Technical Report
デジタル社会に求められる人と組織とは
~産学連携による教育イノベーション~
産学連携による人材育成の仕組み
このような人材はどのように育成すればよいでしょうか。ここでポイントとなるのが産学連携です。デジタルエンジニアは、従来の育成の枠組みを多少変更すれば対応できると思われるので、その他デジタルビジネスデザイナとデータサイエンティストの側面から考えます。
①デジタルビジネスデザイナ
今までデザインスクールなどのデザイン専門の教育機関を除いて、顧客体験を洞察する能力やイノベーションを起こす能力を意識的に教育する場所は極めて少なかったと思われます。
最近では、企業でもデザイン思考を含めたイノベーション教育が多く実施されるようになってきました。また、学校でもアクティブラーニングという個々を生かす教育が試行されています。
しかし、イノベーティブな人材を育成するには、思考訓練を行う場と体系立ったプログラムが必要です。体系立った理論を研究できる大学と実際にイノベーションを起こそうとしている企業の協力が求められています。
②データサイエンティスト
日本はデータドリブンの考え方が根付いておらず、日本の社会には数理的な思考やデータ分析・活用を持つデータサイエンティストが極めて少ないと言えます。
大学では実ビジネスで使うビッグデータを入手しにくいという課題がある一方、企業では、数理的なモデルや、数学、統計学を教育できる人材が極めて少ないという課題があります。お互いの課題を解決するのが産学連携の肝になります。
CTCでも、データサイエンス分野の人材育成及び産学連携促進を目的として滋賀大学と連携協力の協定を締結し、データサイエンティストの育成に努めています。
課題解決のための産学連携モデル

将来のデジタル社会が夢のある豊かな社会となるために、オープンな協力のもとで価値の創造を図っていくことが、私たちに今必要なことです。
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