Oracle Cloud Infrastructure（OCI）の優位性に関する考察＜後編＞

OCIはオンプレミスのOracle Databaseと同じアーキテクチャです。クラウドへの移行時に必要となるアプリケーションを含めたシステム改修が最小限に留まり、オンプレミスで実現していたあらゆる性能要件を満たすことが可能です。

アーキテクチャが異なると、移行時にデータベースそのものやアプリケーションの大幅な改修が必要となり、アプリケーションの性能維持が難しくなるケースがあります。また、SQLの変更を含めた技術的に難易度の高い作業が発生すると、システムの規模によっては、それだけで数ヶ月の日数が掛かることもあります。

更に、動作確認のテストや各部の検証にも多大な労力と時間が掛かります。データベースの移行に伴うアプリケーションの改修を最小限に留めることがシステム更新のポイントです。

他のパブリッククラウド上でOracle Databaseを利用する場合、CPUのコア数やIOPSなどの拡張性に制限があります。また、ミッションクリティカルなシステムに求められるRAC機能も利用することはできません。

現在、Oracle Databaseが持つ殆どの機能をパブリッククラウド上で利用できるのは、オラクルが提供するOCIだけです。

パブリッククラウドではOSへのログインが許可されないケースが多く、これまで使っていた運用管理ソフトウェアが利用できない、あるいはバッチ処理に大幅な修正が必要になるといった問題が生じる場合があります。

しかし、OCIであればオンプレミス環境のOracle Databaseで利用していた運用管理ソフト、ログ監視やバッチ処理などの仕組みをそのまま利用することができます。OSにroot権限でログインできるからです。

OCIに移行したことで、システム運用の負担が軽減されるだけでなく、オンプレミスのシステムで蓄積してきた安定稼働のための技術や運用のノウハウが引き継げるので、運用管理のリソースを大幅に縮小することができます。

OCIは、基本機能を備えた Standard EditionとEnterprise Editionの2つのエディションと、負荷分散や障害発生時の自動切換えの機能を持つミッションクリティカルなシステム向けにHigh PerformanceとExtreme Performanceの2つエディションを利用することができます。

さらに、オンプレミスでの仮想サーバのリソースにあたる、インスタンス毎のコア数、メモリのサイズ、ネットワーク帯域を組み合わせた「シェイプ」と呼ばれるセットが用意されています。シェイプは、1コア/15GB/1GbEから、24コア/320GB/25GbEまで6種類があり、ユーザーはシステムの規模に応じてスペックを選択できます。

各エディションとシェイプを組み合わせることで、利用状況に応じた最適なリソースを構築することができます。利用者の増加で変更が必要になった場合でも、簡単にシステムを拡張することができ、ビジネス要求に応じた伸縮性を持ちます。

Oracle Databaseのパブリッククラウドへの移行においては、オンプレミスとクラウドの双方についての知識と技術、またデータベースの特性やインフラに関する幅広い経験とノウハウがなければお客様のプロジェクトを成功に導くことはできません。

私たちCTCは、20年以上のオラクルとのパートナーシップを通じて、国内有数の豊富な導入・運用実績を持っています。OCIの認定資格者も国内トップクラスで、長年にわたりオラクルの最上位パートナーランクである Platinum Partnerとして、最新技術のノウハウをお客様に提供してきました。

DXによるビジネスアジリティを獲得するためにクラウドの利用は欠かせません。クラウドの特性である弾力性と拡張性によって業務の拡大・縮小に迅速に対応できるデータベース環境を手に入れるには、OCIの選択となるのではないでしょうか。