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Microsoft Entra External IDとは?機能やメリット、設定方法を解説

セキュリティ

公開日:2026.05.11

Microsoft Entra External IDとは?機能やメリット、設定方法を解説

    Microsoft Entra External IDとは?機能やメリット、設定方法を解説

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    Microsoft Entra External IDとは、企業が提供するWebサービスやアプリにおいて、顧客やビジネスパートナーといった「組織外のユーザー」向けに、安全でスムーズなログイン環境を提供するID・アクセス管理基盤(CIAM)のことです。

    デジタル接点が増加する現代において、ユーザーに負担をかけない「使いやすいログイン体験」と、個人情報を守る「強固なセキュリティ」の両立は、サービス運営において不可欠となっています。こうした状況を背景に、優れた顧客体験を損なうことなく高度な認証基盤を構築できる手段となるのが、Microsoft Entra External IDです。

    本記事では、Microsoft Entra External IDの主な機能や導入メリット・デメリット、基本設定のフローなどを解説します。Microsoft Entra External IDだけではカバーできない要件へのソリューションについてもふれていますので、ぜひ参考にしてください。
    SELMID-S

    Microsoft Entra External IDとはID・アクセス管理基盤

    Microsoft Entra External IDによる安全なアクセスとシームレスなユーザー体験を実現する構成イメージ

    Microsoft Entra External IDは、Microsoftが提供するID・アクセス管理基盤(CIAM)です。顧客やパートナー企業といった組織外のユーザーが、自社のサービスやデータに安全にアクセスできる「入口(認証)」を、柔軟に構築・管理するためのサービスで、2024年に提供が開始されました。

    CIAMについては、下記の記事をご覧ください。

    関連記事:CIAMとは?EIAMとの違いやメリット、製品選びのポイントを解説 

     

    Microsoft Entra External IDの導入メリット

    Microsoft Entra External IDを導入すると、企業のECサイトやスマートフォンアプリなどのサービスを利用するユーザーは、新たなアカウントを作成することなく、GoogleやAppleといった使い慣れた外部IDで安全にアクセスできます。

    企業側にとっても、スムーズな会員登録・ログイン環境を提供しながら、顧客データを安全に保護・管理できる点がメリットです。サインイン画面や登録フローを自社ブランドに合わせてカスタマイズでき、従業員向けシステムとは切り離された独立した環境で管理できます。

    一般消費者向けのスマートフォンアプリやECサイトを運営するB2C企業にとって、顧客ID管理の基盤として活用できるソリューションです。

    ■Microsoft Entra External IDの構成イメージ

    Microsoft Entra External IDの外部テナントとユーザー管理の基本的な設定フロー

    Microsoft Entra External IDと前身の「Azure AD B2C」の主な違い

    Microsoft Entra External IDは、従来のID管理ソリューション「Azure AD B2C」から大きく進化しています。主な違いを確認しておきましょう。

    シンプルさとカスタマイズ性の両立

    Microsoft Entra External IDのコンセプトとして、実装や運用が「シンプルで簡単」になった点は見逃せません。複雑さを排除したことで設定ミス等に起因するセキュリティリスクを低減しつつ、企業ごとのビジネス要件に応じた柔軟なカスタマイズ性も提供されています。

    シームレスなログイン体験

    「Azure AD B2C」では、スマートフォンアプリでログインする際、一度ブラウザが起動してログイン画面が表示される仕様が一般的でした。Microsoft Entra External IDでは、APIベースの「ネイティブ認証」がサポートされたことで、ブラウザへの遷移が不要になり、アプリのネイティブ画面のままバックグラウンドで認証を完結できます。これにより、アプリと一体化したシームレスなログイン体験を実現できるようになりました。

    外部システムとの柔軟な連携

    Microsoft Entra External IDは、認証フローの途中で外部APIを呼び出せる「カスタム拡張認証機能」を搭載しています。「Azure AD B2C」のような複雑なXMLファイルの記述が不要になり、使い慣れた標準的なAPIを用いて「自社データベースでの入力チェック」や「トークンへの独自データ追加」などをよりシンプルに実装できます。

