自然資本・生物多様性への取り組み
TNFD提言に基づく開示
近年、自然資本・生物多様性の損失など、自然環境に関するリスクが増大し、事業活動に与える影響が拡大しています。CTCグループは、自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)の趣旨に賛同し、2026年6月にTNFDフォーラムに参画しました。TNFD提言に基づき、自然との関係性を正しく認識し適切な対応および開示を通じて、持続的な企業価値の向上を目指します。

ガバナンス
代表取締役社長を最高責任者とするサステナビリティ推進体制を構築しています。自然関連課題への重要事項は、関係部門の検討を経て役員会で決定され、報告・監督が行われます。この体制は気候変動対応と一体で運営されており、全社的な意思決定と統合されています。
自然関連における人権への配慮
CTCグループでは、人権方針を策定しています。国際人権章典および「国連グローバル・コンパクトの10原則」など、人権に関する国際規範を支持するとともに、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」に沿って、企業活動における人権尊重の取り組みを推進しています。自然関連の取り組みにおいても、先住民族や地域コミュニティの権利など、人権課題との関連性について認識を深めています。また、「サプライチェーン調達方針」において、人権尊重、労働慣行への配慮、環境負荷の低減や効率的な資源利用、生物多様性の保全、紛争鉱物の不使用などを定め、国内外のサプライヤーとともに社会の持続的発展を目指しています。
戦略
連結の直接操業拠点を対象に、TNFDが推奨するLEAPアプローチに基づきENCORE等の国際的な評価ツールを活用して、自然資本への依存および事業活動による影響の評価・分析を実施しました。その結果、当社はオフィスを中心とし、大規模な土地改変等を伴わない事業特性から、自然関連の依存度・影響度は相対的に低位であることが示され、現時点の分析では、顕著な負の影響は確認されていません。

依存と影響の診断
産業分類ごとに事業活動を整理し、生態系サービスへの依存と環境への影響をスクリーニングした後、実態に基づいて評価しました。物流・ロジスティクスセンターは、地盤の安定性・保持が運営の継続性に影響するため、土壌への依存度は中程度でしたが、工業系用途地域に立地し、必要な基盤は整備されているため、顕著な負の影響には該当しないと判断しています。
評価したヒートマップ
| 依存(生態系サービス) | 圧力(影響要因) | |||||||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 供給 サービス |
調整維持サービス | |||||||||||||
| 経済活動 | 水供給 | 土壌と土砂の保持 | 空気ろ過 | 洪水制御 | 局地的気候調整 | 嵐の緩和 | 水流調整 | 水の使用 | GHG排出 | 大気汚染物質の 排出 |
有毒汚染物質の 土壌と水質への排出 |
固形廃棄物と処理 | 土地の使用 | 外乱 (騒音、光など) |
| インフラ関連機器の調達、 ハードウエア販売 |
L | L | N/A | L | L | L | L | L | L | L | L | VL | L | L |
| ソフトウエア開発、システム構築、 導入支援、保守・運用関連活動 |
VL | VL | N/A | VL | L | VL | VL | L | L | VL | L | VL | L | L |
| データセンター運営、クラウドサービス | VL | VL | L | VL | L | VL | VL | L | L | VL | N/D | VL | L | L |
| 市場調査と世論調査 | L | VL | N/A | VL | L | L | VL | L | VL | VL | VL | VL | L | VL |
| BOP業務プロセス、アウトソーシング | VL | VL | N/A | VL | L | VL | VL | L | VL | VL | VL | VL | L | VL |
| 倉庫保管・陸送に付随するサービス活動 | VL | L | VL | VL | L | L | VL | L | L | L | L | L | L | VL |
VH:非常に高い、H:高い、M:中程度、L:低い、VL:非常に低い、N/D:データなし、N/A:評価対象外
(依存度・影響度がLow以上の項目のみを表示し、Very Low(VL)、No Data(N/D)、Not Applicable(N/A)だけの列は省略)
太字:ENCOREのデフォルト評価から実態に基づき変更
リスクと機会の評価と対応策
事業への影響度とステークホルダーへの影響度の2軸から、事業継続上のリスクと機会を下記の通り評価しました。
リスク
| 分類 | 内容 | 対応策 | |
|---|---|---|---|
| 物理リスク | 急性 | 洪水浸水発生によるリスク |
|
| 慢性 | データセンターにおける気温上昇による冷却負荷増加(電力) |
|
|
| 慢性 | データセンターにおける水ストレス増加によるコスト増 |
|
|
| 移行リスク | 規制 | 温室効果ガス排出量削減等に関する規制強化への対応におけるコスト増加 |
|
| 市場/評判 | 顧客のサステナビリティに関する要求への対応遅延リスク |
|
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機会
| 分類 | 内容 | 対応策 |
|---|---|---|
| 市場/製品・サービス | 環境配慮型ITソリューションの市場拡大 |
|
| 市場/評判 | 責任ある企業活動の推進による企業ブランド価値の向上 |
|
指標と目標
CTCグループにおける自然関連の直接的な影響・依存は限定的です。一方で、気候変動と自然資本・生物多様性は密接に関連しており、温室効果ガスの排出が当社グループ事業の主要な環境負荷であることから、温室効果ガス(Scope1、2)排出量の削減を自然関連の指標・目標として設定しました。なお、これらは事業環境の変化に応じて、適時見直します。
CTCグループ温室効果ガス排出量削減目標(基準年:2022年度)
| 短期目標 | Scope1, 2:2030年度までに50%削減 |
|---|---|
| 長期目標 | Scope1, 2:2040年度までに90%削減 |
CTCグループでは「資源の有効活用」を掲げ、再生可能エネルギーへの切り替え、省エネルギー化の推進、グリーン調達の推進、ペーパーレス化、廃棄物の分別・リサイクルの徹底等、環境負荷の低減と資源循環に資する取り組みを継続的に実施しています。これらの取り組みは、気候変動対応のみならず、自然資本および生物多様性保全にも貢献するものと位置付けています。
生物多様性保全へのその他の取り組み
自然保護・生物多様性保全に関する活動支援
「WWFジャパン生物多様性保全のためのプロジェクト」(2025年9月現在)をはじめ、「公益信託経団連自然保護基金」や災害からいのちを守る森をつくり自然資本の保全を行う公益財団法人「鎮守の森のプロジェクト」に賛同し、寄付や活動を通じて自然保護・生物多様性保全に関する活動を支援しています。
植樹活動
社員がボランティアで植樹活動を行い、防災・減災につながる森づくりと環境保全に取り組んでいます。
自然資本・生物多様性に関する対話
2025年11月、一般社団法人more trees事務局長・水谷伸吉氏をお招きし、「ネイチャーテック」をテーマに社内講演会を開催し、2030年の都市と森の関係にITがどう関われるのか、対話を実施しました。