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サーバの延命か刷新か|保守期限から逆算して考える、更新判断のポイント

クラウドネイティブ

公開日:2026.10.21

サーバの延命か刷新か|保守期限から逆算して考える、更新判断のポイント

    サーバの延命か刷新か――保守期限から逆算して考える、更新判断のポイント

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    サーバの保守期限が近づくと、延命、買い替え、集約、クラウド移行などから、次の方針を選ばなければなりません。ただ、全てのサーバに同じ答えを当てはめるのは適切ではないでしょう。支えている業務、既存システムとの接続、移行にかかる期間、移行後の運用体制によって、適した対応が異なるためです。

    更新時期が迫ってから検討を始めれば、移行先の比較や予算の確保、動作検証、社内調整に使える時間は限られます。一方、延命も単なる先送りとは限りません。次の移行までの準備期間を確保する目的が明確なら、現実的な選択肢になり得ます。

    売上高1,000億円以上の企業でITインフラの調達・運用に携わる203名を対象とした調査では、83.7%が、直近1~2年のサーバ調達価格について「1割以上上昇した」と回答しました(Q4)。価格面の制約も強まる中、保守期限だけを見て更新方針を決めるのではなく、システムの役割や移行上のリスクまで含めた判断が求められています。

    本稿では、調査結果の一部を参照しながら、延命と刷新を考える前に整理しておきたい項目を解説します。
    サーバの延命・刷新に関する実態調査-S

    1. 延命か刷新かを決める前に、保守期限までの時間を確認する

    1-1. 保守期限までの時間によって、選べる対応は変わる

    保守期限は、更新に向けた検討をいつ始めるかを逆算する起点です。期限が迫ってから着手すると、移行先の選定、予算の確保、動作検証、社内調整に使える時間が短くなります。

    利用中の主要なサーバのうち、最も早く保守期限を迎える時期を尋ねたところ、「既に保守期限が切れたまま利用している」が8.5%、「1年以内」が31.8%でした(Q3)。両者を合わせると、40.3%が既に期限を過ぎているか、1年以内に期限を迎える状況です。

    さらに、「1年超~3年以内」の39.8%まで含めると、保守期限が切れている、または3年以内に期限を迎える回答は80.1%に達します。

    Q3 主要サーバの保守期限(EOSL)の到来時期に関する回答結果グラフ

    保守期限まで数年ある場合でも、業務への影響が大きいシステムや、移行に時間を要するシステムには早めの検討が欠かせません。期限が近い順に対応するだけでなく、停止した際の影響と移行に必要な期間を踏まえて、着手する順番を決める必要があります。

    1-2. 最初に確認するのは、サーバの台数だけではない

    更新対象を整理する際は、サーバの台数に加え、各サーバが担っている役割を確認します。保守期限、利用している業務、接続しているシステム、停止できる時間、管理する部署や担当者などを一覧にすると、業務への影響を捉えやすくなります。

    同じ時期に保守期限を迎えるサーバでも、移行に必要な時間や停止時の影響は同じとは限りません。業務への影響が大きく、移行に時間がかかるシステムは、保守期限が先であっても早めに検討する対象となります。

    利用率が低いサーバや、複数のサーバで重複している機能については、現在と同じ構成で買い替える前に、集約や廃止の可能性も確認したいところです。確認した内容をもとに、「延命するもの」「買い替えるもの」「集約するもの」「移行するもの」に分ければ、対象ごとの方針を考えやすくなります。

    2. 延命・買い替え・集約・移行を、同じ基準で比較する

    2-1. 調査でも、今後の方針は1つにまとまっていない

    保守期限を迎える主要なサーバについて、今後の対応方針を1つ選んでもらったところ、最も割合が高かったのは、クラウド上の計算基盤である「クラウド・IaaSへ移す」の34.0%でした(Q6)。

    「同じ構成の新しいサーバに買い替える」は19.7%、「台数を減らして集約・統合する」は13.8%、「システムそのものを見直す」は12.8%、「延命する」は12.3%となっています。

    Q6 保守期限を迎える主要サーバへの今後の対応方針に関する回答結果グラフ

    最も割合が高いクラウドへの移行も、回答者の過半数には達していません。回答が1つの方針に集中しているというより、サーバの用途やシステムの状態に応じて、複数の方針に分かれている状況が読み取れます。

    対応案を比べる際は、導入時の費用だけでなく、移行にかかる期間、業務への影響、セキュリティ、移行後の運用体制まで同じ項目で確認します。比較する条件をそろえることで、方針を選んだ理由も社内で共有しやすくなるでしょう。

     

    2-2. 延命を選ぶ場合は、期間と次の方針を決める

    延命を選ぶ際は、「いつまで利用するか」と「延命後に何へ移すか」を先に決めます。保守契約を延長できるかだけでなく、交換部品を確保できるか、障害時にどのような支援を受けられるか、セキュリティ更新が提供されるかといった確認も欠かせません。

    移行準備の時間を確保するための延命と、長期利用を前提とした延命では、期間中に進める内容が変わります。前者であれば、延命している間にも移行先の比較、予算の確保、動作検証を進める必要があります。

    期限と次の方針を明確にした延命であれば、更新判断を先送りする期間ではなく、移行に備える期間として使えます。

     

