コラム

Windows Server 2008 検証レポート

検証レポート Vol.26 ~Hyper-V RC その6~

更新

CTCの独自視点を織り交ぜたWindows Server のポイントを解説

著:クロスファンクショングループ ITエンジニアリング室 プラットフォーム推進部
杵島 正和 26-0605

これまでは、Hyper-V上での仮想マシンの管理を中心に見てきたが、今回はちょっと踏み込んで実際の仮想マシンのパフォーマンスを見てみようと思う。といっても現状Hyper-Vはベータ版であることも事実なので、あくまでもHyper-Vを考察する上での参考情報としてとらえている。

環境

今回は次のような環境を用意した。

物理サーバハードウェアスペック
・ HP Proliant DL360 G5
CPU:Intel Intel クアッドコア インテルXeon プロセッサーE5335 :2.0GHz(仮想サーバとCPUの個数を合わせるため、物理サーバではCPUの個数の調整を行っている)
Memory:2GB(HYPER-Vサーバのみ8GB)
HDD:72GB×4(Raid 1+0)

仮想サーバ構成
CPU:2個ないしは4個
Memory:1.5GB
HDD:30GB

OSバージョン
物理/仮想ともに以下を用意した
Windows Server 2008 Enterprise Edition(x86)
Windows Server 2008 Enterprise Edition(x64)

テスト用アプリケーション

今回のテストでは、SQL ServerでのTPSを計測している。そのため各サーバにSQL Server 2005 Enterprise Edition(x86/x64)をインストールした。
使用したアプリケーションは「Benchmark Factory for DateBase」を用いて、50ユーザーが接続した場合のTPS値の平均を計測した。
あくまでも参考値としてのデータ取得のため、SQL Serverはすべてデフォルト設定でインストールしている。

(Quest Software Benchmark Factory 概要)
Benchmark Factory はさまざまなワークロードを用いてデータベースシステムの性能や拡張性を擬似的に検証することができるツールだ。
予め組み込みのワークロードの中から業界標準ベンチマークである TPC-C や TPC-を組み合わせて実行したり、個々のデータベース アプリケーション固有のワークロードをトレースして擬似的なテストを行うこともできる。
テスト実行中のアクティビティはリアルタイム モニタよって統合的な監視が可能である。

テストパターン

次のようなパターンでテストを行った。
物理サーバでのTPS値を計測後後、Hyper-V上で1つだけ仮想マシンを動作させて、TPS値を取得。その後、仮想マシンを同時に4台起動してTPS値を取得する方法をとった。

テスト結果

つぎのような結果になった。

テスト1:CPU2個、Hyper-V上での起動ゲストOSは1つの場合

環境 Windows Server 2008 x86(物理) Windows Server 2008 x64(物理) Windows Server 2008 x86(仮想) Windows Server 2008 x64(仮想)
TPS値 8446 9488 7062 6938

テスト2 :CPU2個、Hyper-V上で同時にゲストOSを4つ起動していた場合

環境 Windows Server 2008 x86(仮想) Windows Server 2008 x64(仮想)
TPS値 6485 6457

テスト3: CPU4個、Hyper-V上での起動ゲストOSは1つの場合

環境 Windows Server 2008 x86(物理) Windows Server 2008 x64(物理) Windows Server 2008 x86(仮想) Windows Server 2008 x64(仮想)
TPS値 10816 13324 9106 9445

テスト4 : CPU4個、Hyper-V上で同時にゲストOSを4つ起動していた場合

環境 Windows Server 2008 x86(仮想) Windows Server 2008 x64(仮想)
TPS値 8756 9080

仮想化によるオーバーヘッドが若干大きいと思われるが、ベータ版と言うことを考慮に入れると、ある意味妥当な結果ではないだろうか。今回の環境では何のチューニングも施していないので、ある程度チューニングを施せばそれなりに使える環境になるものと推測できる。

RC1 のリリース

このテストを始める直前に、HYPER-V のRC1がリリースになっていたことに気づいた。今回はRC0を使用しているがそのうち、RC1でも同様の内容を試してみたいと思う。

次回予告:検証レポート Vol.27 ~ Hyper-V RC その7~

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