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IT選定眼

「カスタマーゼロ」がつなぐ顧客共感と価値創出

情報システム本部は、多様なベンダーパートナーの製品を選定し、社員約13,000名が利用する社内システムを構築・運用している。
その過程で得た知見を単に社内ノウハウとしてとどめることなく、営業と共にお客様を訪問し、実体験を交えて話すことで営業支援にも活かしている。
新しい製品やサービスを検討する時に「将来お客様へ提案したいものは、自分たちが先に使ってみる」。
情報システム本部が実践する「カスタマーゼロ」という考え方と、営業支援の取り組みについて紹介する。

菅原 高道

情報システム本部
ITインフラシステム部長

菅原 高道

20年以上にわたり、社内システムの企画・導入・運用に携わる。インフラ、クラウド、セキュリティ、AIまで幅広い領域に精通。2025年から現職。

お客様の悩みは、私たちが経験してきた悩み

近年、営業から情報システム本部へ、「お客様の情報システム部門と意見交換して欲しい」「CTCの社内事例を紹介してもらえないか」という相談が寄せられる機会が増えています。

相談テーマは、製品やサービスに限らず多岐にわたりますが、こうした問いに、唯一の正解があるとは限りません。会社の事業、働き方、IT環境、リスク許容度によって答えが異なるからこそ、製品の機能や一般論だけでなく、実際の判断や運用を踏まえた対話が重要になります。

私たちがお客様にお話しするのは、成功事例だけではありません。何を課題として捉えたのか。どのような選択肢を比較したのか。なぜその仕組みを採用したのか。導入時にどのような壁があったのか。利用者の理解を得るために何をしたのか。そして、運用を続ける中で何を見直してきたのか。

お客様の情報システム部門が直面している悩みは、私たち自身が経験してきた悩みでもあります。自ら経験してきたからこそ、実感を持って伝えることができます。単なる事例説明ではなく、お客様と同じ立場、同じ目線で課題に向き合うことが、お客様との対話を深める出発点になっています。

共感を生む「カスタマーゼロ」

私たちが大切にしているのは、「カスタマーゼロ」という考え方です。将来お客様に提案する可能性のある最新技術やサービスを、まずCTC自身が最初の利用者となり導入し、実際の業務で活用する。その過程で、技術的な有効性だけでなく、業務との適合性、利用者にとっての使いやすさ、セキュリティ、運用負荷、既存システムとの連携、導入後の定着までを確認し、その価値と課題を検証しています。

製品説明やベンダーの評価だけでは、本当に課題解決につながる製品・サービスであるかどうかは分かりません。想定通りに進まなかった場合も含め、解決への道筋を試行錯誤しながらたどる経験を重ねることで私たちは「IT選定眼」を磨いてきました。うまくいかなかった理由を整理し、次の選定や導入に活かす。「カスタマーゼロ」とは、単に新しいものを早く導入することではなく、自らの業務を通じて価値とリスクを確かめ、実践知へ変えることだと考えています。そして、そのことこそがお客様の共感を生んでいるのだと感じます。

営業と共に顧客価値をつくる

情報システム本部の実践知だけで、顧客価値が生まれるわけではありません。営業は、お客様の事業、経営課題、IT環境、関係者、意思決定の背景を理解しています。一方、情報システム本部は、利用する立場で技術を選び、導入し、運用してきた経験を持っています。この2つを掛け合わせることが重要です。

営業からお客様課題や相談内容を共有してもらい、情報システム本部が関連する社内事例や知見を整理する。必要に応じて営業と共にお客様を訪問し、導入の狙い、判断の経緯、利用者への展開、運用上の工夫などを紹介しながらヒアリングを重ねていく。その対話から、お客様が抱える課題や優先順位を具体化し、営業が次の提案へつなげます。

営業同行の際の説明資料では、自社システムの導入・運用経験を事例として共有し、お客様との共感を起点に、課題の引き出しと提案創出につなげる営業支援を行っています。その成果として、2025年度に情報システム本部が間接的に関わった商談は、把握できる範囲だけでも約70億円規模の売上にのぼります。

ただし、営業支援の価値は、売上の規模だけでは表し切れません。情報システム本部がお客様との対話に参加することで、営業もお客様の課題を異なる角度から理解できます。一方で、情報システム本部も、営業やお客様との対話を通じて、社内だけでは得にくい視点やニーズに触れることができます。その気づきを次の社内システムの改善へつなげ、さらに新しい事例をつくる。この循環こそが、CTCならではの営業支援の形です。

CTCグループ社内システムの変遷
CTCグループ社内システムの変遷
出典:Best Engine Vol.19

記載内容は掲載当時の情報です。最新情報と異なる場合がありますのでご了承ください。