|特集1・特別対談| デジタル世界のIDのより良い在り方を求めて

未来を見据えて現代の社会課題に取り組んでいく
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- 最後に、今後乗り越えなければならない課題などがありましたら、教えてください。また、CTCは今後IDの問題にどう取り組んでいくのか、これからの展望も聞かせてください。
- 安田
- 課題という点について言えば、EUが目指す枠組みを実現するために解決しなければならないことは山ほどあります。また、その枠組みができ上がったとしても、それが利用されて、新たな技術やサービスが動き出せば、きっと今は想像もしていない問題が生じるはずです。AIが今後どう発展するかにも関係してくるでしょう。IDの問題において、これで全て解決ということは決してないと思います。
- 富士榮
- CTCの今後についてひと言言えば、CTCは、SIer(システムインテグレータ)としてお客様の課題を解決するための製品やサービスを作るということがまず第一にあります。ただ、それに加えて、今ある社会課題の解決を目指すという広い視点も大事だと私は考えています。私は今年度から「みらい研究所」の研究所長を務めています。この研究所では、それこそクリスチーナのような、専門知識をお持ちの方の力を借りて、何十年後の未来を見据えたテクノロジーや制度の在り方を探っていくつもりです。デジタルIDについてもそういうスパンで考えていきたいですね。
- 安田
- 私自身、何も知らない状態から現在に至るまでに、富士榮さんにはとても助けられてきました。ぜひこれからも、正式な枠組みの中でもプライベートでも、情報共有やディスカッションを続けさせてもらって、新しいデジタルIDの構築を一緒に進めていけたら嬉しいです。
- 富士榮
- ありがとうございます。未来を見据えて現代の社会課題に取り組むことは、CTCがサステナブルな事業体であり続けるためにも必要なことです。ぜひこれからも力を貸してください。

現在、ベルリンに在住して「The EU Digital Identity Wallet (EUDIW)」の基盤づくりに携わっている安田氏。富士榮氏との対談は多忙な日々の合間をぬって、Zoomをつないで行われました。
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