公開日:
クリーンコアとは?持続可能なシステム運用を実現するための考え方とポイント

クリーンコアとは、ERPの標準機能を維持したまま導入・運用することです。システムの標準機能をクリーンに保つことで、アップデートや新技術の取り入れが容易になり、将来的なシステムの柔軟性と拡張性を確保できます。
この記事では、クリーンコアが重要視される背景や、実現するための手法を解説します。クリーンコアによる業務改善やシステム運用の最適化を検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。

クリーンコアとは
クリーンコア(Clean Core)とは、SAPが提唱するERP運用の戦略で、製品やパッケージを改変せずに導入・運用することです。
ERPをなるべく標準のまま維持することで、最新技術の取り入れや法改正への対応など、システムの拡張性や保守性を高めます。
クリーンコアを実現することで、環境の変化に強く、持続的に成長できるシステム運用が可能になります。
クリーンコアが重要視される背景
従来のERPは、業務に合わせてカスタマイズを重ねることで、企業ごとの運用に最適化してきました。
しかし、個別での開発や拡張を積み重ねた結果、システムが複雑化し、保守やアップデートのたびに大きな負担が発生することが課題となっています。
特にクラウドERPでは、定期的に機能アップデートが行われます。そのため、複雑なカスタマイズを施したシステムでは変更範囲が広がり、最新バージョンを適用することが困難です。
近年は、AIやデータ分析などの新しい技術を活用して、業務の効率化や意思決定を高度化する取り組みが進んでいます。そのため、システム構造やデータを標準化し、他システムと連携しやすいクリーンな基盤を維持することが重要となります。
クリーンコアを実現するための手法
クリーンコアを実現するためには、以下の手法を活用します。
Fit to Standard:業務を標準機能に合わせる
Activate方法論:短期で導入し、実務で検証する
IN-APP拡張/Side by Side開発:クリーンコアを維持して開発する
ERPを標準のまま導入・運用するには、業務をできるだけシステムの標準機能に合わせ、必要最低限の拡張に抑えることが大切です。
1. Fit to Standard:業務を標準機能に合わせる

Fit to Standardとは、業務をシステムの標準機能に合わせる考え方です。
従来のように業務に合わせてカスタマイズを重ねると、システムが複雑化し、アップデートや保守が困難になります。
たとえば、販売管理などの主要業務プロセスを標準化することで、追加開発を最小限に抑え、業務の効率化と標準化を実現します。
Fit to Standardは、業務をシステムの標準機能に合わせるアプローチであり、クリーンコアを維持するためのベースとなる考え方です。
2. Activate方法論:短期で導入し、実務で検証する

Activate方法論は、Fit to Standardの考え方を前提に、SAPが提供する標準業務プロセスを活用しながら、短期間で導入と実務検証を進めるためのフレームワークです。
従来のERP導入では、要件定義から開発・テストまでを段階的に進めるため、時間やコストがかかりやすいのが課題でした。
Activate方法論では実機環境を早期に構築し、担当者が実際の操作を通じて「どの業務が標準で実現できるか」を確認しながら導入を進めます。
この方法により、Fit to Standardの実現度を早い段階で把握でき、現場主導で運用イメージを固めることが可能です。
3. IN-APP拡張/Side by Side開発:クリーンコアを維持して開発する
クリーンコアを維持しながら機能拡張を行うためには、拡張内容に応じて適切な開発手法を選択することが重要です。拡張方法は、大きく「ERP内で行うIN-APP拡張」と「ERP外で行うSide-by-Side開発」の2つに分けられます。
拡張方法 | 手法 | 主な用途 |
|---|---|---|
IN-APP拡張 | Key User拡張 | UI調整・項目追加 |
開発者拡張(ABAP Cloud) | カスタム開発 | |
Side by Side開発 | SAP BTP | システム連携・データ分析・アプリ開発 |
拡張内容に応じて開発手法を使い分けることで、ERPを標準状態に保ちながら、ビジネス要件に柔軟に対応できるシステムを構築できます。
クリーンコアのメリット

