」の2種類があります。両者には、導入の手間やコスト面などで違いがあります。
クラウド型であるIDaaSは、サービス提供事業者がインフラやソフトウェアを保守・運用するため、導入企業はサーバーの設置や更新作業を行う必要がありません。そのため、導入までのスピードが早く、運用の手間も最小限に抑えられます。また、サービスが常にアップデートされるため、最新のセキュリティ機能や利便性の高い機能をすぐに活用できることも利点といえます。
一方、オンプレミス型は自社でサーバーを保有し、ソフトウェアを運用する方式です。この方式はカスタマイズ性に優れており、自社独自の要件に細かく対応できる点はメリットです。反面、サーバーの保守やセキュリティ対策を自社で行う必要があるため、専門的な知識を持つ人材の確保や、運用コストが発生する点はデメリットといえます。
このような違いを踏まえると、サービス提供事業者にシステムの保守・運用を任せられるクラウド型のIDaaSは、迅速な導入や、会社規模の変動に応じた柔軟性を求める企業にとって、有力な選択肢といえるでしょう。
IDaaSの主な機能

IDaaSは、単なるID認証の仕組みにとどまらず、多機能で柔軟なID・アクセス管理を実現するためのさまざまな機能を備えています。ここでは、IDaaSが提供する主な機能について解説します。
シングルサインオン(SSO)
シングルサインオン(Single Sign-On:SSO)は、ユーザーが一度の認証手続きで、複数のチャネル(自社のECサイトやスマートフォンアプリ、ブランドサイトなど)にログインできる仕組みです。
この機能により、ユーザーはチャネルごとに異なるID・パスワードを入力する手間がなくなり、ログイン時のストレスによるサービスの離脱を防ぐことができます。さらに、認証を一元化することで複数のサービスごとにパスワードを記憶しておく必要がなくなるため、結果としてパスワードの使い回しを防ぐことができ、セキュリティ面でも有効です。
シングルサインオンには、IDプロバイダーを通じて認証を行うSAML認証や、消費者向けのWebサービス・アプリ開発で主流となっているOpenID Connect(OIDC)など、さまざまな標準化された認証プロトコルがあります。一般的なIDaaSは複数の認証方式に対応していて、多種多様なサービスと柔軟に連携できます。
多要素認証(MFA)
多要素認証(Multi-Factor Authentication:MFA)は、複数の要素を組み合わせて本人確認を行う認証方式で、セキュリティを強化できる機能です。例えば、パスワード(知識情報)に加えて、スマートフォンに送られるワンタイムパスワード(所持情報)や指紋認証・顔認証(生体情報)などを組み合わせることで、なりすましや不正ログインのリスクを低減します。
IDaaSでは多要素認証の適用が柔軟に行えるため、管理者による強制適用や、特定のシステム・ユーザーに限定した適用なども可能です。その結果、企業ごとのセキュリティポリシーに合わせた運用ができます。
IDの一元管理とライフサイクル管理
IDaaSは、複数のWebサイトやスマートフォンアプリなどに分散しがちな顧客のID情報を一元的に管理し、そのライフサイクル(新規登録・属性の変更・退会)をセキュアかつ効率良くコントロールすることが可能です。
例えば、顧客がサービスに新規登録した際には、統合されたIDを発行し、その後のプロフィール変更や同意状況(利用規約への同意など)の履歴を一元管理します。そして、顧客が退会した際には、すみやかにすべてのアカウントや関連データを完全に削除・無効化します。これにより、長期間使われていない休眠アカウントを狙った不正アクセスや、個人情報の漏洩といったリスクを未然に防ぐことが可能です。
また、顧客自身が自分の登録情報やパスワードを容易に変更できる仕組み(セルフサービス化)を提供することで、自社のサポート部門への問い合わせ対応の負担も軽減できます。
ID連携
ID連携とは、IDaaSと自社が展開する複数のサービスや外部の提携サービスとの間で、顧客のID情報を同期・共有する仕組みです。
これにより、ユーザーは一度の認証で複数のサービスにシームレスにアクセスできるようになり、サービスごとの会員登録やログインの手間を削減できます。LINEやGoogleなどの外部アカウントを利用して会員登録・ログインができる「ソーシャルログイン」も、ID連携の代表的な活用例です。
アクセス管理と監査
IDaaSは、ユーザーが「どのサービスに、いつ、どのようにアクセスしたか」を可視化・制御するアクセス管理機能を提供します。これにより、第三者による不正アクセスの早期発見や、アカウント乗っ取り(なりすまし)の防止に貢献します。