    2-3. 刷新する場合も、現在と同じ構成に戻すとは限らない

    刷新には、現在と同じ構成の新しいサーバへ買い替える方法だけでなく、台数を減らして集約する方法や、クラウドへ移す方法、システム自体を見直す方法があります。

    現在の構成をそのまま新しくすれば、移行時の変更を抑えやすくなります。使用状況や処理能力に余裕がある場合は、複数のサーバを集約する余地もあるでしょう。

    クラウドへ移す場合には、移行後の運用方法、料金、セキュリティ、既存システムとの接続を確認します。システムそのものを見直す場合は、サーバ単体の更新ではなく、業務やアプリケーションを今後どのように使うのかという視点も必要です。

    保守期限は、古い機器を新しい機器へ置き換える時期であると同時に、現在の構成を今後も維持するべきかを見直す機会でもあります。

     

    3. 判断が進まない理由を、技術・人材・社内調整に分ける

    延命、刷新、クラウド移行の候補を挙げても、すぐに方針を決められるとは限りません。既存システムを移せるのか、新しい環境の移行と運用を担う人がいるのか、必要な費用を社内で説明できるのか。判断を止めている理由によって、先に整理すべき課題は変わります。

    サーバの延命や刷新、クラウド化、クラウドを前提としたシステムへの移行である「クラウドネイティブ移行」を検討する際に、どのような障壁を感じるかを尋ねた結果、人材、既存システムとの互換性、セキュリティ、社内説明など、複数の領域に回答が分かれました。

    Q9 サーバの延命・刷新やクラウド移行における障壁に関する回答結果グラフ

    3-1. 技術面では、既存システムとの関係を整理する

    新しいサーバやクラウドへ移行できるかを判断するには、対象となるサーバだけでなく、周囲のシステムとの関係も確認しなければなりません。サーバ単体では移行できても、接続しているシステムや業務への影響が把握できていなければ、必要な作業や停止時間を見積もりにくくなります。

    技術面に関わる障壁としては、「既存システムとの互換性・移行の複雑さ」が48.8%、「セキュリティ・ガバナンス上の懸念」が48.3%に上りました(Q9)。いずれも、サーバの延命や刷新、クラウドへの移行を検討する際に感じている障壁です。

    移行対象、接続先、データの流れ、停止が許容される時間を整理した上で、問題が起きた場合に元の環境へ戻す手順も確認します。セキュリティや社内の管理ルールについても、移行先を決めた後ではなく、候補を比較する段階から確認しておく方がよいでしょう。

    3-2. 移行を担う人材がいなければ、方針を決めても実行できない

    新しい基盤へ移るには、移行作業を進める人だけでなく、移行後の環境を運用する人も必要です。監視や障害対応、設定変更などを誰が担うかまで決めなければ、移行先を選んでも実行に移せません。

    サーバの延命や刷新、クラウド化などを検討する際の障壁として、「クラウドやコンテナに関する人材・スキル不足」は50.7%に上り、全ての選択肢の中で最も高い割合となりました(Q9)。

    社内だけで移行後の運用まで担うことが難しい場合は、社内で担う業務と、外部パートナーへ依頼する業務を分ける方法が考えられます。外部へ任せる場合も、日常の運用手順や障害時の判断まで外部に委ねるのか、社内に残すのかを明確にする必要があります。

    基盤の選定と運用体制の検討を並行して進めることで、移行後も継続して運用できる方針を選びやすくなります。

    3-3. 社内説明では、延命費用と刷新費用を同じ期間で比較する

    技術面と運用体制を整理しても、予算や費用対効果を説明できなければ、社内の意思決定は進みません。延命と刷新では費用が発生する時期や内訳が異なるため、導入時の金額だけを比べても、どちらが適しているかを判断しにくいためです。

    社内での意思決定に関わる障壁として、「費用対効果の説明・社内稟議の難しさ」を29.1%、「予算の確保が難しいこと」を27.6%が挙げています(Q9)。いずれも、サーバの延命や刷新、クラウドへの移行を検討する場面で感じている課題です。

    延命案では、保守費、障害対応、部品調達に加え、数年後に発生する再移行の費用まで含めます。刷新案についても、機器やサービスの導入費だけでなく、移行、教育、導入後の運用にかかる費用を確認します。

    同じ利用期間に発生する費用を同じ項目で並べれば、金額の差だけでなく、各方針にどのような費用とリスクが含まれているのかを説明しやすくなるでしょう。

     

    4. 全調査結果から、延命・刷新の判断材料を確認する

    本稿では、主要なサーバの保守期限、保守期限を迎えるサーバへの今後の方針、延命や刷新を検討する際の障壁を取り上げました。

    ホワイトペーパーでは、現在利用しているサーバや基盤の形態と、今後3~5年で中心になると考えられている基盤も確認できます。サーバ調達価格の上昇に対する認識や、価格上昇・納期の長期化を受けて、行っている対応も収録しました。

    加えて、クラウド移行後の候補、延命や判断の保留を選んでいる理由、外部パートナーに期待する支援まで掲載しています。自社のサーバ環境と照らし合わせながら、次の更新計画や予算、社内外の役割分担を検討するための資料として活用できます。

    自社のサーバ更新を検討する際の判断材料として、全調査結果をご覧ください。

    サーバの延命・刷新に関する実態調査-L

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    執筆者情報

    Key Technology(Keys)編集部

    Key Technology (Keys)編集部は、CTCが注力する「高度AI」「データ&アナリティクス」「クラウドネイティブ」「セキュリティ」を中心とした最先端テクノロジーの情報発信を担う編集チームです。技術動向や活用事例、サービス情報をわかりやすく届け、ビジネス変革に挑む企業の意思決定や実行をサポートします。

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