事例

株式会社NTTドコモ 様

更新

サービス要件に柔軟に対応し「ドコモコミュニティ」を開発

「ドコモコミュニティ」はNTTドコモが自社携帯電話ユーザーのために用意したコミュニティサービス。日記や備忘録、スケジュール、アルバムなどをサーバ上に登録し、iモード対応端末やパソコンから閲覧したり共有することができる。2009年3月2日にサービスを開始し、7月には会員数が10万人を突破した。システム構築にCTCを採用したNTTドコモ。採用の理由はiチャネルやiモーションなどを構築した実績と画像変換の技術力であった。

課題と効果

課題
  • システムの信頼性を維持したい
  • 投稿される多種多様な画像変換に対応したい
  • 運用を効率化したい

独自にシステムを開発

効果
  • スモールスタートの実現
  • 想定外の画像投稿でも安定稼働
  • パッケージのバージョンアップに影響されない運用を実現"

導入事例インタビューデータ

会社名
株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ
所在地
〒100-6150 東京都千代田区永田町2-11-1 山王パークタワー
資本金
9,496億7,950万円(2009年3月31日現在)
従業員
21,831名(2009年3月31日現在)
URL
http://www.nttdocomo.co.jp/新しいウィンドウで開く
  • (株)NTTドコモサービスプラットフォーム部部長 田中清数 氏

    (株)NTTドコモ

    サービスプラットフォーム部

    部長 田中清数 氏

  • (株)NTTドコモサービスプラットフォーム部iモードシステム開発担当部長 伊藤孝之 氏

    (株)NTTドコモ

    サービスプラットフォーム部 iモードシステム開発 担当部長

    伊藤孝之 氏

導入背景

NTTドコモのコミュニティサービス「ドコモコミュニティ」

ドコモコミュニティ

携帯電話事業のリーディングカンパニーNTTドコモ。提供する各種サービスも、業界の先陣を切り、常に市場を牽引してきた。同社が提供するiモードサービスは、iアプリ、iモーション、iモードメール、iチャネル、音楽配信、動画配信など多岐に渡る。

これら多彩なサービスの1つに「ドコモコミュニティ」がある。「ドコモコミュニティとは、ドコモ利用者向けのコミュニティサービスです。家族や友人、共通の趣味を持った方が集まり、情報を交換したり伝言板として活用することができます」と、株式会社NTTドコモ サービスプラットフォーム部長 田中清数 氏は説明する。

最大の特長は投稿した情報の公開範囲を設定できること。例えばSNSでは無制限に情報が公開されるが、「ドコモコミュニティ」では「自分だけ(非公開)」「友達まで(初期設定)」「友達の友達まで」の3種から設定できる。初期設定の「友達まで」のままであれば、見知らぬ人から情報を見られる心配がない。「リアルな世界でのみ面識のある方だけが閲覧できるサービスのため、利用者の皆様には安心してお使いいただけていると思います」(田中氏)

システム概要

信頼性と技術力に期待しCTCに構築依頼

新たなコミュニケーションサービスを開始するに際してのポイントはいくつかあった。まず、信頼性の保証である。プラットフォームとなるサーバのハードとOSは念入りに検討され、SunサーバとOSにはSolarisが採用された。

次に、このプラットフォーム上でシステムをどのような手法で構築するかが検討された。「最大の問題はプログラムプロダクトでした。コミュニティサービスを実現するパッケージはいろいろありますが、検討したところ一長一短があり、私どもが考える仕様すべてを満足させるものが存在しませんでした」と、株式会社NTTドコモ サービスプラットフォーム部 iモードシステム開発 担当部長 伊藤孝之 氏は振り返る。

機能的に過剰あるいは足りない部分が多く、NTTドコモが求める要求を満たしていない。さらにパッケージではバージョンアップがあり、運用後の対応も課題となる。これらを考慮して、いちから独自のシステムを開発することになった。そこで、システム開発を請け負ったのはCTCであった。

「SunとSolarisならCTCの右に出るインテグレータはいないでしょう。さらに、iチャネルやiモーションなどを構築した実績と画像変換の技術力があります。特にこのようなWeb上の投稿サイトには予想もつかない仕様の画像がアップされることがあり、信頼性に影響を与えます。しかし、CTCなら心配ありません」と、伊藤氏はCTCを高く評価する。

