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|特集|世界に浸透するCTCビジネス

ASEAN地域でのビジネス開始

2010年、CTCは、お客様の海外展開ニーズへの対応力強化を経営計画における成長戦略の一つとして掲げました。当時は、ASEAN地域でのITサポートを求めるお客様の声が国内ビジネスで活発になり、海外に進出する日系企業を支えるための組織体制の整備に努めていました。その一環として、2011年4月には、ASEAN地域で初めての独自拠点となる「シンガポール支店」を開設しています。

シンガポール支店を中心に新たな地域への進出を模索する中で、次に浮上してきたのがタイでした。2012年7月に、タイのIT企業であるNetband Consulting Co., Ltd.(以下:Netband社)に出資し、合弁事業を開始します。この合弁事業では、日系のお客様向けのサポート強化を当然の目的としつつも、日本国内のIT市場に比べて成長余地が大きいASEANの市場での、地場の企業に向けたビジネスを視野に入れていました。また、それまでタイ国内で製品販売を中心に事業展開していたNetband社は、インフラビジネスというCTCと共通した強みでシナジーを発揮し、日系企業向けビジネスやアプリケーション開発案件の増加に至ります。これはCTCのグローバルビジネスにおけるモデルケースにもなっています。

ASEAN地域でのビジネス拡大:マレーシア、シンガポール、タイ

CTC Global(マレーシア)のオフィス内にある検証センター

CTC Global(マレーシア)のオフィス内にある検証センター

2013年3月、後にCTC Global Sdn. Bhd.とCTC Global Pte. Ltd.に社名を変更するマレーシアとシンガポールのIT企業2社を買収し、子会社化しました。当時は両社合わせて約700人の従業員数で、CTCはこの買収を機にASEAN地域での地場企業を中心としたグローバルビジネスを本格的に展開していきます。

CTC Global(マレーシア)は、本社を含めて23のサービス拠点を持ち、大手金融機関や流通小売、製造業などに向けた製品販売や保守・運用サービスを幅広く手掛けています。大規模のITインフラ構築、工場でのセットアップ、プライベートクラウドの構築、24時間365日の受付窓口とオンサイトサポートなどが強みです。2019年に入り、マレーシアでのIaaS型クラウドサービス「CUVIC Cloud」の提供も開始しています。

CTC Global(シンガポール)で春節(旧正月)を祝う社員

CTC Global(シンガポール)で春節(旧正月)を祝う社員

CTC Global(シンガポール)は、現在では45年以上の現地でのSIビジネス実績があり、政府・政府系企業や金融機関が約80%以上を占めています。インフラの導入から運用監視まで一貫したサービスを提供しており、サーバとストレージを統合し拡張性の高いハイパーコンバージドインフラの取り扱いや、月額課金型でITを提供するユーティリティサービスも開始しています。2019年9月には、システムや新技術の検証を行う施設「POC LAB」も開設しました。

CTC Global(Thailand)の受付

CTC Global(Thailand)の受付

タイについては、2017年11月にNetband社を子会社化し、社名もCTC Global (Thailand) Ltd.に変更して、現地でのアプリケーション開発やSIサービス事業の拡大を図りました。CTC Global (Thailand)は、マレーシア、シンガポールに比べて日系企業向けのビジネスが占める割合が約4割と多いことも特徴で、情報通信、製造、金融を中心に幅広い業界に対応しています。アプリケーション開発では、開発品質の標準化やスピードの求められる用件に対応したアジャイル開発を推進しています。CTCグループとして日本国内での実績もあるローコード開発基盤OutSystemsやRPAツールのUiPathの取り扱いも開始しました。

ASEAN地域でのビジネス戦略とインドネシア

ASEAN地域におけるCTCの戦略は、現地でCTCと同様のビジネスモデルを持つ企業を買収し、親和性の高さを利用して国内で培ったノウハウを生かすというものです。CTCが出資することで、子会社となる企業の地場を中心としたビジネスに日系向けの案件も加わります。

タイでの合弁事業を始めた2012年以降、事業ポートフォリオの多様化を目的として海外展開を行う中で、ASEAN全域を面でカバーするという目標がありました。残る地域がインドネシアです。マレーシア、シンガポール、タイと並んで、人口が約 2.65億人で、実質GDP成長率も5.17%と高いインドネシアでのM&Aも常に探求してきました。

2017年には、グループ会社としてPT. CTC Techno Solutions Indonesiaを立ち上げ、日系企業向けにインドネシアでのビジネスに着手し、2019年9月に冒頭で述べたCompnet社とProsia社のグループ化が実現しました。

Compnet社とProsia社は、それぞれ、システム構築とアプリケーション開発をコアビジネスとするSI企業で、インフラからクラウド、アプリケーションを含めたトータルなサービスを2社共同で提供しています。Compnet社はインドネシア諸島全土で33拠点から成る保守ネットワークも形成しており、ビジネス要件定義などの上流工程にも対応したProsia社と共に、コンサルティングから保守・アウトソーシングサービスまでITライフサイクルの全てをカバーします。現在、政府、通信・銀行・資源・メーカーなどの政府系・財閥系の企業、日・米・欧資本の企業に最適なITサービスを提供しています。直近では、キャッシュレス決済を含むフィンテックや、スマートシティなどに関連したAI/IoTの領域拡大に注力しており、既に実ビジネスも進んでいます。

グローバルビジネスの拡大に関連した取り組みとしては、イギリスのSI企業Newton Information Technology Ltd.と欧州でのITサービス事業について協業も開始し、また、中国・深圳でのR&Dも進めています。

今後は、CTCグループとなったばかりのCompnet社及びProsia社とシナジー創出を図りつつ、北米、欧州、ASEAN、中国、日本が連携してグローバルレベルでお客様を支えていきます。

記載内容は掲載当時の情報です。最新情報と異なる場合がありますのでご了承ください。

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