    強固なセキュリティの標準化

    Microsoft Entra External IDは、Microsoftの最新セキュリティ基盤である「Entra」と統合されたことで、より高度な不正アクセス対策などを標準的に組み込みやすくなっています。

    Microsoft Entra External IDの主な機能

    顧客ID管理に焦点を当て、Microsoft Entra External IDが提供する主な機能を紹介します。 Microsoft Entra External ID には、ID登録やログイン認証、画面カスタマイズなど、顧客向けサービスの運営に必要な基本機能があります。

    <Microsoft Entra External IDの主な機能>

    機能

    概要

    ID登録

    メールアドレスや電話番号を使ったID登録とGoogleやAppleの外部IDを利用したID登録に対応

    ログイン

    登録したIDとパスワードや外部IDのログインに加えて、メールやSMSへのワンタイムパスコード送信によるパスワードレス認証にも対応

    パスワードリセット

    ユーザーがパスワードを忘れた際に、管理者を通さずに自分で安全に再設定できるセルフサービス機能

    画面デザインカスタム

    認証画面(サインアップ・ログイン画面)を、自社のブランドガイドラインに合わせてカスタマイズできる

    多言語対応

    グローバルに展開するサービス向けに、認証画面の多言語表示をサポート

    Microsoft Entra External IDの基本的な設定フロー

    Microsoft Entra External IDの基本的な設定は、管理画面に表示される手順に沿って進めます。設定の概要は下記のとおりです。

    ステップ1:外部テナントの作成

    まず、従業員用の環境とは完全に切り離された、顧客専用の「外部テナント」を新しく作成します。外部テナントとは、社内システム用の環境とは独立した「顧客ID専用の管理スペース」のことです。従業員用と顧客用の環境を分けることで、社内機密と顧客データが混在するリスクをなくし、安全に管理できます。

    ステップ2:アプリケーションの登録

    作成した外部テナントに、認証機能を組み込みたい自社のWebサイトやスマートフォンアプリの情報を登録・紐づけします。

    ステップ3:IDプロバイダーとユーザーフローの設定

    「メールアドレスでの登録」や「Google・Appleアカウントでのログイン」など、ユーザーに提供したい認証方法を選択します。同時に、サインアップ時に収集する項目(氏名・会社名など)も設定します。

    なお、登録時の入力内容を自社の独自データベースと連携してチェックしたい場合は、標準機能では対応しきれないケースがあります。その際はOIDC(OpenID Connect)などの認証プロトコルを用いた独自のAPI連携が別途必要になります。

    ステップ4:画面のカスタマイズ

    管理画面から自社ロゴのアップロードや、背景色・ボタンの色の変更といった基本的なカスタマイズが行えます。ECサイトやアプリのブランドと完全にデザインを統一したい場合は、独自のHTML・CSS・JavaScriptを用いた開発が別途必要です。

    ステップ5:アプリケーションへの組み込み

    Microsoftが提供する開発ツール(SDK)を使用して、自社アプリケーションのソースコードに認証機能を組み込み、動作テストを行います。

    Microsoft Entra External IDの料金体系

    顧客ID認証については、月間アクティブユーザー数(MAU)が5万人までであれば無料で利用できます。課金の基準は「登録ユーザー数」ではなく「実際にログインしたユーザー数」であるため、多くのユーザーが登録されていても、月間のアクティブユーザーが50,000人以内であれば費用は発生しません。

    無料枠を超えた分については、従量課金制が適用されます。

    ※2026年3月時点の情報です。最新の料金については「Microsoft Entra External ID の価格体系と課金モデル」をご参照ください。

     

    Microsoft Entra External IDのデメリット

    Microsoft Entra External IDは、高いセキュリティと柔軟性を備えた顧客ID管理基盤ですが、日本国内のB2Cサービスに導入する際は、日本独自の市場環境に合わない「機能の不足」や「開発の壁」に直面するケースが少なくありません。ここでは、具体的なデメリットを見ていきます。