例えば、普段の利用状況とは異なる不審なアクセス(普段と違う国からのログインなど)を検知した際にのみ、追加の認証(多要素認証など)を求める「リスクベース認証」を用いることで、顧客の利便性を損なわずにセキュリティを強化することが可能です。
IDaaSの主なメリット

IDaaSは、ID管理を効率化するだけでなく、セキュリティ強化や業務のスピードアップにもつながるさまざまなメリットを持っています。ここでは、IDaaSを導入した場合の代表的なメリットを紹介します。
運用管理負担を軽減できる
IDaaSを導入するメリットのひとつが、顧客IDの管理にかかる開発・運用担当者やカスタマーサポート部門の業務負担を軽減できる点です。
独自のID管理システムを運用している場合、サービスが拡大するにつれて認証基盤の構築や改修が必要になり、顧客からの「パスワードを忘れた」「登録情報を変更したい」といった問い合わせへの個別対応も煩雑になりがちです。IDaaSは、これらの作業を自動化できる機能を備えているため、ライフサイクル管理やアクセス制御を効率的に行えます。
また、システムの運用やメンテナンスもベンダー側で実施されるため、社内のインフラ管理にかかるリソースを削減できます。
ユーザーのログイン負担を削減できる
IDaaSは、ユーザーの利便性を向上させる点でも優れています。シングルサインオンやソーシャルログインといった機能を活用することで、ログインにかかる顧客の手間を軽減できる点はメリットです。
セキュリティを強化できる
IDaaSには、企業のセキュリティ対策を強化できるといったメリットもあります。多要素認証やアクセス管理、IDライフサイクルの自動制御といった機能を通じて、不正アクセスや個人情報漏洩のリスクを低減します。
ユーザーや端末、アクセス元ネットワークの信頼性を常に検証し、条件に応じて適切な認証ステップを実行することで、「誰が、どこから、どのようにアクセスするのか」を詳細にコントロールできる点は、すべてのアクセスを信用せずに検証・制御する「ゼロトラストセキュリティ」の実現にも有効です。
最新機能を迅速に導入できる
IDaaSはクラウドサービスとして提供されるため、常に最新の機能やセキュリティアップデートが自動的に適用されるというメリットもあります。オンプレミス型のように、バージョンアップやパッチ適用を自社で行う必要がないため、運用の手間を削減できます。
また、技術の進化に伴い登場した多要素認証やパスワードレス認証、生体認証なども、IDaaSを利用すればスピーディーに取り入れることが可能です。変化の激しいIT環境において、柔軟かつ迅速に対応できる点はIDaaSの魅力といえるでしょう。
IDaaSの主なデメリット

さまざまなメリットがあるIDaaSですが、導入にあたってはいくつかの注意点やデメリットも理解しておく必要があります。ここでは、IDaaSの主なデメリットについて解説します。
運用コストがかかる
IDaaSは初期導入のハードルが低い一方で、登録会員数や月間アクティブユーザー数、連携する自社サイトなどの数に応じた従量課金が発生することが多く、長期的には運用コストがかさむ場合がある点はデメリットです。
特に、大規模な消費者向け(BtoC)サービスの場合、テレビCMやキャンペーンなどで新規会員やログイン数が急増すると、想定以上にコストが膨らむ可能性もあるため、契約前に料金体系をしっかりと確認することが重要です。また、セキュリティ強化のために追加機能を導入する際に、別途オプション料金が必要になるケースもあります。
導入前に必要な機能・連携範囲を明確にし、自社の利用規模に合ったプランを選定することで、コストパフォーマンスを最大化できます。
障害発生時の影響が広範囲になりやすい
IDaaSは、自社のECサイトやスマートフォンアプリ、ブランドサイトなど、顧客との多様な接点(チャネル)の認証基盤を統合しているため、サービス障害が発生した場合、その影響範囲が広範囲に及ぶ点はデメリットといえます。IDaaSを通じた認証ができなくなると、顧客はすべての連携サービスにログインできなくなり、機会損失による売上や顧客満足度の低下を招くおそれがあります。
こうしたリスクを最小限に抑えるためにも、サービスを選定する際は、障害時のサポート体制を必ず確認しておきましょう。
連携可能なサービスやシステムに制限がある
IDaaSは多様なWebサービスやマーケティングツールと連携できますが、すべてのシステムに標準対応しているわけではありません。特に、長年運用している自社独自の顧客データベース(オンプレミス環境)や、古い規格で構築されたレガシーなECサイト、特殊な仕様の実店舗POS(レジ)システムなどとの連携には対応できない可能性もあります。