ちなみにiチャネルとは、ニュースや天気、芸能・スポーツ、占い、BeeTV、音楽、雑誌などの最新情報を携帯電話の画面に表示させるサービスで、iモーションとは、動画や音声などのマルチメディアデータをダウンロードし楽しむことができるサービスである。これらサービスのシステム構築をCTCが担当しており、画像変換に関しては長年にわたる実績を持っている。

iモードプラットフォーム上に新システムを構築

システム概要図

ドコモコミュニティのシステムは、会員が日記やアルバム、スケジュールなどのデータを、メールあるいはWebサイトを経由してアップロードする仕組みだ(2009年7月からはパソコンからの登録や閲覧も可能)。ドコモコミュニティに寄せられたテキストやデータは、どの携帯電話でアクセスしても閲覧できるように、都度最適なサイズに変換されている。送られてくる画像や写真は、全てが携帯電話で撮影したものとは限らない。デジタルカメラで撮影されたり、パソコンで編集されたりとフォーマットや容量は極めて多岐にわたっている。NTTドコモでは顧客満足を踏まえ、画像や動画に関しては、会員がサイズやフォーマットを考慮することなく、登録したもの全てを閲覧できるようにする方針を採っている。さらに、古い携帯端末であっても、対応できるようにするため、動画が見られない機種であれば、それに近いアニメーションGIFやFLASHを用いて表示したり、普通に撮影された写真でも、色合いを補正し見やすくするなどの対応をとっている。これら画像変換に対応するCTCのノウハウが、このシステムには盛り込まれているのである。

また、NTTドコモが提供するサービスだけあって、セキュリティやコンテンツの品質維持は決しておろそかにできない。セキュリティに関しては、CTCも自社内の脆弱性診断のシステムなどを活用。最高峰のセキュリティレベルを目指し、NTTドコモからの高い期待に応えている。
コンテンツの品質維持については、「通信事業者が提供するサービスですから、安心安全を大前提に考えました。公序良俗に反するコンテンツも掲載するわけにはいきません。運用センターを設け24時間のログの確認を行っています」と、伊藤氏は語る。
一般的なSNSでは、青少年にとって「危ない」または「問題がある」というイメージを、一部持たれてしまっているかもしれない。それだけに、独自のコミュニティサービスである「ドコモコミュニティ」では、公開できる人を制限するだけでなく、24時間のログチェックなども行い、若年層も安心して利用できるサービスを目指している。

導入効果と今後の展望

会員10万人を突破、サービスや規模を拡大

ドコモコミュニティ

ドコモコミュニティは予定どおり2009年3月2日にサービスを開始。当初は携帯電話からのアクセスに限られていたが、パソコンからも読み書きできるようになり、サービスを開始して5ヶ月足らずで利用者は10万人を超えた。遠くで暮らす家族の写真に携帯電話から気軽にアクセスしたり、料理や音楽など共通の趣味を持った仲間との情報交換や、日々の生活で感じたことを日記にしたり、スケジュール作成に利用されたりと様々なシーンで利用されている。

「今回のシステム構築は、フィールドテストも十分に行うことができました。サービス開始後もトラブルなく順調に稼働しています」と、田中氏は今回のプロジェクトを評価する。テスト段階で要求されたGUI部分の改善にも対応できた。伊藤氏も「手作りのわりには、極めてスムーズに進みました。CTCの技術力は期待どおりでした」とCTCを認める。

システムはスモールスタートで始められたが、会員は確実に増加している。その会員の期待に応えてサービスの拡充が着々と進められている。

  • 「iモード」「iアプリ」「iモーション」「iモードメール」「iチャネル」「ドコモコミュニティ」はNTTドコモの登録商標または商標です。
  • このページについてツイッターでツイート(新しいウィンドウで開く)
  • このページをフェイスブックでシェア(新しいウィンドウで開く)

この事例に関するお問い合わせはこちら

※記載内容は掲載当時のものであり、変更されている場合がございます。