    「LINEログイン」が標準搭載されていない

    日本のBtoCサービスにおいて、月間アクティブユーザー数の多い「LINE」を使ったソーシャルログインは、今や必須機能と言っても過言ではありません。しかし、Microsoft Entra External IDの標準の外部IDプロバイダーには、GoogleやAppleなどは用意されているものの、LINEは対応していません。日本市場向けのサービスを展開する企業にとって、これは見過ごせないデメリットといえます

    外部ID連携の不足による離脱のリスクがある

    ユーザーはID登録に手間を感じると、登録画面で離脱してしまうことがあります。そのため、自社の顧客層がよく利用している外部IDとの連携は、サービス運営において欠かせない要素といえます。Microsoft Entra External IDの外部ID連携の制限は、企業にとって機会損失、すなわち売上の低下に直結するため、対策が必要です。

    ■外部IDによるログイン画面例

    多くのソーシャルログインが選択肢として表示されたログイン画面の例

    要件を満たすための「スクラッチ開発」は負担が大きい

    「標準でLINE連携がないなら、スクラッチ開発で追加しよう」と考えると、顧客ID管理基盤の導入の難度は高くなります。独自のAPI連携や複雑なカスタム設定をゼロからプログラミングする必要があるためです。

    さらに、単にログインさせるだけでなく、「会員登録時に自社の顧客管理システム(CRM)へリアルタイムで顧客データを同期する」といったビジネス要件がある場合も、別途開発が必要になります。開発コストの増大、高度な専門知識を持つエンジニアの確保、開発期間の長期化など、さまざまな課題が生じる点に注意が必要です。

    Microsoft Entra External IDの機能を補完する「SELMID」とは? 

    Microsoft Entra External IDは高いセキュリティと柔軟性を備える一方、日本市場向けの要件を自社だけで開発・運用しようとすると、コストや技術面での負担が大きくなりがちです。こうした課題に対応するソリューションとして、伊藤忠テクノソリューションズが提供するCIAMパッケージ「SELMID(セルミッド)」があります。

    SELMIDとは?

    SELMIDがMicrosoft Entra External IDを補完し、多様な認証手段を提供する仕組み

    SELMIDは、Microsoft Entra External IDの強力な認証基盤をエンジンとして採用しつつ、日本企業に必要な機能(LINEログイン連携など)をあらかじめパッケージ化して提供するソリューションです。

    SELMIDを導入する3つのメリット

    SELMIDを活用することで、Microsoft Entra External IDの強固なセキュリティ基盤はそのままに、日本市場向けの機能追加や開発負担の軽減を実現できます。導入によって得られる主なメリットは3つです。

    ・LINEログインをはじめとする国内向け要件を標準装備

    SELMIDは、Microsoft Entra External ID単体では別途開発が必要だった「LINEログイン」などの外部ID連携機能を標準搭載しています。外部ID連携が充実することで、ユーザーの登録・ログイン時の離脱を防ぎ、スムーズな顧客体験を実現します。

    SELMIDが独自に提供する主な機能は下記のとおりです。

    <SELMID の主な独自提供機能>

    機能

    概要

    External ID非対応外部IDとの連携

    LINEやデジタル認証アプリなど、Microsoft Entra External IDでは対応していない外部IDとの連携が可能

    アカウント管理機能

    ユーザー自身が、属性やメールアドレス、パスワードを変更したい場合に、管理者を通さずに自分で安全に変更できるセルフサービス機能

    同意管理機能

    顧客の個人情報を取得・利用する際に、「いつ・どのような目的で・何のデータを使うか」について、顧客本人から同意を取得し、その履歴を安全に記録・管理する機能

    登録完了メール送信

    ユーザーが新規アカウント登録(サインアップ)を行った直後に、システムから自動的に確認メールを送る機能

    マイナンバーカード連携

    ユーザーのマイナンバーカード(公的個人認証サービス:JPKI)を利用して、オンライン上で厳格な本人確認(eKYC)や確実なログインを行う機能

    デジタル保証

    Verifiable Credentialsを用いて、企業や大学が管理する資格情報を改ざん不能なデジタル証明書として発行。非対面で簡単に身分証明・本人確認を行うことができる機能

