Yahoo! JAPANのOpenStack基盤に、Open Compute Projectが初採用

米国では、データセンター向けに最適化されたオープンハードウェアの需要が拡大しています。特に「ウェブスケール」や「ハイパースケール」と呼ばれる大規模なITインフラを必要とする事業者を中心に、特定ベンダーに依存することのない機器の調達が進んでいます。

OCPは、米国Facebook社が自社サービスで使用しているデータセンターやサーバなどのハードウェア仕様をオープン化するために2011年に開始したプロジェクトです。データセンター向けハードウェアを標準化・オープンソース化し、大規模データセンターに最適なハードウェアを設計・提供するための運営団体として「Open Compute Project Foundation」が設立されました。現在では、Facebook社などのユーザ企業に加え、大手ハードウェアベンダーやソフトウェアベンダー、SI企業など、全世界で150社以上がOCPに加盟し、OCP仕様のサーバ、ストレージ、スイッチ、ラックなどの開発が進められています。

Yahoo! JAPANは、2015年4月にYJ Americaが保有する米国ワシントン州のデータセンターを正式に稼働しました。東日本エリア及び西日本エリアに加え、国外のデータセンターを活用することでBCP強化を実現します。また、米国における設置地域の電気料金が廉価であることから、グループ全体のサーバ運用費用の削減を図ることも狙いです。

北米ではOSSを用いた技術革新が広がっており、2013年に自社データセンターの仮想化統合基盤として採用したOpenStackをはじめとして、Yahoo! JAPANはOSSから積極的に新しい技術を取り入れてきました。ウェブスケールで活用されているOCPを自社のOpenStack基盤に採用することで、大規模データセンターに対応したコスト競争力の強化と、更なる基盤技術力の向上が期待できます。ハードウェアのオープン化によって、ハードウェア調達時に自社が求める製品設計や運用の仕方などを検討し、コスト、技術の両面から最も適した製品を選択することができます。

CTCは2014年1月に国内で初めて Open Compute Project Foundation からSolution Provider認定を受け、OCPが正式に認定する製品の販売、設計、構築、保守を2014年4月に開始するとともに、OCPの普及に貢献してきました。OCP仕様のサーバ、ストレージなどの製造を行っているODM^※1各社と協力することで競争力のある機器調達を可能としています。

今回、これらの取り組みと実績が評価され、Yahoo! JAPANのOpenStack基盤へのOCP製品の導入が決まりました。CTCはOCP仕様のサーバ、ストレージ、ラック、電源装置の共同評価、製品販売、ラックレベル構築及び、保守サポートまでのトータルソリューションを提供します。

2014年度にOpenStackによる約5万のVM（仮想マシン）の管理を実現したYahoo! JAPANでは、更に管理台数を拡大する計画です。今後はOpenStack以外の分野も含めてOCPの導入拡大を検討しています。今後も、CTCグループの総合力を発揮して、Yahoo! JAPANが提供するサービスの発展に寄与すると共に、同様の課題を持つお客様に対してOCPソリューションの展開を推進します。