クリーンコアを実現するメリットは、主に次の3つです。
アップデート対応・保守性を高める
開発コスト・運用リスクを抑える
AI・データ活用などの技術を取り入れやすくなる
クリーンコアを実現することで、将来のビジネス環境や技術の変化にも柔軟に対応できるようになります。
アップデート対応・保守性を高める
クリーンコアを維持することで、ERPのアップデート対応や保守作業を効率化できます。
標準機能を改変してしまうと、アップデートのたびに多くのテストや修正が必要となり、業務への影響が大きくなるためです。
たとえば、SAP S/4HANA CloudのようなクラウドERPでは、年数回の定期アップデートがあります。クリーンコアを維持していれば、アップデート時の動作確認や修正作業を抑えられるため、更新がスムーズになり、システムの保守性も向上します。
ERPの改変を最小限に抑え、クリーンコアを維持することが、長期的にERPを運用するために大切です。
開発コスト・運用リスクを抑える
クリーンコアを維持することで、開発コストを抑え、運用リスクを抑えられます。
業務を標準機能に合わせることで、独自開発や複雑なアドオンを減らせるため、開発規模や工数が削減されるためです。また、標準仕様に沿ったシステムであれば、保守担当者が変わってもスムーズに業務を引き継げます。
たとえば、販売や購買などの共通業務を標準化すれば、他部門でも同じ仕組みを活用でき、改修コストを抑えることが可能です。
標準機能を中心としたシンプルな構成を保つことで、余分な開発を減らし、運用トラブルの少ないシステム運用を実現できます。
AI・データ活用などの技術を取り入れやすくなる
AIやデータ分析などの新しい技術を取り入れやすくなるのも、クリーンコアを維持するメリットです。
システムを標準構造のまま運用していれば、業務データの形式や定義が統一されるため、AIモデルや分析基盤とのデータ連携がスムーズに行えます。一方、カスタマイズやアドオンが多いと、データ項目がばらつき、連携や分析のために追加の整備が必要になります。
たとえば、購買データや販売データなどを標準項目のまま管理していれば、AIによる需要予測や在庫最適化などの高度な分析をすぐに取り入れることが可能です。
クリーンコアを実現することで、データが整った状態を維持でき、AI・データ分析などの新技術を柔軟に活用できる基盤が整います。
クリーンコアを成功させるポイントは業務側の意識改革

クリーンコアを成功させるためには、業務部門が主体的に関与し、業務を標準機能に合わせる努力が必要です。
Fit to Standardの考え方では「システムを業務に合わせる」のではなく、「業務をシステムの標準機能に合わせる」ことが基本となります。そのため、IT部門だけでなく、実際に業務を担当する部門が中心となり、現場の実態に即した見直しを進めることが大切です。
業務部門・IT部門・経営層が連携して、業務の標準化を推進することがクリーンコアを実現するためのポイントとなります。
CTCが行うクリーンコアを実現するためのアプローチ

CTCは、SAPのSaaS型ERP導入支援サービス「Figues(フィグ)」を通じて、クリーンコアを実現するアプローチを提供しています。
Figuesの主な特徴は、以下のとおりです。
Fit to Standardを軸にERP導入を支援
主要業種ごとにCTC標準テンプレートを整備し、導入を効率化
伴走型支援で、継続的な改善と内製化の推進をサポート
IN-APP拡張やSide by Side開発で、ERPの標準機能を維持した拡張を実現
CTCはFit to Standardを軸にERPビジネスを展開し、SAP BTPを活用したクリーンコア実現において豊富な実績を有しています。
基幹システムをクリーンコアに保ちながら、最新技術や外部知見を柔軟に取り込み、変化に強いシステム基盤を実現します。
Figuesの詳細については、以下のページを参考にしてください。
関連ページ:Figues
クリーンコアを軸に持続可能なシステム運用をしよう
クリーンコアとは、ERPを改変せずに標準状態のまま導入・運用することです。
従来のように業務に合わせてカスタマイズを重ねると、アップデートや保守の負担が増し、AI・データ活用などの新技術を導入するのが難しくなります。一方、クリーンコアを維持することで、将来的な業務の拡張性・保守性・柔軟性を高めることが可能です。
CTCでは、SAPのSaaS型ERP導入支援サービス「Figues(フィグ)」を通じて、クリーンコアを実現するためのアプローチを提供しています。
クリーンコアを実現し、経営基盤の強化や業務効率化を進めたい方は、ぜひお気軽にご相談ください。

当サイトに掲載されている情報(記事、資料、動画、テンプレート等)については、その正確性および妥当性の確保に努めておりますが、ご利用に際しては、利用者ご自身の責任においてご判断ください。なお、個別の事情に応じては、専門家へのご相談を含め、適切な対応をご検討いただくことを推奨いたします。






