そのため、IDaaSを導入する際には、自社が利用している主要サービスとの連携実績や、今後導入を検討しているサービスへの対応状況を事前に確認しておく必要があります。
IDaaSの選び方
IDaaSを導入する際は、単に機能の多さで比較するのではなく、自社が展開するサービスの特性や、実現したい顧客体験に合致するかを重視しましょう。ここでは、IDaaS選定時に確認すべき主なポイントを解説します。
連携範囲と対応サービスを確認する
IDaaSを選ぶ際は、自社が展開するECサイトやスマートフォンアプリといったチャネルや、顧客データの分析・活用に利用しているマーケティングツールなどと、スムーズに連携できるかを確認することが重要です。
ただし、連携する自社サービスの数や、外部ツールとのデータ連携(API連携など)の幅が広がるほどオプション費用が上がる傾向もあるため、自社のビジネス展開と必要な機能のバランスを見極めることがポイントです。
セキュリティ機能を確認する
自社のセキュリティ要件を満たす機能が備わっているかは、IDaaSを選定する際の重要なポイントのひとつです。
スマートフォンなどの端末を利用したワンタイムパスワード、生体認証といった多要素認証の種類や、認証ポリシー設定の柔軟性を比較しましょう。また、監査ログの取得・分析機能も確認しておくと安心です。
近年は、パスワードレス認証を導入できるIDaaSも増えており、利便性とセキュリティを両立させたい場合に有効です。
運用管理のしやすさとサポート体制を確認する
IDaaSの管理画面やダッシュボードの使いやすさは日々の運用に影響するため、設定・ユーザー管理画面の操作が直感的に行えるか、管理者向け機能が充実しているかもチェックしましょう。
また、導入時の支援や運用中のサポート体制も重要です。「トラブル発生時に迅速な対応が可能か」「24時間365日サポートに対応しているか」など、サポート内容を事前に確認しておくと安心です。
導入実績を確認しつつ、無料トライアルなどで操作性を確認できると、使いやすさを見極める材料になります。
料金体系を確認する
IDaaSの料金は、ユーザー数や連携サービス数、利用機能によって異なるため、初期費用、月額費用、オプション機能の有無など、総合的なコストを把握することも重要です。
コストだけでなく、提供される機能やサポート内容とのバランスも比較しましょう。必要最低限の機能で済む場合は、コストを抑えたプランを選ぶのも有効です。
長期運用を見据えた上で、自社の予算に合致したサービスを選定することが成功のカギとなります。
IDaaSを導入して、ID管理の効率化とセキュリティ強化を実現しよう
IDaaSは、クラウド型ID管理サービスとして、認証やアクセス管理の効率化とセキュリティ強化を同時に実現するソリューションです。シングルサインオンや多要素認証、ID連携、アクセス制御といった多彩な機能により、顧客の利便性を高めつつ、情報漏洩リスクを低減できます。
導入にあたっては、連携範囲やセキュリティ機能、運用負担、料金体系などを総合的に比較し、自社の要件に合ったサービスを選びましょう。無料トライアルなどを活用することで、スムーズなサービス選定や導入が可能です。
伊藤忠テクノソリューションズでは、最先端のIDaaSである「SELMID」を提供しています。導入のしやすさやコスト面にメリットがあるサービスで、複雑で高度な認証機能やID接続機能の開発を行わなくても、テンプレートによる短期間でのシステム構築が可能です。導入から運用まで、ID管理のプロによるコンサルティングと手厚いサポートも充実しています。ぜひ以下から資料をダウンロードいただき、詳細な機能をご確認ください。

よくある質問
IDaaSとはどのようなサービスですか?
IDaaS(Identity as a Service)は、クラウド上でID認証やアクセス管理を提供するサービスです。自社ECサイトやスマートフォンアプリなど複数チャネルの顧客IDを一元管理し、認証作業の効率化やセキュリティの強化を図ることができます。
IDaaSにはどのような機能がありますか?
主な機能は、下記のとおりです。
<IDaaSの主な機能>
シングルサインオン(SSO)
多要素認証(MFA)
IDの一元管理
ID連携
アクセス制御
監査ログ管理
これらの機能により、業務の効率性と安全性の両立を支援します。
IDaaSを選ぶ際のポイントはありますか?
主に下記のポイントを確認することをおすすめします。
<IDaaSを選ぶ際の主なポイント>
自社のクラウドサービスやシステムとの連携の可否
セキュリティ機能の充実度
サポート体制の充実度
料金体系
これらを総合的に比較し、最適なサービスを選定することが重要です。
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