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株式会社広島銀行 様

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株式会社広島銀行 ロゴイメージ

OutSystemsで内製化を進め、開発力を取り戻す。
セキュリティ・安定性など、金融機関ならではの厳しい要件もクリア。

  • OutSystems

金融サービスを中核に、様々な領域へと事業を拡大し、地域に根差したサービスを提供する広島銀行。IT活用を進めるなかで、行内のITスキル・開発力を高めるべく内製化を進めるための基盤としてローコード開発プラットフォーム「OutSystems」を採用。活用にあたっては、CTCにメンバーが出向して実際のプロジェクトに参加するなど、人材育成含めて全面的な支援を受け、社内で開発できる体制を整えた。ブラックボックス化していたアプリケーションをアジャイルで開発することにより、工数を抑えてリプレースするなど、様々な成果を得られている。金融機関として求められる高いセキュリティ・安定性もクリアしており、今後は新たな組織として「C-BIZラボ」を立ち上げ、さらなる活用を進めていく。

課題と効果

課題
  • 開発を外部業者に任せてきたため、社内のIT人材・スキルが不足
  • 改修を繰り返し、ブラックボックス化したシステムはリプレースが難しい
  • ミドルウェアの管理や運用に多くの人的リソースを割けない
効果
  • ローコード開発基盤を利用することで、内製化を進め、開発力向上を目指す
  • CTCの全面的なサポートを受け、IT人材育成にも注力
  • ミドルウェア管理まで自動化されたOutSystemsで安定的な運用を実現

導入事例インタビューデータ

会社名
株式会社広島銀行
所在地
広島市中区紙屋町一丁目3番8号
資本金
545億73百万円
代表者
代表取締役頭取 清宗 一男
従業員数
3,357名
URL
https://www.hirogin.co.jp/新しいウィンドウで開く
  • ス業務統括部 IT統括グループ 担当課長代理 山下 泰裕氏

    株式会社広島銀行

    IT統括部 システム統括室
    兼 ひろぎんホールディングス業務統括部 IT統括グループ 担当課長代理

    山下 泰裕氏

  • 株式会社広島銀行 IT統括部 システム統括室 兼 ひろぎんホールディングス業務統括部 IT統括グループ IT統括室 蜂須賀 秋人氏

    株式会社広島銀行

    IT統括部 システム統括室
    兼 ひろぎんホールディングス業務統括部 IT統括グループ

    蜂須賀 秋人氏

  • 株式会社広島銀行 IT統括部 システム統括室 兼 ひろぎんホールディングス業務統括部 IT統括グループ 畑 翔麻氏

    株式会社広島銀行

    IT統括部 システム統括室
    兼 ひろぎんホールディングス業務統括部 IT統括グループ

    畑 翔麻氏

導入背景

失われた開発力を取り戻すには、自分たちで開発できる体制の整備が近道

1878年の創業以来、地域金融機関としてお客様に寄り添った金融サービスを提供してきた広島銀行。コア業務の深化とともに、非金融ソリューションへの業務拡大を進め、地域社会の豊かな未来に向けたトータルサポートを提供している。
同行にとって課題となっていたのが、社内のIT人材・スキル不足だった。長らく“共同化”をキーワードに、ほかの金融機関と連携しながらシステムを構築するなかで、開発を外部業者に任せてきたことから、社内の開発力が失われてしまっていた。

「金融機関としてデータ活用などIT面を強化するためにも、開発力を取り戻す必要がありました。ITスキルがないとシステムの企画立案をしようにも、机上の空論となりかねません。なくしたものはすぐに取り戻せませんが、まずは内製化に舵を切り、自分たちで開発できる体制を整えることが、遠いようで近道だろうと考えました(山下氏)」

ローコード開発プラットフォーム「OutSystems」を採用。本格導入前にナレッジ習得のため、CTCに出向

内製化とはいえ、いきなりスクラッチ開発をおこなうのはハードルが高いため、まずはローコード開発プラットフォームを活用しようと考えた。複数製品を検討するなかで、目を引いたのがOutSystemsである。モダンなUIで使いやすく、モバイルに対応、外部連携も細かく実装されているなど、必要な機能がそろっていた。

「開発だけでなく、オペレーション・運用まで考慮されている点も魅力でした。リリース管理やDBなどミドルウェアのレイヤーまで自動化されているため、運用に手がかかりません。継続的な運用を考えると、運用にあまり人を充てなくてよい点は大きなメリットです(山下氏)」

OutSystems導入を決めた同行だが、いきなり自社で体制を作るのではなく、OutSystemsを用いた開発プロジェクトに参加し、進め方などを身につける機会を持ちたいと考えた。そこで、OutSystems導入支援をおこなうCTCにシステム部のメンバーが出向。2020年2月から3月にかけて、実際のプロジェクトに参加することとなった。

「現場を中から見ることで、共通部品をどう作るかなどソースコードひとつとっても多くの学びがありました。また、アプリのモジュール構成や全体アーキテクトなど、開発方法についても大変参考になりました(山下氏)」

システム概要・導入効果

既存アプリケーションのブラックボックスを紐解き、新たなアプリケーションに移行

出向から戻って半年後、培ったナレッジをベースに体制を整え、開発をスタート。OutSystemsによる開発の第1弾となったのが、キャッシュカード、クレジットカードに加え、カードローンが可能となった「<ひろぎん>バリューワン」の申し込みを管理するアプリケーションだ。Microsoft Accessをベースとしたアプリケーションを利用していたが、改善要望があったことと、更改タイミングが迫っていたこと、難易度や規模感からも最初の開発対象として選んだ。

「自分たちで開発をおこなって、改めて開発スピードの速さを実感しました。期間が短縮された分、コストも大きく削減できたと思います。既存アプリケーションは10年以上利用しており、改修を重ねてきたため、細かな仕様が分からなくなっていました。全体をイチから設計しなおすとハードルが高くなりますが、OutSystemsを用いてアジャイル開発することで、作りながら動きが違うなどの指摘を受けて調整を繰り返し、ブラックボックスを解きほぐすことができました。この点が一番のメリットだと思います(山下氏)」

今後の展望

新組織「C-BIZラボ」を開設し、開発体制を確立。「地域のDX」への取り組みも

今後は、2022年4月に立ち上げた「C-BIZラボ」を中心に、クラウドの積極的な活用とともに、より迅速かつ柔軟に開発できる体制整備を目指していく。このなかでもOutSystemsは中核的な存在であり、CTCから人材育成も含めた全体的な支援を受け、さらなるITスキル・人材の拡充を図る。

「これまで予算の都合などで対応しきれなかったニッチな業務をOutSystemsでシステム化することで、大きな効果につながると期待しています。今はまだ、『OutSystemsでどんなことができるか』が行内であまり知られていませんが、アプリケーションを使った社員に便利さを実感してもらい、行内で口コミを広げつつ、周知を進めていく予定です。将来的には行内向けアプリケーションだけでなく、顧客向けアプリケーションの開発も検討していきます(山下氏)」

このほか、地域に密着した“地域総合サービス業”として、金融だけに留まらない地域のDXにも踏み込んでいくことも考えている。地銀として、地域に根差したニッチな領域を素早く提供することを目指すなかで、アジリティの高いOutSystemsは大きな武器となるはずだ。

(写真左から)蜂須賀 秋人氏、畑 翔麻氏、山下 泰裕氏

(写真左から)蜂須賀 秋人氏、畑 翔麻氏、山下 泰裕氏

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