Case Study
デジタルとリアルをつないでお客様の体験価値を高める
データ活用エンジンを開発
ANAグループ様
OSS、アジャイル、強固なチーム力で約5ヵ月という短期開発を実現
今回のストリーミングエンジンの開発プロジェクトでは、オープンソースソフトウェア(OSS)の活用とアジャイル開発手法の採用により、約5ヵ月という短期開発を実現しました。AWS上にAmazon EKS(Elastic Kubernetes Service)を用いたマネージドコンテナ環境を構築し、その上にストリーミングデータ処理を行うSpring Cloud Data Flow やワークフロー管理のDrupalなどの複数のOSSを組み合わせて開発した、クラウドネイティブのシステムです。
CTCとの共同開発について、ANAシステムズ CXマネジメント部 CX推進チーム マネージャーの亀岡氏は次のように評価しています。
「私たちはOSSで開発したことがほとんどありませんでしたが、CTCが持つ技術・知識とANAシステムズが持つ業務ノウハウ・開発経験がうまく組み合わさったことで短期開発が実現できました。また、設計、実装、テスト、リリースを細かく反復するアジャイル開発では判断と実行の繰り返しです。意思決定するANA、実際に開発を行うANAシステムズとCTCが、三位一体となってゴールを共有できたことが大きな成功要因だと考えています」
開発の中心メンバーとしてプロジェクトに参画したANAシステムズ CXマネジメント部 CX推進チーム スペシャリストの西川氏も、「開発期間中はCTCのメンバーと何度もミーティングを繰り返して議論を重ねました。ストリーミングエンジンで扱うデータは、基幹系も含め社内の様々な部門にまたがっているので仕様の擦り合わせが難しい面があったのですが、CTCのメンバーはそうした調整の場でも積極的に技術的な知見を提供してくれたので、土台がしっかりした仕組みを構築することができました」と話し、このプロジェクトにおけるチーム力の高さを強調しました。
ストリーミングエンジンのイメージ図

ストリーミングエンジンで加速するANAグループのデジタル変革
ストリーミングエンジンは現在、本格的な運用の段階に入っており、CTCが保守も含めたマネージドサービスとして提供することで安定稼働を支えています。システムの監視、運用、保守をマネージドサービスに任せることで、ANA、ANAシステムズは安心して新たな施策やサービスの企画に専念できる体制をとっています。
2020年には、ストリーミングエンジンをはじめとするデジタルプラットフォーム整備に向けた取り組みが評価され、公益社団法人企業情報化協会が発表する「2020年度IT賞」において最高位の「IT最優秀賞(顧客・事業機能領域)」を受賞。こうしたニュースも後押しになって、この新しい仕組みが社内に広く浸透するようになり、マーケティングやオペレーションなどの現場部門で様々な施策の検討が始まっています。
ストリーミングエンジン活用の今後の展望について、ANAの合志氏は次のように話します。
「ストリーミングエンジンの活用の幅を広げ、お客様一人ひとりにパーソナライズされた新しい施策をどんどん増やしていきます。お客様満足度の向上、そのためのお客様体験価値を高める取り組みは、全社的に一致した方向性であり、社内の各部門で多くのアイデアを持っています。この新しい仕組みが起爆剤となって、ワンステップ先のサービスが生まれてくることが期待されています」
さらに、ANAシステムズの亀岡氏は、「ストリーミングエンジンで現在想定しているデータは、予約システムや搭乗システムなどの主に基幹系でのトランザクションですが、今後はセンサーなどのIoTからのデータも視野に入ってきます。例えば、空港の中で混雑する場所やラウンジでの滞在時間などを、お客様の許諾をきちんと得た上で検知できれば、さらに有効な施策につなげられる可能性があります」と語り、ストリーミングエンジンの適用領域を拡大したい考えを示しています。
ANAグループのデジタル変革はさらに加速します。顧客体験価値のより一層の向上を実現する、魅力的で多彩なサービスを打ち出すには、ストリーミングエンジンの安定稼働と今後の機能強化が欠かせません。CTCは信頼できるパートナーとして、これまで培ってきた豊富な知見と技術力を提供し、ANAグループのチャレンジを強力に支援していきます。
ストリーミングエンジンで検知するお客様の行動例

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