    ・ノンコーディング・短期間での導入が可能

    SELMIDなら、複雑なスクラッチ開発は不要です。日本のユーザーに親しみやすいUI/UXを持った認証画面や、既存の顧客データベースとの連携機能を、設定ベース(ノンコーディング)で素早く立ちあげることができます。

    ・エンタープライズ水準の導入・運用サポート

    長年Microsoft製品を扱い、大規模システムの構築実績が豊富な伊藤忠テクノソリューションズが、要件定義から導入、稼働後のセキュリティ運用まで一貫してサポートします。社内に高度なID管理の専門家がいなくても、安全にシステムを運用できる環境を整えます。

    Microsoft Entra External IDのポテンシャルを最大限に引き出す

    Microsoft Entra External IDは、今後の顧客ID管理の最適解となりうる強力なサービスです。ただし、日本のB2Cビジネスでそのポテンシャルを最大限に発揮するには、LINE連携をはじめとする日本市場特有の要件をいかにスムーズに実装するかが成功のカギとなります。

    「セキュアな認証基盤を構築したいが、開発の手間はかけたくない」「ユーザーの離脱を防ぐLINEログインを実装したい」とお考えのご担当者様は、ぜひ伊藤忠テクノソリューションズの「SELMID」をご検討ください。まずは以下から資料をダウンロードいただき、詳細な機能や導入メリットを確認してみてはいかがでしょうか。

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    よくある質問

    Microsoft Entra External IDとは何ですか?

    Microsoft Entra External IDとは、Microsoftが提供する顧客やパートナー向けのID・アクセス管理基盤(CIAM)です。組織外のユーザーが、企業のサービスやデータへ安全にアクセスするための「入口(認証)」を柔軟に構築・管理できるサービスで、2024年に提供が開始されました。

    Microsoft Entra External IDとAzure AD B2Cは何が違いますか?

    Microsoft Entra External IDと、前身の「Azure AD B2C」からの主な違いは下記の4点です。

    • シンプルさとカスタマイズ性の両立:実装や運用が「シンプルで簡単」になりました。複雑さを排除したことで設定ミス等に起因するセキュリティリスクを低減しつつ、企業ごとのビジネス要件に応じた柔軟なカスタマイズ性も提供されています。

    • シームレスなログイン体験:「ネイティブ認証」がサポートされたことで、ブラウザへの遷移が不要になり、アプリのネイティブ画面のままバックグラウンドで認証を完結できるようになりました。

    • 外部システムとの柔軟な連携:認証フローの途中で外部APIを呼び出せる「カスタム拡張認証機能」を搭載しているため、使い慣れた標準的なAPIを用いて「自社データベースでの入力チェック」や「トークンへの独自データ追加」などをよりシンプルに実装できます。

    • 強固なセキュリティの標準化:Microsoftの最新セキュリティ基盤である「Entra」と統合されたことで、より高度な不正アクセス対策などを標準的に組み込みやすくなりました。

    Microsoft Entra External IDのメリット・デメリットは何ですか?

    Microsoft Entra External IDには、主に下記のようなメリットとデメリットがあります。

    <メリット>

    ユーザーは新たにアカウントを作らずGoogleやApple等の外部IDでログインできます。企業側は従業員用とは独立した環境で安全に顧客データを管理しつつ、画面デザインを自社ブランドに合わせてカスタマイズすることが可能です。

    <デメリット>

    日本のB2Cサービスで利用者が多い「LINEログイン」が標準搭載されていない点はデメリットといえます。機能不足によるユーザーの離脱(カゴ落ち)を防ぐために、自社で独自のAPI連携などをゼロから開発(スクラッチ開発)しようとすると、開発コストの増大や期間の長期化といった大きな負担が生じます。

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    執筆者情報

    Key Technology(Keys)編集部

    Key Technology (Keys)編集部は、CTCが注力する「高度AI」「データ&アナリティクス」「クラウドネイティブ」「セキュリティ」を中心とした最先端テクノロジーの情報発信を担う編集チームです。技術動向や活用事例、サービス情報をわかりやすく届け、ビジネス変革に挑む企業の意思決定や実行をサポートします。

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